困った頭痛といえば、女性では片頭痛がすぐに浮かびますが、さらに激しい頭痛が続くことで知られる「群発頭痛」は特に厄介な問題。こちらは男性に多いとされていましたが、最近では女性も注意したいところ。そんななか、この群発頭痛があると、ない人の2倍も仕事を休む日が増えるようだという報告がスウェーデンから届いています。
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1年間に仕事を休んだ日数を比較
「群発頭痛」は主に目のまわりや目の奥、側頭部が痛くなります。キリキリした激しい痛みが15分から3時間くらい続き、この発作が何日も、人によっては何週間もくり返されます。米国では1000人に1人くらいの割合で見られるそう。
今回、スウェーデンの研究グループは、この群発頭痛があるとどれくらい仕事を休むことになるかを調べました。スウェーデンの医療記録から、2001〜2010年の間に専門医に群発頭痛の治療を受けた3240人を抜き出し、この人たちと年齢や性別、住所などが同じで群発頭痛のない1万6200人との間で、2010年に仕事を休んだ日数を比べました。仕事を休んだ日については、短い日数の病欠をした日数と、2週間以上の長期病欠日数とに分けて調べました。
休んだ日数には男女差が
ここで明らかになったのは、群発頭痛がある人は、ない人のおよそ2倍も多く仕事を休んでいたということでした。群発頭痛がある人の病欠日数は平均16日、ない人は7日。ここに長期病欠日数を加えると、群発頭痛がある人は仕事を休んだ日数が平均63日、ない人は34日でした。さらに群発頭痛がある人のなかでも男女差が見られ、女性は男性の2倍多く仕事を休んでいました(病欠日数は女性が平均24日、男性12日で、長期病欠日数を加えた場合は女性が平均84日、男性53日)。
研究グループは「今回の研究では、一般医ではなく専門医にかかった人のみを調べているので、特に重症の人たちだった可能性はあります。それでも、大きな影響があるとわかったため、群発頭痛の治療法や管理法、男女差の原因について、さらに研究を進める必要がある」と説明します。
日本でも悩みのある人は多いと見られますから、職場や学校でも休暇を確保しやすくするなどの対応が求められそうです。
<参考文献>
頭痛について知る(日本頭痛学会)
http://www.jhsnet.org/ippan_zutu_kaisetu_04.html
PEOPLE WITH CLUSTER HEADACHES MAY MISS TWICE AS MUCH WORK AS THOSE WITHOUT
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/3769
Neurology. 2020 Feb 5. pii: 10.1212/WNL.0000000000009016. doi: 10.1212/WNL.0000000000009016. [Epub ahead of print]
https://n.neurology.org/content/early/2020/02/05/WNL.0000000000009016
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32024674