
今やSNSは世界中で日常生活に欠かせない一部。人との接触が減ったコロナ禍のなかでは特にそうかもしれません。一方で、心の健康や幸福感に与える悪影響を心配する研究結果も続々と出ています。SNSの利用が多いと、たしかに幸福感が下がるようだとの指摘もありますが、じつは、使い方しだいで影響を軽くできるかもしれないそう。そのポイントは…?
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直接的な交流の影響とも比較
2020年はコロナ禍において、SNSに端を発した問題が注目された年でもありました。SNSはさまざまな情報を仕入れるうえでは便利ですが、短いメッセージしか伝えられないので、込み入った事柄を正しく伝えるのは困難。誤解を招きやすいところもあります。SNSで伝えられる言葉によってどのようにメンタルに影響が及ぶのでしょうか。
今回、カナダとアメリカの研究グループが自分の人生や健康に対して抱く幸福感や充実感、「主観的ウェルビーイング」に与える影響を詳しく調べています。大きく3つの要素に注目。喜びや活気につながるポジティブな感情、怒りや恐怖につながるネガティブな感情、人生に対する満足感について分析したのです。
調査の対象としたSNSは、Facebook、Twitter、Instagramの3つ。対象の人たちがどのように利用しているのか、利用したあとにどのような気持ちになったのかを10日間にわたってランダムな時刻に調査。特にFacebookでは「新しい書き込みをチェックする」「メッセージを送る」「世界のニュースを知る」「自分の状況や写真をアップする」という4つの行動に分けて調べました。人と会ったり、電話で話したりする直接的な交流についても、そうした機会の有無やその後の気持ちについて調べました。
受け身の利用に潜む問題
ここから明らかになったのは、どのSNSも多く利用するほど幸福度が下がってしまうこと。その理由はポジティブな感情が弱まるからではなく、ネガティブな感情が強くなるため。SNSを見て、自分とほかの人を比べてしまうことがいちばん大きいとわかりました。
こうした特徴は、直接的に人と交流したときにはないことでした。直接会ったときには、ポジティブな感情が増えてネガティブな感情が減るという有益な効果が見られました。
また、Facebookで最も多かった利用法は、メッセージのやりとりといった交流をせずに、書き込みを読むだけという受動的なものでした。ですが、SNSの悪影響を軽くするためには、書き込みをチェックするだけという受け身の利用法をなるべく避けたほうがいいといい、研究グループは「ほかの人と自分を比較してしまう気持ちに抵抗することが大切」と指摘します。
さらに、「ほかのユーザーとオンラインで話したり、可能であれば個人的に会う機会をつくったりと、直接的な交流をするためにSNSを利用する」と提案。SNSも使い方しだいで、ウェルビーイングに有益だといいます。
<参考文献>
UBCO study says it’s not if, but how people use social media that impacts their well-being
https://news.ok.ubc.ca/2020/11/02/ubco-study-says-its-not-if-but-how-people-use-social-media-that-impacts-their-well-being/
Wirtz, D., Tucker, A., Briggs, C. et al. How and Why Social Media Affect Subjective Well-Being: Multi-Site Use and Social Comparison as Predictors of Change Across Time. J Happiness Stud (2020). https://doi.org/10.1007/s10902-020-00291-z
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10902-020-00291-z