みなさんは、アミノ酸という成分が、体の中でどのような働きをしているか知っていますか? 名前は聞いたことがあっても、その働きを詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。そこで、コンディショニング・トレーナーの桑原弘樹先生に、アミノ酸について教えていただきました。
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アミノ酸とは?
アミノ酸とは、簡単に言うと体を作る材料です。筋肉はもちろん、髪の毛や、皮膚、血液もアミノ酸でできています。
「ですが、厳密に言うと、必ずしも体の材料となるアミノ酸ばかりではありません。例えばカルニチンというアミノ酸は、体の材料にはなりませんが、脂肪燃焼をサポートする働きを持っています。
私たちの体を作っているアミノ酸は全部で20種類あり、その中で、体内で作ることができない必須アミノ酸は9種類。それ以外の機能を持つアミノ酸は500種類ほどあると言われています」(桑原先生)
栄養素は、体内で作ることができません。例えばミネラルやカルシウム、ビタミンCは必須アミノ酸同様、体内で作ることができない微量栄養素。これらの栄養素が体に入ってこなくなると、体が維持できなくなってしまうのです。
必須アミノ酸BCAAが持つ機能とは?
9種類ある必須アミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンという3つのアミノ酸は、総称してBCAAと呼ばれています。
「みなさんの筋肉の中には20種類のアミノ酸が含まれていて、さらにその中に必須アミノ酸も含まれているのですが、圧倒的にBCAAの割合が多い。
栄養素の多くは、体内に入ると肝臓で代謝されるのですが、BCAAは、筋肉の中だけでしか代謝されません。
代謝とは、BCAAが酵素の影響を受けて別の物質へと変化していくことです。BCAAは、まさに筋肉のためのアミノ酸といっても過言ではありません」(桑原先生)
筋肉を動かせば動かすほど、筋肉の中の酵素が活発になります。するとその酵素がBCAAを代謝する(=減らす)ことで筋肉が分解されるのです。つまりBCAAが足りない状態で筋トレをすると、筋肉がどんどん分解されてしまうことに。一生懸命筋トレをしても筋肉が増えないという人は、BCAAが不足している可能性があります。
分解されたBCAAは、エネルギーへと変化するため、トレーニング前にBCAAを補給するようにし、激しいトレーニングを行う場合は、さらにトレーニング中にも摂取することがおすすめです。
続いては、多彩な機能をもつグルタミンについてお伝えします。
いったい、どんな機能があるのでしょう…?