汗をかいたときに気になることといえば「ニオイ」。汗を多くかく夏場など、ニオイケアに励む人は多いはず。ですが、じつは夏の汗よりも秋冬の汗のほうがニオイが強くなるって知っていましたか? 一体どうしてなのか、効果的な対策はあるのか、体臭・多汗研究所所長も務められている、五味クリニック院長 五味常明先生の解説をチェックしていきましょう。
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■冬の汗はベタベタしてニオイがきつい
「冬は夏に比べ汗をかく機会が少なく、汗腺の機能が低下します。汗の量は減る一方で、汗に含まれるニオイの元となるミネラルなどの成分は約2倍に増加します。そのため秋冬の汗はベタベタして乾きにくく、より皮膚表面がアルカリ性になることで、皮膚常在菌が繁殖しやすくなります。冬の汗のほうがニオイが強いのはこのためです。
また、気温の低い室外と暖かい室内の温度差などで自律神経が乱れると、胃腸の働きに影響が出るなど疲労物質がたまりやすくなり、体臭や口臭の原因となります。冬に体臭や口臭が強くなるのは『寒冷ストレス臭』といえるでしょう。汗だけではなく、“皮膚ガス”と言われる皮膚からの排出や呼気からもニオイは排出されています」(五味先生)
冬はあまり汗をかかないぶん、「体臭とは無縁かも」とおもいきや、その真逆ということですね。また、体臭はニオイの原因物質によって3つに分類することができます。その種類と特徴をチェックしていきましょう。
<1>脂質系
汗臭さを強くしたような体臭で、ストレスが最も大きな原因です。エクリン腺、アポクリン腺から分泌されることはよく知られています。
<2>たんぱく質系
腸と肝臓の間で行われるニオイ物質などのいろいろな物質の循環システム「腸肝循環」が多く関係しているようです。この循環システムが正常に機能していないと、ニオイ物質が血液に乗って体内をめぐり、肺や皮膚から排泄され口臭や体臭になると考えられています。
<3>糖系
生命活動に必要なエネルギーを作りだしているミトコンドリア内の代謝経路であるTCAサイクルの働きが悪いと、乳酸などの酸性物質が血液中に増加し、汗とともに排出され体臭を強くします。
できれば、寒冷ストレス臭を放ちたくないものですよね。五味先生に対策方法を教えていただきましょう。