腸内環境を改善し、腸の働きを活発にする“腸活”。腸を元気にすることでデトックス効果が高まり、便秘や肌の不調が改善される、やせやすい体になれるなどいいこといっぱいです。そこで、腸活に効果的な食べものを管理栄養士の大越郷子先生に厳選していただきました。
Contents 目次
腸を元気にしてキレイをキープしてくれる食べものは?
「腸の働きを活性化し、キレイにするには、食物繊維と水分、乳酸菌、発酵食品を意識してとることがポイントです。腸にたまった老廃物や毒素を排出し、腸内環境を整えて腸を元気にすることでお通じがよくなり、お腹の張りやぽっこり下腹もスッキリ。肌あれや吹き出物も改善し、代謝も上がるので肥満の予防にもつながります」(大越先生)
腸活にいい栄養素を手軽にとれる、大越先生イチオシの食べものは以下の5つです。
腸活フード1「スープ」
便秘改善には食物繊維に加えて水分をとることがマストですが、食物繊維と水分を同時にとれるスープは腸活メニューにうってつけ。根菜などの野菜や豆などを具にして不溶性食物繊維を補給しましょう。野菜は皮の近くに食物繊維が多いので、しっかり洗って皮ごと使うと逃さずとることができます。わかめなどの海藻をプラスすれば水溶性食物繊維もとりやすくなります。
食物繊維は不溶性と水溶性の両方をとることも大事で、腸の状態がよくなって便がかたくなるのを防げます。寒い時季は鍋ものでもOKですが、スープなら季節を問わず楽しめます。
腸活フード2「スムージー」
野菜やフルーツの栄養をまるごととれるスムージーも腸活にgood。りんごやにんじんなどは皮ごと使えばファイバーたっぷり。消化を助けて腸をキレイにするほか、代謝をアップして肥満予防、疲労回復、美肌作りをサポートする酵素がとれるところもポイントです。加熱すると失われやすいビタミンCなどの栄養素もストレートに補給できます。水分に牛乳や豆乳などを使えばバリエーションも広がります。牛乳には腸のぜん動運動を活発にする乳糖が、豆乳には腸内環境の改善をサポートするオリゴ糖が含まれます。
腸活フード3「ヨーグルト」
大越先生も意識して食べているというヨーグルト。腸にいい食べものの代表格です。ヨーグルトで乳酸菌をとることで、腸内でビフィズス菌などの善玉菌が増えて悪玉菌の増殖を抑制。腸内が酸性に傾き、ぜん動運動が活発になって便通が改善されます。
ヨーグルトには食物繊維が含まれないので、ココアやきな粉などをトッピングしたり、シリアルにかけたりして補うとさらに効果的。ビフィズス菌のエサになるオリゴ糖が豊富なバナナやはちみつなどをトッピングしても◎。
腸活フード4「みそ汁」
免疫力アップなど、健康効果で改めて注目されているみそ汁も腸活に◎。発酵食品のみそが腸内で善玉菌を増やし、腸内環境を改善します。根菜やいも、きのこ、野菜、海藻などを具にすれば、食物繊維と水分を一緒に補給できます。
腸活フード5「甘酒」
米と米麹から作られる発酵食品で、食物繊維やオリゴ糖も含み、腸内環境の改善にお役立ち。飲む点滴といわれるほど栄養豊富で疲労回復や美肌にもよく、健康と美容面から人気です。ドリンクなどさまざま商品も増え、手軽にとれるアイテムに。
以上の5つは身近な食材で作れるメニューや手軽な食材ばかりなので、毎日の食事にムリなくとり入れられそうです。すべてコンビニでも売っているものなので、忙しいときは市販のカップスープを利用したり、おやつにヨーグルトを意識してとったりして腸活を。
自分の腸の状態や目的によって「腸活」を取り入れよう!
「便秘に悩んでいる人は、腸活フードをとり入れる以外に、朝コップ1杯の水を飲む(ただし、便秘でお腹がゆるいという人は、冷たい水や牛乳などをごくごく飲むのはNGです)、朝食を抜かずに食べ、必ずトイレに行くようにするなど、生活の中で習慣づけることも大事です。
一方、お腹がゆるい人の場合は、食物繊維をたくさんとるのはよくありません。胃腸に負担をかけないよう、スープなどは具をやわらかく煮るようにしたり、すりおろしてポタージュにしたり、刺激の強くない味つけにするのがおすすめです。冷たいものより温かいものをとるようにしましょう。
ダイエット目的の腸活の場合、たとえばプチ断食を行うときは消化器官を休めていったんリセットし、腸をキレイにするので、断食後の食事は消化がよくて胃腸に負担のないものをとるようにします。食物繊維は多少とってもOKですが、野菜やフルーツはすりおろしたものがベター。おかゆなどもおすすめのメニューです」(大越先生)
このように、自分の腸の状態や目的によって腸活の意味合いも違ってくるので、自分に合ったやり方や食材をとり入れて実践してくださいね。
取材・文/鹿野育子