予防内科医の関 由佳先生が考案したやさい麹。野菜と麹を組み合わせ、健康効果を相乗的に高めています。今回は以前ご紹介した4つの“やさい麹”のなかから、ダイエットにも効果的なにんにく麹の作り方とレシピをご紹介。にんにく麹は風邪の予防やダイエット、アンチエイジングにも有用です。著書『腸と胃を整える食べるくすり やさい麹』(アスコム)からお送りします。
Contents 目次
香りと辛味成分で、 血行や免疫力アップ
スタミナ食としてもおなじみのにんにく。
「にんにくにはもともとアリシンとスコルジニン、ニンニクレクチンなど薬効作用が期待できる成分が含まれています。アリシンはにんにくの辛味成分の硫化アリルの一種で、末梢の血管を拡張させる働きをもちます」(関先生)
またビタミンB1の吸収を高める働きもあり、疲労回復や滋養強壮などをサポートしてくれます。ビタミンB1は麹菌に豊富な栄養素なので、にんにく麹として摂取するととても効率的なのだそう。
さらにダイエットにもよい成分を含有しています。
「スコルジニンは無臭の成分で、消化促進作用、新陳代謝促進、脂肪の蓄積予防、コレステロール値の低下といった働きがあります。またニンニクレクチンという成分は、腸内の免疫を活性化し、腸内環境を整え、腸内の免疫を活性化することで、免疫力をアップさせます」
にんにくのパワーを高めたにんにく麹には風邪予防や疲労回復、抗酸化作用によるアンチエイジングなどが期待できます。
にんにく麹の作り方
にんにくをすり下ろして、にんにく麹を作ってみましょう。にんにくの香りだけでなく、うま味も米麹の効果で格段にアップします。
【材料(乾燥米麹50g分)】
すりおろしにんにく 20g
乾燥米麹 50g
塩 10g
水 200ml
水 30〜45ml(大さじ2〜3)
【作り方】
(1)にんにくをすりおろす。
(2)ボウルに米麹、塩を入れてよく混ぜ合わせ、(1)を汁ごと加える。
(3)(2)に水 200mlを加えてよく混ぜ合わせ、ラップをして発酵させる。室温でひと晩おいて、とろみがでたら完成。
【発酵&保存法】
●20〜25℃程度の室温にひと晩(8〜10 時間くらい)おいて、発酵させる。
●清潔な保存容器に移し、麹が浸る程度の水(大さじ2〜3)を加え、ふたをして密閉する。
●1日に1回混ぜ合わせ、冷蔵保存する。
※日を追うごとに甘みととろみが増す。冷蔵庫で1週間ほどは保存可能。
二日酔い防止にオススメ「あさりのにんにく麹蒸し」
にんにく麹を使った「あさりのにんにく麹蒸し」は、二日酔い防止にも役立つ絶品メニューです。あさりのオルニチン、にんにくのスコルジニンで疲労を回復しましょう。
【材料】(2人分)
あさり 300g
にんにく麹 大さじ1
オリーブオイル 大さじ1
赤唐辛子 1本
イタリアンパセリ 適量
【作り方】
(1)あさりは殻をこすり合わせ、よく洗う。
(2)フライパンにオリーブオイルをひいて、あさりとにんにく麹、赤唐辛子を炒める。さらにふたをして、あさりの口が開くまで蒸す。
(3)(2)を器に盛り、イタリアンパセリを飾る。
あさりの砂抜きをしていない場合は、3%の塩分の水に漬けて、室温で約30分おきましよう。その後、さらに殻と殻をこすり合わせて、洗います。
料理に使ったり、ドレッシングとしてかけたりしてもおいしいやさい麹。朝・昼・晩1食あたり大さじ1〜2杯程度、食べるとよいそうです。体調不良が気になるとき、食べて健康になる「食べるくすり」をとり入れてみてはいかがでしょう。
文/庄司真紀
参考書籍
関 由佳著『腸と胃を整える食べるくすり やさい麹』(アスコム)