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“在宅ワークあるある”はこれで解決! 専門家が教える、「オン・オフの切り替え」と「コミュニケーション術」
通勤がなく時間的な制約が少ない在宅ワークですが、自宅だとプライベートと仕事の線引きが難しかったり、業務上のコミュニケーション不足に悩んだりと課題もあるよう。今回はメンタルトレーナーやマナー講師として活躍している井垣利英(いがきとしえ)先生に対策を教えていただきました。
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仕事モードになるには「化粧」と「服装」がカギ
在宅ワークでは自分でモチベーションをコントロールすることが大切ですが、テレビやゲーム、漫画や昼寝などの誘惑に負けて現実逃避したり、仕事に集中できなかったり…。
そんなときは、まず仕事モードになるための準備ができているかをチェックしてみましょう。ポイントは「身だしなみ」です。
「仕事モードになるためには、ふだん会社に行っているときのようにきちんとした服装に着替えて、化粧をしてみましょう。男性はスーツが戦闘服といいますが、女性の場合は化粧がスイッチです。しっかり化粧して、外に出るための服装に着替えると、その恰好でベッドに横になりたいとは思いません。自然と気持ちが切り替わって仕事モードに入りやすくなります」(井垣先生)
オンとオフのメリハリをつけるには休息のとり方もポイントです。
●タイマーで時間を設定する
どうしてものんびりしたいときは、スマホでタイマーをかけて5分間だけ休憩しましょう。タイマーで時間を決めて休憩することで、メリハリをつけられます。
●ティータイムは時間を決めて、こまめに
ほっとひと息つくのに最適なのがティータイム。特に井垣先生がオススメするのが紅茶です。
「紅茶は香りによるリラックス効果が高いですし、種類も豊富。ちゃんと茶葉から淹れて、お気に入りのステキなカップで飲むようにするといいですね。お店気分が味わえて心の豊かさが芽生えます。また水分補給も重要なので、3時のおやつタイムに限らず、疲れを感じたらちょっとティータイムをとる。お茶を飲んでひと息入れると、その後の集中力が増します。仕事に熱中しているときも、こうして休息を挟むことで仕事のリズムを整えやすくなります」
そのほか、5分で全身を動かせるラジオ体操や、窓を開けて外の空気をとり入れたり、外で深呼吸をしたりするのも効果的。簡単なので、思い立ったときに、いつでもどこでもできるのもメリットです。
また、意図的に自分をだらけさせない状況にしてしまうのも一案。
「たとえば、上司に連絡して『この時間に〇〇〇の相談をさせてください』などと約束する、締め切りを周囲に宣言するなど。自分がサボる道を絶ってしまうことで、やる気が高まることも。1日の中で細かく上司に報告する時間を決めておけば、エンドレスにダラダラすることもなくなります」
よいアイデアは何も考えない時間から生まれる!?
仕事仲間がいる会社とは違い、在宅ワーク中はひたすらひとりで作業することが多くなりがちです。
「考えすぎて煮詰まったときやよいアイデアが浮かばないときは、あえて何も考えない時間をつくることを心がけてみましょう。そうすると心が鎮まり、思考がリセットされるので、ひらめきを得やすくなります」
また、翌日へのモチベーションに役立つとして井垣先生がオススメするのが、「自分への感謝」。ご自身は1日の疲れを癒すバスタイムに実践しているそうです。
「これはずっと昔からやっていることなのですが、湯船で自分の体に『ありがとう』と感謝の言葉を言うととてもリラックスできて、モチベーションアップにもなります。湯船に浸かって目を閉じ、『頭ありがとう、目ありがとう、鼻ありがとう…』とそれぞれの部位に手を当てて全身に声をかけていきます。私はこれをやるようになってから、体調を崩したことがありません。細胞がやる気を出して活性化するのかもしれませんね。声に出して、手を当てることでより一層効果を実感できると思います」
仕事でコミュニケーション不足を感じたときは?
在宅ワークでの業務連絡は主にメールやチャット、電話などのツールになりますが、返信が遅くてヤキモキしたり、内容がうまく伝わらずギクシャクしたりすることも。こうした状態を回避するための心構えについて、井垣先生は「基本的に相手に期待しないことが重要」と指摘します。
「これは悪い意味ではなく、自分とまったく同じスピードや考え方で相手もやってくれるとは思わない、ということ。自分がわかっているからといって相手が同じことをわかっているわけではないことを理解しましょう。自分が伝えたい内容をちゃんと伝えられていないこともあるし、相手が正確に理解していないこともあります。こうしたコミュニケーションの行き違いは対面の場合でも多々あるので、メールなどではなおさらです。相手がわかっていると思ってもしっかりていねいに説明すること、わからない点は質問すること、そして早く返事がほしい場合は期限をしっかり伝えるなど、自分の要望を明確に伝えることも必要です」
重要な案件やお詫びは対面で
コミュニケーションは人間関係の基本。万が一、お詫びをしなくてはいけないときや重要な話を伝える場合は、「対面」で行いましょう。
「重要な話やお詫びは必ず会って話すことをオススメします。メールで済ませるなど対面以外の方法だと、その文章に含まれている背景にある思いが全然伝わらず、誤解が生じやすいものです。ましてやラインなどの短い文章はNG。会って話すのが一番ですが、コロナ禍でそれができない場合は、オンラインやケイタイのテレビ電話機能などを使って相手の声を聞き、表情を見ながら話しましょう」
次回はオンライン会議で気をつけたいコミュニケーションマナーをお伝えします。
取材・文/奥沢ナツ