薬膳というと、「難しそう」「変わった食材が必要」など、敷居が高いイメージを持っている方が多いかもしれません。そんな人のために、コンビニ食に“ちょい足し”でできる、簡単薬膳をご紹介。抵抗力を高めるメニューを選んで、風邪を予防しましょう。
Contents 目次
風邪は予防とひき始めのケアが肝心!
なんだか寒さを感じてぞくっとしたり、熱が出そうだなと感じたりしても、気のせいかなと放っておいてしまうことはありませんか? 「風邪は、ひき始めが肝心」とよく言いますが、体調を崩してからでは遅い。中医学でも予防やひき始めのケアが大切です。
「風邪をひきそうだなと感じたら、発散して体の表面で悪いものを弾いてバリア力を高める食材を選びましょう。症状が出て時間がたってしまうと、病原体がどんどん体の内部へと進み、風邪の種類によってはさらなる発熱や腹痛、せきやのどの腫れ、冷え、のぼせなど 進行した症状がでてきてしまいます。なので、ひき始めの早めのケアが大切です。発散やバリア力を高める食材は、予防におすすめですよ」(齋藤先生)
風邪をひきそうだな、と思ったときは…【ねぎのみそ汁+チューブしょうが or わさび】
ねぎとしょうがは、体の抵抗力を高める食材。前回の記事でご紹介した黒こしょうと同じで、辛味の食材です。ねぎ入りのみそ汁を選び、さらにしょうがをプラスすれば、風邪予防やひき始めのケアに最適です。
しょうがは薬膳では発散の効果がある食材として有名で、体の表面の悪いものを発散して、さらにバリアしてくれる力があると言われています。しょうがは生をすりおろすのが香りもよいのでおすすめですが、難しければコンビニにも売っているチューブタイプでもOK。1杯のみそ汁に、2〜3cm程度くらいが適量です。お好みで調整可能ですが、入れすぎには注意しましょう。また意外と合うのが、わさび。ピリッとして香りが立って、味のアクセントにもなるのでぜひ試してみて。わさびも同じく発散力のある食材です。煮込む必要がないインスタントのみそ汁ならわさびの香りも飛ばないのでおすすめです。
<薬膳まめ知識>
生のしょうがは、発散させる効果があるので、すばやく即効性のある温めに力を発揮します。じんわりと持続力をもって温めたいときは、ラム肉やエビ、シナモンなどがおすすめです。しょうがも干して乾燥させたものは持続性のある温め効果を発揮するので、冷え性の薬としても使われています。じょうずに使い分けましょう。
<風邪予防におすすめ! コンビニドリンク>
・緑茶
緑茶にはカテキンによる殺菌作用が期待できます。ただし、緑茶は体の熱を冷ますので、冷えの気になる人はホットで飲みましょう。
チューブタイプのしょうがやわさびなら、会社や自宅に常備しやすいのがうれしいですね。どちらも刺激物なので量に気をつけながら使いましょう。じょうずにとり入れて、風邪や不調に負けない体を目指しましょう!
イラスト/伊藤ハムスター 文/高野瞳