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電子マネーで給与が受けとれる?「給与デジタル払い」のメリット・デメリットを解説 #大人女子のマイルド貯蓄
ふだんの買いもので利用するのが現金ではなくクレジットカードや決済アプリなど、キャッシュレス決済が当たり前になりつつあるという人も多いのではないでしょうか。ポイントや各種お得なキャンペーンのことを踏まえても、キャッシュレス決済というのはこれからも手放せない存在なはず。そんな中で、最近話題にあがっているのが給与の「デジタル払い」です。今回はお金の専門家の横川楓さんに、給与のデジタル払いについてのメリット・デメリットを教えていだきました。
Contents 目次
給与のデジタル払いとは?
通常、毎月支払われるお給料は労働基準法において現金で直接労働者にすべて支払われると決められており、その例外として銀行振り込みでの受け取りも認められています。
デジタル払いとは、従来通りの現金払いや銀行振込ではなく、いわゆるスマホ決済アプリや電子マネーなど貸金移動業者が提供する決済サービスでお給料を受け取ることができる制度のことです。
具体的に現在検討されている給与のデジタル払いは、決済サービス提供会社がプリペイド式の給与振り込み用カード「ペイロールカード」というものを発行し、そのペイロールカードへ給与が振り込まれるという仕組みが想定されています。また、デジタル払いという選択もできるというだけで、必ずしもデジタル払いが普通となるわけではありません。
どんなメリットがあるの?
ふだんキャッシュレス決済を利用する際には、クレジットカードや銀行口座からその決済サービスにお金をチャージして利用することになるはず。しかし、デジタル払いとしてお給料をそのまま決済サービスのペイロールカードに受け取ることができたら、銀行口座やクレジットカードを介さなくても、その決済サービスを利用することができます。
また、ペイロールカードで受け取ったお給料も現金引き出しができたり、ほかのサービスへ送金などもできます。
デメリットは?
銀行であれば破綻した場合に預金1000万円までは保護されるという制度がありますが、貸金移動業者は利用者の資金の全額を保護する決まりがあるものの、経営が破綻している場合、必ずしもすべて返ってくるとは言い切れないケースもあります。もし返ってくるとしても、銀行に比べてかなり時間がかかるといっても過言ではないでしょう。
全額返ってくるとは限らず、もしなにかあったときにすぐにそのサービス内においていたお金を移すことができないというのは、お給料という大きなお金を受け取ると考えると、現状ではリスクも大きいのです。
しかし、実際にアメリカでもペイロールカードが導入されており、アメリカのペイロールカードの仕組みはほぼデビットカードと同様の機能ため、需要もあるようです。
一方で、日本のデジタル払いの制度はまだどういう制度か確定しておらず、まだまだはっきり整備されているわけではありません。もしも給与がデジタル払いになったら自分の生活においてどういう影響があるのか、ぜひ自分ごととして考えてみましょう。
イラスト/うつみ ちはる