暖かい季節になると自然と薄着になりますが、そんなときに気になる建物や乗りものの中の寒さ。冷え性の人は服装に困りますよね。冷え性の原因として、冷たい物の食べ過ぎ、薄着、運動不足など、いろいろな要因がありますが、実はスイーツの食べ過ぎが冷え性を助長させてしまうとか!? その理由を探ることで、対策を考えてみましょう。
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スイーツが「冷え性」につながる理由
厳密にいえばスイーツすべてが「冷え性」につながるわけではありません。種類にもよりますが、スイーツの中には白砂糖を多く使っているものがあります。冷え性を助長させるのはこの「白砂糖」を多く使っているスイーツです。
人間の体は「血糖値」を一定に保とうとする働きがあります。血糖値が下がれば、上げる。上がれば、下げてバランスを整えるのです。
しかし、白砂糖には血糖値を急激に上げる働きがあります。血糖値が上がれば一時的には体温も上がるのですが、長くは続きません。なぜなら、体は急激に上がった血糖値を下げようとするため、血糖値は急降下。その結果、体温が下がってしまうのです。この急激な血糖値の低下が、体温低下へとつながり、繰り返されると「冷え性」に繋がっていくのです。
また、白砂糖を取り過ぎると糖質を分解するために、体の中ではビタミンB類をたくさん消費することになります。ビタミンB類の中には、赤血球の生成に役立つものもあり、不足してしまうと血液がドロドロに。その結果、血流不良を起こし、体の血のめぐりが悪くなり、冷え性を引き起こしてしまいます。
それでも甘い物がやめられないあなたへ
対策その1 ホットスイーツが◎
アイスやジュースなど、冷たい甘みほど砂糖が多く含まれています。味覚は温かいものは敏感に、冷たいものには鈍感なので、ホットケーキやホットミルクなど、温かいスイーツは砂糖が少量でも甘さを十分感じ取ることができます。また、冷たいものは直接そのまま体温が下がることにも繋がるので、あたたかいホットスイーツで体ポカポカ!
対策その2 手作りお菓子
自分でお菓子を作るいい点は、砂糖の量を自由に調節できること。市販のスイーツは砂糖が多く含まれていますが、自作すれば、砂糖控えめのスイーツを作ることができ、種類によっては安く作れることも! また、砂糖の代わりに、メープルシロップ やてんさい糖を使うと、効果的、かつ、オリジナルのスイーツが楽しめます。
空腹時は血糖値が下がっているので、おなかが空いているときにたくさんのスイーツを食べると、急激に血糖値が上下し、それとともに体温低下を引き起こします。甘いものを食べたいときは食間に、食後には少しだけを心掛けるといいですよ。
冷え性は、肩こり、頭痛、めまい、不眠のほかにも、女性の場合は生理不順や生理痛、肌あれなども引き起こします。砂糖を減らせば、冷え性だけでなく、ダイエット効果につながって一石二鳥です。
監修/永田 孝行(日本ダイエットスペシャリスト協会理事長)
医学博士、アメリカスポーツ医学会公認エクササイズフィジオロジスト。東京大学大学院医学系研究科に於いて肥満と代謝を研究する。
生活習慣病予防の食事療法としてGI値(グリセミックインデックス)の研究を経て「低インシュリンダイエット」を提唱し、関連著書の多くが国内外でベストセラーとなる。
近著に「日本人のDNAに効く永田式行き着く先のダイエット」(悟空出版)、「体を壊す食品ゼロ表示の罠」(SBクリエイティブ)など。
現在、日本ダイエットスペシャリスト協会理事長としてダイエットのスペシャリストを育成している。
文/辻めぐみ