瞑想というとどんなイメージがありますか? 瞑想が科学的にも心と体を整えるということが証明されつつあります。「瞑想では初期状態の自分を感じ、今を感じる。大切な事は心の平穏と本来の感覚をとり戻すこと」と話すのは臨済宗建仁寺派 両足院副住職の伊藤東凌さん。もっと身近に瞑想をとり入れられるようにと『月曜瞑想』を考案しました。『心と頭が軽くなる 週はじめの新習慣 月曜瞑想』からお伝えしていきます。
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「ブルーマンデー症候群」にならないために
月曜日は1週間の始まり。 気分も新たに新しい週を始められればいいのですが、月曜の朝に鬱々とした重苦しさを感じる人も多いと思います。会社に行きたくない、あの人に会いたくない…。世界的にも「ブルーマンデー症候群」といわれ、広く認識されるようになってきました。
江崎グリコによるアンケート調査(2018年2月に働く男女と専業主婦の各 400人に実施)では、「憂うつに感じる曜日」として「月曜日」を挙げる人がすべての層で最多となりました。また、労働者健康安全機構の旭労災病院(愛知県尾張旭市)の研究によると、心臓への負荷(収縮期血圧×脈拍数)は月曜午前がほかの曜日・時間帯より高いといいます。
「月曜日によい流れで入れると、火曜日、水曜日とよい循環をしていくことができるでしょう。一方で月曜日に悪い流れで入ってしまうと、火曜日、水曜日と、悪い流れを引きずっていってしまいます。日々のストレスがたまり続けて、動きや反応が重くなってしまったあなたの心と頭を、スマホのようにすっきりと再起動をかけることができればどんなによいか。そこでこれからご紹介する『月曜瞑想』を考案しました」(伊藤東凌さん)
月曜の朝5分で心を再起動する「月曜瞑想」
「月曜の朝というのは、心を再起動するのにベストなタイミングです。再起動したときの心と頭の変わり方をいちばん実感しやすく、再起動を習慣化しやすいからです。自分のなかのモヤモヤした感情や鬱憤、鬱そうとした思いといったストレスを認識している状況で、それらをすっぱりと断ち切るのです」
この瞑想のやり方で特徴的なのは、「自由」で「ラク」なこと。ほかの瞑想のやり方とは一風変わっています。
それでは、さっそく「月曜瞑想」を始めましょう。
〈部屋の準備〉
まず、部屋の環境を整えましょう。カーテンを開け、朝の光をとり込みます。太陽の光には、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌をうながす効果があり、浴びるだけで心がおだやかになります。理想はカーテンだけでなく、窓も開けること。太陽の光は直接浴びるほうがより効果があるとされています。
部屋の空気も入れ替えて、まず環境をリセットします。ただし、住環境によっては窓が開けられないこともあるかもしれません。そのときは、カーテンを開けるだけでもよいです。テレビやラジオなどの音も消します。朝、音楽を聴く習慣がある人は、瞑想のときだけはスイッチをオフにしてください。また、スマホもできれば電源オフに。約5分間だけのことです。
「月曜瞑想」の基本のやり方
1.座る
壁にお尻を当て、寄りかかって座ります。できるだけ背中が丸くならなうようにします。椅子に座る場合は、深く座って背もたれにもたれかかり、できれば両足を床につけましょう。
2.手首をぶらぶらさせる
両手を前に出し腕の力を抜いて、手首から先を10〜20秒くらいぶらぶらさせましょう。
3.手を合わせて目を閉じる
胸の前で手を合わせ、目を閉じます。右手と左手がふれ合っている部分に20~30秒ほど意識を向けましょう。
4.手を合わせたまま、呼吸に意識を向ける
次に意識を呼吸に向けます。20~30秒ほど呼吸を感じましょう。
5.呼吸に合わせて、数を1~10まで数える
少し深く呼吸するイメージで、ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐きます。そして吐くときに「ひとーつ」、「ふたーつ」と心のなかで数えていきます。呼吸のリズムに合わせて、ひとつ、ふたつ、みっつ…と大和言葉でゆっくり「とう(10)」まで数えましょう。目安時間は2分半~3分です。
準備から数を数え終わるまで約5分。たった5分とはいえ、この5分間が心をリセットする大切な時間になります。
「“とう”まで数え終えたら、月曜瞑想は終了です。じつは初めて瞑想する方で、“とう”まで途切れずに数えるのは、なかなか簡単ではありません。何度途切れてもかまいません。“とう”まで数え終わるまで続けてください。少し時間はかかるかもしれませんが、月曜瞑想を続けていると、次々に頭に思い浮かんでくることに支配されなくなります」
先週までのたまりにたまった疲労感と、積み重なったストレスを引きずったままスタートするのか、再起動して心のなかのゴミを捨ててスッキリ整理してからスタートするのか。1週間を充実したものにするために、心と頭を整える月曜瞑想を始めてみませんか。
次回は月曜瞑想のステップアップ編をお伝えします。
文/庄司真紀
参考書籍
『心と頭が軽くなる 週はじめの新習慣 月曜瞑想』(アスコム)