寒いときの必需品となる「使い捨てカイロ」。冷え性はもちろん、慢性的な体の不調にも役立つのだとか。医学博士、健康科学アドバイザーの福田千晶先生に、使い捨てカイロの賢い使い方を教えていただきました。
使い捨てカイロの活用法を知る前に、「冷え」が体にはどんな悪影響を及ぼすのか知っていきましょう。
「冷えると体は体温を維持するためにいつもよりパワーを必要とします。そのため、疲労感が高まったり、予備能力が乏しくなって免疫機能が低下し病気になりやすかったりと、さまざまな問題が生じます。血行も悪くなるので、各臓器に運ばれる酸素や栄養分が不足します。すると老廃物が運ばれにくくなり、臓器の働きの低下や不調の原因になります。使い捨てカイロなどで体をしっかり温めることで、冷えの弊害から解放され、体調の改善につながることもあるのです」(福田先生)
では、実際に、具体的な冷えや不調別に、使い捨てカイロの活用法を見ていきましょう。
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手足の冷えがつらい人
「まずは手袋や靴下を履くこと。その上で、使い捨てカイロを握ったり、足の裏に足裏専用のカイロを使うと効果的です。足裏専用のカイロは正しい使い方で使用しましょう。手や足の裏は、皮膚に近い部分に血管がたくさんあるので、効率よく血液も温まります。温めた手や足だけではなく、温まった血液が循環するため全身が温まりやすいのです。家にいるときは、手や足を湯につけたり、コタツで足を温めることも効果的ですよ」(福田先生)
腰痛や肩こり、首こりがつらい人
「慢性的な痛みのある部位に使うと、体の表面からじわじわと温まり、症状の改善につながります。腰ならウエストの後方あたり、肩こり、首こりなら左右の肩甲骨の間や、首の付け根にあてましょう。使い捨てカイロのほかに、深部まで温まる蒸気温熱シートなどの『温熱グッズ』もオススメです」(福田先生)
ただ、腰痛の種類によっては3日間ほど、温めないほうがいい場合もあります。腰痛などが生じてすぐは、冷湿布などを使いましょう。また、慢性的な痛みでも温めて改善しない場合は、整形外科を受診して医師の診断を受けましょう。
胃腸の元気がない人
「胃腸の不調や、冷えるとトイレが近くなる人は、腰の下のほうに使い捨てカイロを使ってみるのもよいでしょう。映画鑑賞や長時間のドライブなど、トイレに行きにくいときにも便利です。体が冷えて胃腸の具合が悪くなった際は、お腹をあたためるとスッキリすることもあります。ただ、お腹は皮膚が弱いので低温ヤケドに注意すること。気になる方は、体温に近い40度くらいで温める温熱シートを選ぶといいでしょう」(福田先生)
いかがでしたか。
オフィスや自宅で、冷えや不調を感じたときにさっと温め、不調を軽減していきたいですね。
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文/田中瑠子