あまり食べないほうがいいと思っていても、お腹が空いたときにはファストフードに手が伸びてしまうことも。カロリーが高かったりしますから、できるだけガマンしたほうがいいと思いながらも食べて、後悔する人もいるかもしれません。健康への影響はやはり悪いのでしょうか? オーストラリア国立大学の研究グループは食べ過ぎはよくないと報告しています。
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ダイエットばかりではなく、病気を防ぐことも大切
誰もがダイエットにせっせと汗するのは、カロリーをとり過ぎているとうすうす感じているから。カロリーを減らす方法はさまざまでしょうが、そんなときにできるだけ避けるメニューのひとつには、ファストフードも入ってくるでしょう。炭水化物や脂肪を多くとってしまう可能性が多いからです。
このたびオーストラリア国立大学が調査したのは、ファストフードのように脂肪や砂糖が豊富な食事の健康への影響です。国によって違いはあるでしょうが、オーストラリアでは、この50年間で1日の摂取カロリーが650kcal増えたそう。食生活が乱れて、運動不足によって、糖尿病増加が問題になっているといいます。研究グループによると、2030年までに世界で30%の人が太り過ぎまたは肥満症となり、10%の大人が糖尿病になると見られるといいます。研究グループは、糖尿病の進行に伴って、脳にもよくない影響があることが最近はっきりしてきたと説明しています。脳の病気もいろいろありますが、年を重ねてくると問題になるのが、認知症をはじめとした認知機能低下。研究グループは、ファストフードのような脂肪や糖分の多い食事は、認知症予防のためにも避けるのがよさそうだとしています。
認知症への道を引き返すには食事から
研究グループでは、バーガー、ポテト、ソフトドリンクのセットで、おおむね650kcalと紹介。1970年代と比べたときに増えたカロリーの650kcalとほぼ同じです。この分を削るのは意味があるといいます。男性なら1日に必要なカロリーのおおむね4分の1、女性なら3分の1に当たるので、ダイエットには工夫がいるかもしれません。
研究グループは、ファストフードを食べることと、運動をしないことが最悪のセットだと指摘。酸化ストレスや炎症などの体内の変化、血管や神経へのダメージが進行してしまうとわかってきていると問題視します。研究グループがすすめているのは、地中海食のような、豆、野菜、穀物などを中心とした食事。肥満からの糖尿病、さらに認知症へのルートを引き返すには、まずは食事から。ダイエットの意味は、体重ばかりではなくなっているといってよいでしょう。
<参考文献>
An extra burger meal a day eats the brain away
https://www.anu.edu.au/news/all-news/an-extra-burger-meal-a-day-eats-the-brain-away
Sugar in mind: Untangling a sweet and sour relationship beyond type 2 diabetes.
Front Neuroendocrinol. 2019 Jun 6:100769. doi: 10.1016/j.yfrne.2019.100769. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31176793
https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0091-3022(19)30031-7
文/星良孝