レストランでメニューを選ぶとき、どのように選んでいますか? 食べたいものを食べたいだけ!と胸を張って言える人はなかなかいないのではないでしょうか。カロリー、塩分、糖分、気分と選ぶ基準はさまざまですが、今回は老化の原因として注目されている「AGE」を軸として、美容・健康のために「これは毎日は食べないほうがよいな」と思われるメニューを中心にご紹介します。高AGEメニューを大まかに見分ける方法もお伝えしますよ。「AGE」研究の第一人者・山岸昌一先生に聞きました。
Contents 目次
3つの原則で見分ける高AGEメニュー
AGEとは、糖がこびりついたたんぱく質が、体温であたためられ焦げついていくこと(糖化)によってできる物質の総称。体内にたまるとさまざまな弊害を引き起こします。このAGEは食べものからも体内にとりこまれ、たまっていきます。
そこでまずは「このように作られた料理はAGEが高い」ということを大まかに見分ける3つの原則を押さえて、体内にとりこむAGEを減らす意識をしてみましょう。
1. 見た目がキツネ色をしている
AGEが多い料理の基本は、こんがりとキツネ色に揚げたり焼いたりした料理や焦げ目がついた料理です。見た目でカンタンにわかります。
2. AGEの多い食材をくみ合わせた料理
当たり前のことですが、AGEを多く含む食材をくみ合わせた料理は、AGEがプラスされていきます。前回ご紹介した、AGEの高い食材を参考にしてみてください。たとえばベーコンを使った料理。同じパスタでもカルボナーラとボンゴレロッソでは、カルボナーラのほうが5倍以上もAGEの量が多くなります。また、同じ料理であっても、使用するオイルの量でAGEは変わってきます。
3. 加工食品の冷凍食品
同じメニューでも、冷凍食品は加工食品でAGE量が多いうえ、塩分やカロリーも高めです。一度加工された冷凍食品を食卓に出すために、さらに家庭で揚げたり、電子レンジで温めたりすることで、さらにAGE量が増加します。忙しいときには頼りになる冷凍食品ですが、とり過ぎに注意しましょう。
AGEの多い定番メニューは?
定番メニューの中でAGE量の多いものをQ&A形式であげていきます。自分が料理するときや外食時、コンビニなどでお弁当を買うときなど、メニュー選びの参考にしてみてください。
※各メニューのAGE値は1人前です。材料や調理方法によって変わります。あくまで目安として活用してください。
※1日に摂取できるAGEの目安を15,000AGEとして参考にしてみてください。
Q.焼き肉(カルビ100g・たれ)ととんかつ(豚肩ロース120g)、どちらが高AGE?
A.焼き肉
肉を直接、高温にさらす焼き肉やステーキのAGE値は、10,000AGEを越えます。ハンバーグもとんかつなどの揚げものより、高いAGE値になることも。
ちなみに魚は肉よりもAGEが少なめですが、脂の多い魚を使った料理は要注意。また、意外にAGEが多いのが直火で焼くうなぎ料理です。生で食べるお刺身はAGEがぐっと低くになります。
Q.酢豚と麻婆豆腐、どちらが高AGE?
A.麻婆豆腐
中華料理の中でも油を使い、高温で調理するメニューは当然、AGE量は多めに。ただし、酢豚はお酢を使うぶん、いくぶん低めです。
Q.シーザーサラダとポテトサラダ、どちらが高AGE?
A.シーザーサラダ
ちょっとボリュームがあるなと感じさせる2つのサラダ。ベーコンやハムが多い分、シーザーサラダのほうがかなりAGEは多くなるので要注意。
Q.しょうゆラーメンとカレーライス、どちらが高AGE?
A.しょうゆラーメン
麺類の中でもAGEが多いラーメン。カレーライスよりもやや高くなります。ただ、スープを残すなどの工夫をすればこの限りではありません。また、カレーライスに揚げものをオンすると、とたんにAGE値が跳ね上がりますからご注意を。スープのない冷やし中華は低めです。
いろいろな高AGEメニューを見てきました。今まで無意識に食べていたものもあったのではないでしょうか。これらをすべて食べないようにするのではなく、こういうメニューはAGEが多いのだなということを念頭に置いて、肉の脂身を控えたり、酢のものやサラダとくみ合わせて食べたりといった工夫をしてみてください。
次回はAGE化を避けてくれる食品をとり上げていきます。
取材・文 大内ゆみ
<参考文献>『数字でわかる老けない食事 AGEデータブック』(監修 山岸昌一/AGE研究協会)