あなたは寝る前に何をしていますか? 夜遅くまでスマホやパソコンを開いて作業をしているのは睡眠の質を下げるということはわかっていてもついつい…。でも、そのNG習慣を見直さなければ「入眠困難」や「睡眠維持困難」でずっと悩むことに…。
今日は、睡眠コンサルタントの友野なお先生に「光をコントロールしてキレイをつくる」コツを教えていただきました。
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睡眠時の光環境を夜モードにして“熟睡レベル”を高めるコツ
インターネットの普及と比例して睡眠難民が増加しているとの指摘がありますが、実際、スマホやパソコンから発せられるブルーライトは眠りを妨げる要因であることがわかっています。
ブルーライトは、脳の中の生体時計が位置する場所である「視交叉上核(しこうさじょうかく)」で感知されることで、メラトニンの分泌が低下し、なかなか寝つけない「入眠困難」や、朝までしっかりと眠れない「睡眠維持困難」が生じてしまうなど、睡眠に大きな悪影響を与えるのです。
就寝30分~1時間前にはパソコンを閉じる、スマートフォンを手放すといった習慣をつけることで、熟睡レベルをぐっと高めることができます。同時に、就寝1時間前になったら空間の照明をやや暗めで暖色系の照明に切り替えることも大切なポイントです。調光可能な照明器具や間接照明、アロマキャンドルなどを用いて光環境を完全な夜モードにシフトすることで、空間から脳へ眠る準備が始まったことをお知らせしてあげましょう。
また、就寝前の光環境のみならず、就寝中の光環境も体や精神に影響を及ぼすことが明らかになっています。
516名を対象とした夜間の光の暴露とうつ病の発症率の関係性を調査した結果では、5ルクス以上の光でうつ症状が約2倍にまで上がるということや、3ルクス以上で肥満・脂質異常症が約2倍になるという結果が報告されているのです。
また、イギリスでは照明の明るさを「読書ができるほどの明るさ」「読書ができるほどではないが、部屋を見渡せる程度の明るさ」「目の前にかざした手が見える程度の明るさ」「真っ暗、またはアイマスクをして眠る」の4段階に分類し、肥満との関連性を16歳以上の11万3千人の女性を対象として調査しました。すると、BMIやウエストのサイズなど、いずれの尺度においても明るい部屋で就寝する女性のほうが肥満度が高いという結果に。
健康と美容のためにお金をかけてサプリメントを摂取することもよいですが、一方で自分が身を置く光環境を整えることも健康や美容を大きく左右します。
しかし、もしも「真っ暗だと落ち着かない」「暗闇が怖い」という場合は、ムリに暗くすると興奮モードのスイッチが入り、かえって眠気が遠ざかってしまう可能性があるのでおすすめできません。
そんな人はベッドの下に長細いタイプの間接照明を置いたり、足元に近いコンセントに差し込み型の小さな間接照明をつけたりするなど、光源が目に入らない低めの位置に間接照明を設置することで対処しましょう。