歯の健康を保つためには、歯磨きに加えて、フロスをすることが大事。歯に付着した汚れをきれいにして、歯や歯茎を健康に保つことができます。そこで注目されているのが、口のなかの微生物の存在です。口の健康を保つタイプがある一方で、病原性のあるタイプも。米国の研究グループは、歯磨きやフロスでこうした微生物の状態を良好に保てると報告。とりわけフロスが口腔ケアの効果を左右するようです。
Contents 目次
口のなかの健康を保つポイントは?
誰しも口のなかの健康を保つには、歯磨き、フロス、歯医者さんへの定期的な受診が大事。そうは思っていても、人によってはついサボってしまっているということもあるかもしれません。注意すべきは口のなかに存在している微生物。細菌ばかりではなく、酵母などがあり、そのバランスが口のなかの健康に重要とわかってきています。
このたび米国コロラド州立大学の研究グループは、歯医者さんへの受診と口のなかの歯周病を引き起こす微生物との関係について調査。研究グループは、博物館に訪問した一般人366人を対象に、口の表面の粘膜を採取させてもらい、生活習慣や健康の習慣などの質問を実施。口のなかの粘膜から微生物の状態を分析して、口腔ケアなどとの関係を分析しました。
歯医者さんに通うメリット
判明したのは、歯医者さんに行く頻度が多いほど、歯周病を引き起こす微生物が少なくなることです。研究グループは口の粘膜に含まれているDNAを分析することで、どのような微生物が存在しているのかを分析。調べたほとんどの人は歯を磨いていましたが、フロスについてはまちまち。そこでフロスをしている人としていない人を比べたところ、フロスをしていない人のほうが微生物の種類が増すことがわかりました。
同じように、歯医者さんにここ1年間行っていない人も微生物の種類は増える傾向にあり、さらにトレポネマと呼ばれる歯周病を引き起こす微生物も増えてしまうという結果。日ごろの口腔ケアは大切ですが、とりわけフロスと歯医者さんへの受診を習慣にするのが大切といえるかもしれません。
<参考文献>
The microbes in your mouth, and a reminder to floss and go to the dentist https://agsci.source.colostate.edu/the-microbes-in-your-mouth-and-a-reminder-to-floss-and-go-to-the-dentist/
Burcham ZM, Garneau NL, Comstock SS, et al. Patterns of Oral Microbiota Diversity in Adults and Children: A Crowdsourced Population Study. Sci Rep. 2020;10(1):2133. Published 2020 Feb 7. doi:10.1038/s41598-020-59016-0
https://www.nature.com/articles/s41598-020-59016-0
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32034250/