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「大丈夫だよ」のひと言が生む安心感はきっと人を助け出せる。~モデル高山都×マインドトレーナー田中よしこの大人女性のモヤモヤ解決対談3~
FYTTE × GetNavi webが展開する「カラダ、ココロ、整う」プロジェクト。シーズン3のアンバサダーである高山都さんが、マインドトレーナーの田中よしこ先生にメンタルの保ち方についてのお悩みを相談する対談企画を実施。最終回の今回のテーマは「対人関係」。人に求めてしまうことや、距離の取り方などに悩んではいませんか?
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もうひとりの自分を育てて、最高のアドバイスをもらう
田中先生 前回まで、高山さんご自身の内面や、ご自身との向き合い方などについてお話いただきましたが、プライベートや仕事などでの対人関係でモヤモヤしていることはありますか?
高山さん 相手に「完璧」を求めてしまいがちなんです。自分はぜんぜん完璧じゃないのに、「私はこんなにがんばっているのに」って。自分でもそこは違和感があって、モヤモヤします。
田中先生 高山さんは「がんばりすぎることが当たり前」と思っているところがあるかもしれません。がんばるペースや度合いは人によって違うし、そのときどきによって違うものなんですよね。
高山さんは、「楽しく感性を使う人」だと思うんですね。想像してみてほしいんですが、「楽しそうな高山さん」は、「『私がんばっているのに!』ってイライラしている高山さん」に、どう声をかけますか?
高山さん 「いっしょに楽しめばいいんじゃない?」ですかね。
田中先生 すっと答えが出ましたね。そうなんです、そうやって、「楽しい感性の自分」を自分の脳のなかで育てると、ピンチのときに出てきて最高のアドバイスをくれるんですよ。
高山さん 自分でもうひとりの自分を育てていく、おもしろいですね。
田中先生 もうひとりの自分って、自分を理解していることで育っていくんですよ。どうせなら、楽しい自分を育てたいですよね。
決められない人には「大丈夫だよ」の言葉で安心感を
高山さん 私は完璧主義なところがある一方で、人から「あなたのために」「あなたのためを思って」と言われることが苦手なんです。だから、人と話すときも「私はこう思う」って「私は」をつけて、押しつけないようにしています。みんないい意味で他人だし、育った環境も性格も違うんだから、いろいろな意見があるのは当然ですし。先生は、意見を求められたとき、どうされていますか?
田中先生 「わかったよ」「大丈夫だよ」と言います。
高山さん 決められない人は、いませんか。
田中先生 人って焦ると、「条件」で決めてしまうんです。だから、「わかったよ」「大丈夫だよ」という言葉で一回安心させて、「決められる」ということを思い出させてあげるんです。そういうときは周りが見えなくなっているから、“いいこと”や“できていること”をスルーしてしまいがちです。「私には悪いことばかり起こっている」って。
高山さん 私も「大丈夫」という言葉に救われたことがあるから、わかります。「大丈夫」っていう言葉、私ももっと使おうと思います。
田中先生 「いままでも答えを見つけてきたよね」「今日だって時間通りに来られたよね」など、「だからあなたは大丈夫」だという根拠といっしょに伝えてあげるといいですね。
五感を使ってていねいに景色を見ると気分がスッキリ
高山さん 私自身は、最近はモヤモヤとうまく付き合えているのかなと思います。モヤモヤが可視化できている、というか。「あ、いまモヤっているな」「じゃあ、少し休もう」って気づけたり。そんなときこそ、自分のことを大事にしようって思いますね。
元気のないときに自分の姿を鏡で見るとさらに落ち込むから、好きな服を着て自分のことを好きと思えるように演出したり。そうすると、気分が上がって元気になり、「おかえり自分」ってなるんです。
田中先生 高山さんって、ランニングされますよね。当たり前に通り過ぎてしまいがちですが、五感を使って景色をていねいに見るとスッキリしませんか。
高山さん 季節によって、においも音も色も違いますよね。五感って本当に大事。元気がないときは感じにくくなるから、「あ、いま元気ないんだな」ってわかります。
田中先生 意識して使うようにしていると五感って取り戻せるんです。だから、モヤモヤしたときはなおさら、少しの時間でも外に出て深呼吸して、五感を刺激してあげるといいです。
