厳しい残暑もようやくひと段落。朝夕は気持ちのいい秋の風を感じられるようになりました。猛暑だった今年は、暑さで体調を壊す人が多かったよう。特に、気になったのが、夏には珍しい症状を訴える人が目についたことです。
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咳や皮膚のかゆみなど夏らしくない症状の訴え
たとえば咳。暑いさなか、かぜをひいたわけではないのに「咳が止まらなくて」という人が多数、見受けられました。大人の百日咳が流行しているとの報道もありますが、病院でもはっきりわからない咳で苦しむ人も多いようです。
もうひとつ多かったのが肌のかゆみ。目の周りやほお、体のかゆみがひどく「何かのアレルギーなのか…」と気にする声が多く聞かれました。アレルギーといえば、花粉が増える春先や秋に症状が出るもの。不思議に感じる方も多かったのではないでしょうか。
じつは、これらの症状に共通する原因があります。それは、体内の乾燥です。暑さが厳しい夏は、屋外に出れば大量の汗をかきます。ところが、暑さ対策が進んだ今年の夏は、エアコン、携帯扇風機などですばやく熱を冷ますことができるように。その結果、大量に汗をかいたにもかかわらず、体の水分不足に対するケアが不十分になり、体内の水分代謝が低下している人が多いのかもしれません。それが潤い不足を招き、皮膚や呼吸器の乾燥や、乾燥便秘の原因に。上半身は乾燥するのに下半身はむくむといったお悩みも、こうした体内環境に起因しているケースが少なくありません。
水分代謝を助ける豆乳の薬膳パワー
厳しい夏の暑さを乗り越えてきた体は、どうしても潤い不足に。気をつけたいのは、この状態のまま秋を迎えることです。東洋医学では、秋は乾燥の季節。外気の乾燥が体内に侵入することで、さまざまな乾燥症状が現れます。
のどが乾燥して空咳が出るとか、腸内が水不足になって便通が不調になるとか。肌がカサついたり、敏感になり肌荒れしやすくなったりするのもそのサイン。季節が進み、こうした症状がひどくなる前に、夏枯れを解消しておきたいものです。
そこでとり入れたいのが薬膳の知恵。夏の終わりの乾燥におすすめなのは「豆乳」です。
豆乳の原料は大豆。薬膳では、大豆は利尿作用がある食品として知られ、滞りがちな水分代謝を助けてくれます。大豆から搾った豆乳には、さらに潤いを与える働きが。特に、呼吸器官をうるおしてくれるので、のどの渇きを和らげたり、空咳を鎮めたりするのに効果的です。
東洋医学では、呼吸器官を司る「肺」は、「大腸」や「皮膚」にもつながると考えます。呼吸器官をうるおす作用は、大腸や皮膚の乾燥ケアにもつながるので、秋に増える便秘や肌荒れの予防にもひと役買ってくれるでしょう。
豆乳の潤いパワーを増強するには、はちみつで少し甘味を加えるのがおすすめ。エネルギーの源であり「気」を補い、体をうるおす力もあるはちみつを食えることで、夏疲れの回復も期待できるでしょう。料理に加えるなら、体をうるおしてくれる豚肉、ベーコンとの相性が二重丸! 季節の野菜やきのこを言えた豆乳スープにすれば、食物繊維もしっかりとれますね。
暑さで潤いも栄養も枯渇しがちな時期。潤い食材の豆乳で、体内の水分不足を解消してください。