男性だけでなく女性から見ても魅力的に映るのは“気品のある女性”。日本文化マナー研究家であり印象戦略コンサルタントの伊東香苗さんによると「気品は、コツコツ修業すれば必ず身につけることができるもの」なのだそう。そこで今回は、第一印象で重要だという「品のある身だしなみ」について教えてもらいました。
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身だしなみで大切なのは、清潔感とTPO
「身だしなみは『これをすれば完璧』というものではなく、TPOを考慮することが一番大切です」と伊東さん。
「ビジネススーツを着て、肌色にきわめて近いベージュのストッキングに、シンプルなパンプスを履くという就職活動のときのような服装が、仕事ではオーソドックスとされています。でも今は、必要がない限り、そういう服装で働いている人はいませんよね? 身だしなみというのは、職種や職場などによって変わってきます。例えば、ストッキングも、履くor履かない、どんな色がいいかなど、TPOによって変わってきます」
とはいえ、印象を左右する基本的なポイントもあるそう。
「例えば、髪の毛だったら、お辞儀したときに髪がバサバサしないように、結んだり、まとめたりすることが大切です。話しながら何度も髪を触ったりするのも印象がよくないですよね? そうならないように気をつけることも大事です。イヤリングなども、『合コンでは、ゆれるタイプが男心をくすぐる』といわれていますが(笑)、職場では小さめでゆれないタイプのほうが好印象。清潔感のある身だしなみを心がけると、老若男女に対して印象がアップします」
TPOを知るには素直に聞くことが重要
「この場所で、どこまでOKか?」を判断するのは、なかなか難しいもの。伊東さんも企業の新人研修で「何か月経ったら好きな服装が許されるんですか?」と質問されることが多いのだとか。
「それも職場によって違います。ですから、私は『近くにいる先輩や上司に指示を仰ぐこと』が大切だと考えています。『新人はだまって自分の判断で行動してはダメ』だからです。これは身だしなみだけでなく、仕事においてはすべて同じなので、覚えておいてほしいですね」
例えば、ネイルをしたい場合、ランチタイムなど先輩や上司が忙しくなさそうなときを見計らって「お忙しいところ申し訳ないのですが、ご相談させてください」とことわってから、「私はネイルをしたいのですが、いかがしょうか?」と素直に聞けばいいのだそう。
「『聞く』ということ、そして『マナー』はコミュニケーションです。素直に聞かれたら、先輩や上司は『いい子だな』と思うはずです。じつはそれができるかどうかが、周りの人から愛されるかどうかの分かれ道なのです
新人のうちに、先輩や上司から教えてもらえるうちに、きちんと教えてもらうということも大切だといいます。
「やがて自分が先輩になって、相談される側になったとき、真摯に教えてあげなければいけません。そのときに、自分が一般常識やその職場でのマナーをきちんと知らなかったら、結局自分が恥をかきます。さらには、会社も恥をかくということになりかねません。ですから『自分が好きだから周りからどう思われても構わない』という身だしなみではNG。普段は自由な職場でも、いざというときにきちんとしたマナーを発揮できるのが“品のある女性”なのです」
取材・文/小高希久恵