皮膚がたるむ、肌がくすむ。これらは女性にとっては避けたい老化現象。加齢とともに老化が進んでしまうのは自然の摂理であり、回避できないのが現状ですが、場合によっては老化をさらに早めてしまうことがあるのだそう。その原因こそ「糖化」。同志社大学生命医科学部の糖化ストレス研究センターで教授を務める八木雅之さんに、糖化とその対策法について教えていただきました。
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糖化とは?
糖化とは、簡単にいうと「過剰に摂取した糖質」によって、体の細胞が老化してしまう現象。紫外線などの原因による酸化が「サビ」なら、糖化は「コゲ」。ホットケーキが焼けると茶色くなる、まさにあのイメージです。髪のコシが無くなったり、肌のハリがなくなったり、たるんだり…といった美容面だけでなく、体にさまざまな問題を引き起こします。
糖化の仕組み
では、どのようにして糖化は進むのでしょうか。
食事で摂取した「糖質(炭水化物ともいう)」は「糖」が集まってできた栄養素で、脂質やたんぱく質と共に、体のエネルギー源として消費されます。このとき消費しきれず余った糖は、体内のたんぱく質と結合し、AGEs(エイジーイーズ/糖化最終生成物)という物質になります。この変化を「糖化」と呼びますが、糖化したたんぱく質は茶色に変色してしまうだけでなく、硬くなり、たんぱく質としての機能を失ってしまうのです。つまり、たんぱく質でできている髪や皮膚、筋肉、内臓などは糖化して老化してしまうのです。
セルフチェックで糖化度を測定してみよう
糖化を防ぐために、まずは自分の糖化度をチェックしてみましょう。
以下の項目の中で、当てはまるものはいくつありますか?
□朝食を抜くことが多い
□食事はご飯から箸をつける
□周囲の人よりも早く食べ終わることが多い
□毎食、お腹いっぱいにならないと気が済まない
□麺類やパンをよく食べる
□野菜類の多い食事は好きではない
□駅ではいつもエスカレーターに並んで乗る
□スポーツ飲料やソフトドリンクを毎日1本以上飲む
□睡眠時間は6時間未満
□スイーツなど甘いお菓子は欠かせない
ひとつでも心あたりがあれば、糖化リスクが潜んでいるといっても過言ではありません。今一度、自分の生活習慣を見直してみましょう。
糖化対策として何をするべき?
今日からできる糖化対策として、手軽で効果的なのが「ベジタブルファースト」や「ヨーグルトファースト」。
ダイエット目的でとり入れている人が多いベジタブルファースト。食事の際にまず野菜から食べ始めるのを推奨するもので、野菜に含まれる食物繊維によって、糖の吸収を抑え、食後の血糖値を上げにくくする効果があります。とはいえ、毎食野菜やサラダを準備するのはめんどうだと思っている人には朗報があります。もっと手軽にしたいなら、ヨーグルトを食事の最初に食べるのがおすすめ。ヨーグルトに含まれるたんぱく質や乳酸にも、食後の血糖値の上昇を抑制する効果があることがわかっています。さらにヨーグルトには糖化反応そのものを抑制してAGEsをできにくくする作用も! ヨーグルトは、カルシウムや乳酸菌も一緒にとれるため、美容や健康対策としてぜひ積極的に食べてほしいと八木さんは語ります。
自分の生活習慣を振り返り、さっそく今日から「糖化対策」を習慣づけてみてはいかがでしょう。
文/粕谷麻衣