さまざまなダイエットを試しているのに、なかなかやせない...、最近、肌の調子がよくない...と悩んでいる人はいませんか?
じつは睡眠時間を見直すだけで、悩んでいたことが改善されるかも!
睡眠の名医である白濱龍太郎先生の著書『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム刊)より睡眠とダイエットについてご紹介します。
Contents 目次
睡眠が足りないとやせにくくなる!?
「スリムな体形でいたい」。そう考える人は少なくありません。
最近、私たちのまわりには、ダイエットに関する食品やグッズ、本などがたくさんあふれ、次々と新たなものや方法が紹介されています。
しかし、いろいろな方法に挑戦しているのに、なかなか結果がでないという人もいますよね。
そんな人に、一度考えてみてほしいことがあります。
「睡眠をきちんととっていますか?」
睡眠時間と肥満は切っても切れない関係にあります。
「起きているほうがエネルギーを消費し、やせるのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、それはまったくの誤解。寝ない人のほうが太りやすいのです。
なぜ、寝ないと太りやすくなるのでしょうか。
1つは、夜遅くまで起きていると、ついつい夜食やお菓子などをつまんでしまうことがあるからです。
これでは、起きていることでエネルギーを消費しても、摂取カロリーが消費量を上回ってしまうため、やせることにはつながりません。
しかし、実はもっと根本的な原因が存在します。
それは、睡眠時間が足りないと、食欲をコントロールするホルモンが暴走し始めてしまうということです。
食欲や代謝をつかさどるホルモンには、レプチンとグレリンの2種類があります。
脂肪細胞から分泌されるレプチンの役割は、食欲を下げること。そして、胃から分泌されるグレリンは脳の視床下部に食欲増進と血糖値上昇の指示を出すホルモンです。
睡眠が不足すると、これらのホルモンのバランスが乱れ、グレリンの分泌が増加し、レプチンの分泌が減少。
すると、血糖値が変動しないのにおなかが減る、食べても満腹中枢が働かないといった状況が起き、食べたはずなのにもっと食べたいと、たくさん食べてしまうのです。
この食欲に関わるレプチンとグレリン、どちらが優位に働くかは睡眠時間で決まります。その境目となる睡眠時間は、6時間。不規則な生活などで、睡眠時間が6時間以下になってしまうと、食欲を増進させるグレリンが多く分泌されてしまいます。
体重の増加が気になる人は、睡眠時間を一度見直してみましょう。
肌トラブル回避のカギとなるのは…
睡眠不足が続いているときに、肌がカサついたり、逆に脂っぽくなったり、普段にはない肌のトラブルが起こったことはありませんか?
このようなトラブルを防ぐのに忘れてはならないのが「質のよい睡眠をとること」です。
なぜなら、肌は眠っている間に生まれ変わるから。
眠っているときに分泌される成長ホルモンは、肌の細胞を修復したり、生まれ変わらせたりする力を持っています。
しかし、睡眠が足りなかったり、睡眠の質が悪かったりすると、成長ホルモンが十分に分泌されなくなってしまうのです。
肌トラブルは「深睡眠」で解決!!
これまで成長ホルモンは「午後10時から午前2時のゴールデンタイムに、もっとも多く分泌される」と信じられてきました。
しかし、最近では眠りについてから4時間以内の深睡眠のときに、成長ホルモンが多く分泌されることが明らかとなっています。
また、深睡眠をとることはもちろん、睡眠のリズムが整うことによっても、成長ホルモンは多く分泌されやすくなるのです。
ですから、ゴールデンタイムを気にすることなく、眠りについてから4時間以内に深く眠ること、毎日できるだけ同じ時間に眠れるように睡眠のリズムを整えることを意識していきましょう。
肌の美しさに欠かせないエストロゲン
そして、もうひとつ。美しい肌を手に入れるうえで欠かせないのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)です。
エストロゲンには、肌の水分量や皮脂量などを調整する働きがあります。
この美容にも大きな影響を及ぼすエストロゲンの分泌量も、睡眠によって左右されることがわかっています。
睡眠不足になると、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌をつかさどる脳の視床下部や下垂体の働きが低下し、女性ホルモンの分泌が乱れてしまうこともあるのです。
つまり、肌の美しさに欠かせない成長ホルモンやエストロゲンは、きちんと睡眠をとることによって正常に分泌されます。
美しい体や肌を手に入れるためには、質のよい睡眠が必要不可欠。
忙しいときでもしっかり睡眠時間をとり、美しい体や肌を保っていきましょう!
参考書籍
『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(白濱龍太郎著)
文/FYTTE編集部