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自分らしい「美しさ」を見つけるカギは? “ポジティブナチュラル”な企業の取り組みに注目!
美しさの基準はひとつではない―。そんな意識の高まりを背景に、FYTTEは「ヘルスケアトレンド2022」の注目ワードのひとつに、「ポジティブナチュラル」を掲げました。ありのままの自分と向き合い、自分の個性を生かした美しさをポジティブに表現していくという意味を込めたFYTTEの造語ですが、こうした“自分らしい美しさ”を後押しする動きがいたるところで生まれています。そこで今回、長年、女性の「美」を応援してきたメーカー3社の新しい取り組みをご紹介します!
Contents 目次
等身大の魅力を発信!「リアルサイズモデル™」が話題のピーチ・ジョン
ランジェリーを中心としたアパレルブランドのピーチ・ジョンでは、より自分に近い着用イメージをもってほしいという思いから、2019年6月に「リアルサイズモデル™」の募集をスタート。当初から大きな話題になりました。
ブランドコンセプトである「元気・ハッピィ・セクシー」を選考基準に、年齢・体型・職業もさまざまなモデルを採用。最初の年のオーディションでは約600人の応募者から13名を起用したほか、前年の2倍となる約1200人が集まった2020年のオーディションでは最終15名を選出しました。そして今年1月には第3期生が決定し、活動をスタートしています。
オーディションに応募する女性には、体型にコンプレックスがあり、「自分を変えるきっかけにしたい!」という人や、活躍中のリアルサイズモデルに憧れてという人も少なくないそうで、「モデルたちは撮影を重ねるごとにさらに輝きが増していくので、今後の進化がとても楽しみ。『元気・ハッピィ・セクシー』の体現を通して、商品の魅力を届けるだけでなく、こうしたポジティブな姿を、お客様はじめ多くの方に自分事としてとらえていただけたらうれしいです」と広報担当の小山麻友さん。
公式通販サイトやSNS、店頭広告などを通して、“みんな違って美しい、ありのままをポジティブに楽しもう”というメッセージを発信するモデルたちの姿に、多くの女性たちから共感の輪が広がっています。
新生LUXが放つ、自分らしい美しさを認めることの大切さ
あなたにとって、美しさとはなんですか? そんな問いから、新たなブランドビジョン「BRAVE VISION 2030」を掲げたのが、トータルビューティーケアブランドのLUX(ラックス)です。
1989年の発売当初からハリウッド女優をイメージキャラクターに起用。女性の社会進出が進むなか、LUX の“輝くことが美しい”という世界観は長年、多くの女性に支持されてきましたが、時代の変化とともに、2021年、新しいブランドビジョンへとシフトチェンジを遂げました。
その背景について、ユニリーバ・ジャパンの大西朱音さんは「近年はSNSの普及とともにインフルエンサーが登場するなど、憧れの存在もより身近になってきています。容姿ではなく、生き方や考え方がかっこいいと言われる人たちがすごく人気なのも特徴ですよね。また、社会ではプラスサイズモデルの活躍やLGBTQへの理解なども進み、容姿や年齢、性別、肩書などにとらわれない一人ひとりの美しさに目が向きつつあることから、次世代に向けた新たなブランドビジョンを模索してきました」と話します。
そして、もうひとつ新ビジョンを立ち上げるにあたり、ポイントとなったテーマが、“無意識下にある固定観念からの解放”でした。
同社が15~49歳の女性800名を対象にしたアンケート調査では、大多数が「人に対する美しさのとらえ方に多様性がある」と回答する一方、自分自身に対してはいまだ自信が持てない人が81.2%、容姿を他人と比べて落ち込むことがある人も61.4%に上る結果に。
「多様性や美しさに対する許容範囲は広がっている一方で、いざ自分のことになると、『もっとやせないと』『髪がサラサラじゃないと』などといった固定観念で自らを縛りつけている人が多いのではないか、ということがアンケート調査などでわかりました」。
そこで、「BRAVE VISION 2030」に盛り込んだのが、「自分自身を美しいと思えることが自信になり、やりたいことにチャレンジする勇気につながること」、そして「その一歩を踏み出す姿勢こそが美しい」というメッセージ。
「これまで、美しさの固定観念をつくる一端をLUXが担ってしまった部分もあるかもしれません。多様な美の選択肢を提供することで、まずその呪縛からの解放を後押し、みんなが自分らしい美しさを謳歌できる社会を目指したいというのが、2030年に向けた新生LUXの想いです」(大西さん)。
美の力で一人ひとりの幸せに貢献。資生堂の150年
2022年に創立150周年を迎え、その記念として制作したCM「美しさとは、人のしあわせを願うこと。」篇が話題となった資生堂。
CMには、安藤サクラさん、池田エライザさん、石田ゆり子さん、小松菜奈さん、近藤華さん、長澤まさみさん、広瀬すずさん、前田美波里さんという豪華キャストが出演。日本初の民間洋風調剤薬局として創業した頃の風景をはじめ、現代のビューティーコンサルタントや、その前身となった初代「ミス・シセイドウ」、1928年開業の資生堂パーラーを訪れる“モガファッション”の女性、リモート面談に臨むリクルートスーツ姿の就活生などが登場し、それぞれの時代を象徴するスタイル、出来事、かつてのCMオマージュなどを散りばめながら、過去・現在・未来へと時を超えて、人々の美しさを表現しています(※CMは資生堂HPから視聴できます)。
「美しさとは、人のしあわせを願うこと。」のキーメッセージには「今までも、これからも、美の力で人々を幸せに、笑顔にしたい」という創業当時からの変わらぬ想いが込められています。
「性別にとらわれることなく、お互いの違いを認め、尊重し合える社会の実現を目指しており、一人ひとりが自分らしさを追求することが、美しさにつながると考えています」と担当者。
多様化が進む中、女性の美を応援する企業の新しい取り組みやメッセージは、自分なりの「美しさ」と「幸せ」を見出していくヒントになりそうですね。
取材・文/奥沢ナツ