現代人の多くが悩む肩こり。長時間同じ姿勢でのスマホ操作のほか、ストレス、緊張でも肩こりが悪化するといわれています。とりわけ運動不足の人は、強い肩こりに悩まされていることも多いので、こまめにほぐしたいもの。そこでトレーナーの坂詰真二先生に、思いついたときに、どこでもできる簡単なストレッチ法を教えていただきました。
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スマホの長時間操作で、肩こりの人が増えている!?
多くの女性が悩まされる「肩こり」。
スマホを見ている姿勢で前かがみになったり、背中を丸めてあごをつき出すような姿勢ばかりしていると、首の後ろ~肩~背中にかけての筋肉(僧帽筋/そうぼうきん)や、肩甲骨の動きに関わる筋肉(肩甲挙筋/けんこうきょきん、前鋸筋/ぜんきょきん)の緊張から血流が滞り、これが肩こりを引き起こします。
肩こりがひどくなると頭痛や冷えなど、ほかの不快な症状を引き起こすきっかけにもなるので、悪化する前にちょっとした空き時間を利用したストレッチで筋肉を伸ばし、血流を促してこりを解消しましょう。
ここで紹介するストレッチは、「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2つです。
ひとつめの「動的ストレッチ」とは、筋肉の伸縮をくり返すストレッチで、血流を促進して、体を温め、疲労やむくみをとる役割があります。
そしてもうひとつの「静的ストレッチ」は、筋肉をある一定方向に伸ばし、その状態を数秒キープすることで、筋肉の緊張をゆるめ、筋肉の柔軟性を高めるものです。
それぞれ単体でも効果はありますが、「動的ストレッチ」のあとに「静的ストレッチ」を行うと、血流が促進されて、こり固まっていた筋肉がほぐれ、痛みやかたさがやわらぎます。
肩こり解消の動的ストレッチ
肩を上下に動かし、肩まわりの筋肉の血行を促進し、動きをスムーズにします。
1)手のひらをももの上に置いて座る
イスに腰掛け、両脚を肩幅くらいに開きます。手は指先を体の内側に向け、ももの上に置きます。肩の力を抜き、腕の重さをももで感じましょう。
2)肩を上下に動かして筋肉の血流をアップ!
ゆっくり息を吸いながら、肩をすくめ、できるだけ肩を高く上げます。つぎにゆっくり息を吐きながら肩を落とします。肩の上げ下げをリズミカルに10回くり返しましょう。
(横から見ると)
肩を上げたとき、頭全体を少しだけ前につき出すと、動作がスムーズになります。
肩こり解消の静的ストレッチ
肩と背中、広範囲の筋肉をストレッチ。ガチガチに固まっていたコリも、気持ちよくほぐれます。
1)片脚を抱えて座る
イスに浅めに腰かけます。右脚は前に出して床に置き、左脚はひざを曲げて両手で抱えます。
2)ひざにぶら下がるようにして、肩~背中をストレッチ
床に置いた右脚を前に出し、あごを引きながら体重を後ろに乗せ、背中を丸めます(背もたれにつけてもOK)。腕はピンと伸ばし、ひざにぶら下がるようにして、肩~背中を伸ばします。この姿勢を10秒×1~3セット。
イスに背もたれがなかったり、バランスがとりにくい場合はこの方法でもOK
イスに浅く腰掛け、両脚を肩幅に開きます。手のひらを内側に向けて胸の前で組み、その腕を斜め下へ伸ばしながら、おなかを内側に引き込むようにして背中を丸めます。あごを引き、目線はおなかに向けましょう。10秒×1~3セット。
撮影/山上忠 モデル/蒼木まや ヘア&メイク/斎藤節子 取材・文/平川恵