「勉強しなさい!」「スマホをやめさない!!」「片づけなさい!!!」……子どもに対して、ついつい怒りすぎてしまう、という悩みを持つママも多いのでは? でも、怒りながらでは、本当に言いたかったことが伝わらないことも。子どもに、大事なことが伝わるコミュニケーション術を日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実さんにうかがいました。
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子どもをつい怒ってしまうのは、親としての責任があるから
子どもに対して、一度怒りはじめると、芋づる式に怒りがわいてくることはありませんか。「そろそろ宿題したら?」と促したかっただけなのに、いつまでもスマホをしている姿にイラッ。散らかしっぱなしの部屋にイライラッ。その結果、「勉強しなさい」「スマホをやめさない」「片づけなさい」の三連発に……。子どもにこんなに怒りたくないと思いながら、なぜ、こんなに怒ってしまうのでしょうね。
「親が子どもにイライラするのは当たり前です。それは、親には子どもを一人前に育てる責任があるからです。無事に独り立ちさせるためには、あれもできたほうがいい、これでもできたほうがいいという親心、『こうあってほしい』という期待する像もあります。子どもを持って初めて、自分はこんなに怒る人間だったのか、とがく然としたという親御さんも多いものです。
しかし、そういう自分を責める必要はありません。子どもに改善してほしいと思うことがあるなら、心にゆとりを持ち、関わりの工夫をしましょう。親にとって、子どもへのアンガーマネジメントは難しいものですが、大切なことを聞いてもらうには大切なことです」(戸田さん)
改善してほしいことは「リスクエスト」として伝える
そもそも、「自我が芽生えてきたら、子どもは思い通りに動いてくれないもの、と腹をくくることも必要です」と戸田さんは話します。
「なぜこの子は言うことを聞かないの? と思っているとストレスがたまるばかりです。たとえば、帰宅後の手洗い・うがいは、毎日言い続けたら習慣化できそうだけど、学校の成績を上げることは『勉強しないさい』と口うるさく言っても効果はない……など、どこまでの範囲なら自分が関わってもOKで、どこからがNGなのかを見極めることも大切。場合によっては、関わりを手放すことも必要です」(戸田さん)
では、子どもの心に刺さる言葉がけとは?
■改善してほしいところは、リクエストとして伝える
「人が怒りを感じるのは、自分の中の理想、願望、価値観を現す“べき”が破られたとき。『宿題はすべきなのに、なぜやらないの?』『プリント類は持ち帰るべきなのに、どうして持ち帰らないの?』という具合です。でも、子どもはこうした言い方には聞く耳を持ちません。
改善してほしいことは、“事実確認+今後どうしてほしいのか+そうしてほしい理由”を伝えましょう。
『今日はプリントを置いてきちゃったね。でも、これからは、プリントは必ず持ち帰ってね』というようにリクエストとして伝え、さらに、『学校からのお知らせがわからないと、どうしていいかわからないし、最終的にはあなたが困るんだよ』と、理由を話します。先のことを想像させると、自発的な行動につながりやすいです」(戸田さん)
取材・文/海老根祐子