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変化を受け入れ、“今”を存分に楽しみたい! 女優・羽田美智子さんが考える「不調との向き合い方」
4月6日にスタートしたドラマ番組『特捜9 season5』(テレビ朝日)で、刑事・小宮山志保役を熱演している羽田美智子さん。前シリーズの『警視庁捜査一課9係』時代から15年以上にわたりレギュラー出演し、ドラマを盛り上げています。そんな羽田さんに、体と心の健康のこと、日々の暮らし、女優業の傍ら50代で始めた新しい活動などについてインタビュー。今回は、撮影中の過ごし方や、年齢とともに変化する体や不調との向き合い方をお聞きしました。
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鹿児島で出合った「びわ茶」が、体調ケアのお供に
どの現場もそうですが、撮影中は不規則な生活になりがち。むしろ、ふだん通りの過ごし方ができないからこそ、頑張り過ぎず、無理をしないということを意識しています。今回の『特捜9』の撮影中は朝4時起きという日も多かったので、眠気を感じたらちょっとした合間を利用して仮眠をとるようにしていました。たとえ5分だけでも横になれる環境であれば横になって、それが難しければ、目をつぶる。そうすると、少しの時間でもリフレッシュできます。また私はラジオ体操をするのが毎日のルーティンなのですが、軽いストレッチも気分転換になってオススメですね。
そして、私にとってお守りのような存在が、びわ茶です! 撮影中はもちろん、日ごろからこまめな水分補給を心がけていて、毎日持ち歩いている水筒3本のうち、1本は漢方茶、あとの2本にはびわ茶を入れています。
昔からびわの葉は、体にたまった余分なものを排出する作用や、代謝がよくなるのでお肌のケアにも期待ができるそうですよ。年々体の循環が滞りやすくなってきたと感じているので、毎日どこでも欠かさず飲むようにしています。
私がびわ茶と出合ったのは鹿児島県でした。私は体質的にお腹が弱くて、脂っぽいものを食べると調子が悪くなることが多いんですが、鹿児島を訪れたときに、びわ茶を用いた黒豚のしゃぶしゃぶを食べたら、不思議とお腹を壊さずに済んだんです。自分の体質に合っているという体感を得て、いまでは“体調ケアのお供”として愛飲するだけでなく、時間があればびわの葉の温灸に通うことも。もうすっかり立派な“びわ信奉者”です(笑)
あと、これは気をつけてはいるんですが、私はわりとお節介な性分で、撮影現場でもつい「疲れてない?」「これ、体にいいから使って!」とあれこれ世話を焼きたくなってしまうんですよね。特に今期は若い新メンバーが入ったので、緊張をほぐそうとしてお節介を焼いてしまったかもしれません(笑)。ただ、そういうコミュニケーションや新しい出会いも大切にしながら、ちょうどいい距離感を保つということも忘れないようにしたいと思っています。
心と体の年齢差に戸惑った“魔の中年期”
いまでこそ、自分に合うケアを見つけて体調管理をしていますが、30代から40代は不調に悩んだ時期でした。特に30代は仕事が充実していたのと同時にすごく忙しくて、体が悲鳴を上げていることに気がついていませんでした。そうしているうちに、37歳の頃、謎の蕁麻疹が出たり、夜眠れなくなったりと、更年期になったわけでもないのに急な不調が…。いろいろな病院に通ってみましたが検査をしても異常なし。原因がわからずにすごく不安でした。結局、あとで知ったのですが、じつは37~39歳までは“魔の中年期”と言って、いわゆる厄年のようなタイミングだったんです。
原因不明の体調不良が2~3年続いて本当につらい時期でした。振り返ってみると、心は若いままなのに体は年齢相応に年をとっていて、そのアンバランスさに気がつかずに、若いときと同じ暮らし方、行動、考え方でいたんですね。気持ちに体がついていかないので、些細なことで一喜一憂していたように思います。
いまを思い切り楽しまないと、もったいない!
“魔の中年期”からは必ず解放されるタイミングがあります。ただ、40代以降にどんどん元気になるかといえば、そんなことはなく、「昔はこうじゃなかったのに…」と思うことも増えていきます。私の場合、それがいわゆる更年期にさしかかったタイミングだったのだと思います。気持ちの面で毎日言いようのない焦燥感、そして実際に体の変化に対するつらさもありました。なんだか目は見えにくくなるし、肌の乾燥も気になる。ひと晩寝て起きたら、昔の私に戻っていた!ということは当然なく、「ああ、私ももう若くないんだな」と…。
でも、それは仕方がないこと。命あるものはすべて時間の流れとともに生きていて、その“変化”は自然の摂理です。だからこそ、くよくよしている時間はもったいないですよね。むしろ、こうした体の変化を、自分が生きてきたこれまでの年月を振り返ったり、いまの自分を見つめ直したりするチャンスにすれば、「これまで頑張ってきたんだから、これからも頑張ってみよう」と前を向くことにもつながっていくと思います。
年齢を感じることがあっても、それでも今日の自分が“いちばん若い自分”。10年後の自分から見れば、いまの私だってまだまだ若者。いましかできないことも、いまだからできることも思い切り楽しまないと損! 私はそんな気持ちで過ごすようにしています。そして、かつての私のように、心と体の年齢差に戸惑ったり、体調の変化に悩んだりしている人にも、そう伝えたいですね。
年齢とともに訪れる体調の変化も、前向きにとらえられるようになったという羽田さん。次回は、羽田さんが実践する「毎日をご機嫌に過ごす秘訣」をお伝えします!
<Profile>
羽田美智子(はだ・みちこ)
1968年、茨城県生まれ。1988年にデビュー後、女優として映画、ドラマ、CMなど幅広く活躍。1994年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。出演作には、NHK大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』、『花嫁のれん』シリーズ、『特捜9』シリーズ、『おかしな刑事』シリーズ、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』など多数。2019年、自身が「本当にいい!」と思ったものだけを集めたオンラインショップ「羽田甚商店」をオープン。著書に『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』(宝島社)などがある。
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撮影/田辺エリ 取材・文/番匠 郁