高山さん 深呼吸、大事ですよね。マスクを取って深呼吸すると、空気がちゃんと肺に入って、自分が広がる感じがします。身体的というより、心に酸素が入っているなって感じるんです。
田中先生 不安なのか、怒っているのかというのは、呼吸を見ているとわかります。息に出るんですよ。戦闘モードのときは、浅くなっているはずです。
高山さん そういうときは、メイクさんとかまわりの人が「一回深呼吸しようか」って言ってくれます。
田中先生 まわりにわかってくれる人がいるというのは、いい環境ですね。
高山さん 本当にありがたいです。心身のバランスを崩したときにも、ただそばにいてくれる人、気持ちのいい言葉をかけてくれる人がいて、改めてまわりを大事にしようと思ったんです。だれかが困っているときに、私もそういう人になりたいという目標もできました。
でも、この時代だから、人との“車間距離”は大事にしています。SNSの世界とか、気持ちのいい人とそうじゃない人がいて、「いまこの人たちに取り乱されるのはいやだな」「いま会うべきときじゃないな」と思うことがあったら、静かに離れていきます。人って変わるから、ご縁があればまたつながりますしね。
田中先生 ねたむのも相手の自由なんですよね。わざわざ自分の時間を使ってやっていることですから。だから否定も期待もせずに、自分からちょうどいいところを探しましょう。自分が選択権を持って決めたことだから、不愉快じゃなくなります。
高山さん うまく線引きができるといいですよね。みなさん、職場とか子どもの学校とか、集団のなかにいるといろいろあると思いますが、そういう場ではどう線引きをすればいいですか。
田中先生 「5分なら話を聞く」とか、自分でちょうどいいところを決めるといいですね。返事をしないといけないときは、同意したと思われないように「○○さんは、そう思っているんですね」という相づちにとどめておきます。
人生という枠で見ると、悲劇に見えなくなる
田中先生 今後、心が揺れるようなことが起こったときに、心構えとしてお伝えしたいのは、「人生という枠で見る」ということですね。「いま起きている、このことが教えてくれているのは何なんだろう」って。すると、悲劇だとは思えなくなるどころか、何か得るものがあるはずって思えるんです。
高山さん 「これは人生の一部だ」と思えると元気が出ますよね。
田中先生 今は一瞬ですから。1秒前は過去ですもの。
高山さん 張り詰めているときって冷静じゃないし、いい答えも見つからないと思うんですよね。だから、引き続きゆるゆるして、ちゃんと答えを見出せる術をちょっとずつ身につけていきたいなと思います。何か起こればそのときはまた「はぁ〜」ってなっちゃうと思うんですけど、経験って大きくて、「あのときも起き上がれたから大丈夫」「あのときも乗り越えた」って暗示をかけられるんですよね。
田中先生 高山さんは、いつも自分で決めたことでスイッチを入れていますからね。そのことは、これからずっと味方になってくれるし、財産ですよ。
高山さん うわっ、元気がでました! 今日、先生が言ってくださったことを自分の人生と照らし合わせると、答え合わせのような時間でした。先生が話されていたように大事なのは自分で選択することですが、すてきな道標をいただいたなという気持ちです。ありがとうございました。
<プロフィール>
高山都/1982 年生まれ。FYTTE × GetNavi webが展開する「カラダ、ココロ、整う」プロジェクト・アンバサダー。モデル、女優、ラジオパーソナリティーなど幅広く活動。趣味は料理とマラソン。「#みやれゴハン」として料理やうつわなどを紹介するインスタグラムが人気。 趣味のマラソンでは、横浜マラソン2016を3時間41分で完走の記録を持っている。著書『高山都の美食姿』(双葉社刊)シリーズ1~4も好評発売中。Instagram:@miyare38
田中よしこ/マインドトレーナー。トランスフォーメショナルコーチ®。心理学や脳科学、コーチングなどを組み合わせたメソッドで、これまでにのべ7000人以上の思考の整理や自信回復をサポート。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい 仕事・恋愛・人間関係の悩みがなくなる自己肯定感の高め方』(KADOKAWA)など。株式会社コレット 代表取締役。
撮影/田辺エリ ヘア&メイク/鎌田真理子(高山さん)取材・文/馬渕綾子