日々のセルフ腸律をとり入れるのと合わせて、気にかけてほしいのが生活習慣。さらなる健康な体を目指すためにも、日頃の生活習慣をちょっと見直してみませんか? 腸に負担をかけてしまうNG習慣や腸にうれしい食材、より元気な腸に整える運動などを教えていただきました。
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■腸が悲鳴をあげているかも…今すぐ見直したいNG習慣
美容と健康にいいから、と思ってとっている食事が、腸に負担をかけてしまっていることも。自分の腸の状態にあった食事を選ぶのがポイントです。これを機にふだんの食生活を見直してみましょう。
□毎食、生野菜のサラダのみ
ヘルシーなイメージのサラダですが、生野菜だけを食べるのは消化によくないため、じつは腸に負担をかけることも。
□便秘解消のために、食物繊維をたくさんとる
根菜や玄米など、食物繊維が豊富な食材はいいのですが、これらは不溶性食物繊維。不溶性食物繊維は、ゆっくりと流れて腸の中を掃除してくれます。しかし、腸がきちんと動けていない状態で不溶性食物繊維をとりすぎるとうまく流れず、腸内腐敗の原因に。
海藻やきのこ類に多く含まれる水溶性食物繊維は、腸が弱っている状態だと、下痢を引き起こす原因になってしまうことがあります。
□こまめに水分をとる習慣がない
不溶性食物繊維は、水分を含んでまとまって流れますが、体内の水分が不足してしまうと、せっかくとった食物繊維がガチガチに固まって、流れず滞ってしまうことに。
「ダイエットや便秘で悩まれている人も多く、野菜だけを食べたり食物繊維も不溶性ばかりをとったりと、偏りがち。大切なのは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよくとることです。食物繊維は腸をゆっくり流れるぶん、消化もゆっくりということ。つまりあまり消化にはよくないということになります。腸が弱っていると感じるときは、それらは避けて、魚やお肉など消化にいいものを食べるのがおすすめです。パンやチーズなどの乳製品も消化に時間がかかるため、食べ過ぎはNGです」(小澤先生)
■腸がよろこぶ食材とは?
では、腸に負担をかけず、働きを助けてくれる食材はどんなものがあるのでしょう。
「日本人の腸には、古くからとる習慣があった発酵食品が相性がいいと言われています。納豆やキムチ、みそ、しょうゆのほか、かつお節や梅干しも発酵食品です。和食に使われているものは比較的腸にもやさしい食材が多いですね。麹や甘酒もおすすめです。3食和食というのはなかなか難しいですが、可能な範囲でバランスよくとり入れてみてください。
パンや乳製品などを食べた翌日、なんだか体が重くて起きられない、のどが乾く、お腹が張ってオナラの回数が多いなどの症状があったら、腸でうまく消化できていない証拠。これらのものを少し控えて様子を見てみるといいでしょう。
また、水分不足の人が多いので、こまめに水を飲むことを心がけてください。紅茶やコーヒーはし好品として楽しむのはかまいませんが、飲んだらお水も飲むなど意識するだけでも違います。水は、冷たい水より常温がベター。ジュースやスポーツドリンクはできるだけ避けたいですね」(小澤先生)
■適度な運動をとりいれて元気に動く腸へ
腸が弱っている人は筋肉も弱っていることが多く、腸がだらんと下に落ちてしまう「落下腸」の人が多いのだとか。これはぽっこりお腹の原因にも。セルフ腸律に加えて軽い運動をとり入れて、元気に動ける腸を目指しましょう。
<腸を鍛える、腸律ストレッチ>
硬くなった腸をほぐして伸びてしまった腸を動かしながら鍛えて、元の位置に戻してあげるのが目的です。
□チャイルドポーズ
1、あお向けになり、片脚のひざを曲げて両手で抱えます。
2、吐く息でひざを胸に近づけて、吸う息で軽くあごを引いて背中を伸ばすとお腹がぺったんこに。これを左右3回ずつ行います。
3、両ひざを抱えて、同じように吐く息で引き寄せて、吸う息で軽くあごを引いて背中を伸ばします。
□犬のポーズ
1、両手と両ひざを床につき、吐く息でおへそを見るように背中を丸めます。
2、吸う息で顔を上げて天井を見ます。このとき背中をそらしすぎないように注意。これも3回行います。
「難しい動きはなく、簡単で毎日ちょっとでも続けられるストレッチをすることが大切です。セルフ腸律と簡単なストレッチ、腸に負担をかけない食生活や習慣を身について、自ら動ける元気な腸を作りましょう。また呼吸は、交感神経と副交感神経の切り替えが行われるので、リラックス効果も。朝起きてすぐや寝る前にとり入れてみてください」(小澤先生)
取材・文/高野瞳 カメラ/我妻慶一