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お酒を飲む人は「アルハラ」に遭う人も結構多い!?

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お酒で乾杯する人たち

「アルコールハラスメント(アルハラ)」は日本でも注目されるようになっています。お酒を飲んで、他人にかけてしまう迷惑。それは米国でも問題だそうで、毎年5人に1人が迷惑を被っているという研究結果もあるそう。受動喫煙と同じように問題にする考え方も出ているようで、飲酒は健康の面でもそうですが、見る目はさらに厳しくなってくるのかもしれません。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

全米8750人に電話インタビュー

カクテルをグラスに注いでいる様子

お酒は楽しく飲めるならばいいですが、飲み過ぎてしまって、ふだんの生活に悪い影響が及んでしまったら本末転倒といえるかもしれません。日本の研究でも、職場の揉めごとがあったり、職場の環境が悪かったり、自分の能力不足を憂えたりしていると、飲み過ぎに走ってしまうと報告されたこともあります。
そんなときの問題のひとつは、「アルコールハラスメント(アルハラ)」です。お酒を飲むことに関連した嫌がらせ、迷惑行為、人権侵害を指しています。飲酒の強要、一気飲み、酔いつぶしなどが問題になります。

今回、同じようにアルコールによる問題に注目している米国で研究が行われました。米国国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)、非営利組織「公衆衛生研究所」のアルコール調査グループ(ARG)が2015年に行った2回の全国調査の8750人のデータを分析しています。

お酒を飲む人こそ被害に遭いやすい

乾杯する人

過去1年間で飲酒に関連した他人からの迷惑を受けていたのは、男女ともにほぼ5人に1人でした。米国全体だと5300万人で、ごく一般的な問題といえるのでしょう。
被害としては、脅しや嫌がらせ(ハラスメント)、持ち物の損壊、破壊行為、身体的な攻撃、車の運転に関連した被害、経済的や家庭的な問題など。最も多かったのは回答者の16%が報告した「脅しや嫌がらせ」でした。

被害には男女で差があり、女性は「経済的、家庭的な問題」が多く、夫や家族による被害の傾向が強いことがわかりました。男性は「持ち物の損壊、破壊行為」、「身体的な攻撃」が多く、赤の他人から被害を受けているようでした。

特に被害を受けやすいのは25歳未満。このほかにも、自分自身の飲酒量が多い人、飲酒量の多い家族がいる人が被害に遭いやすく、飲酒量が多い人の半数近くが、他人からの迷惑行為を受けていました。
なお、多い飲酒量とは、少なくとも月に1回、男性で5杯以上、女性で4杯以上と定義しています。
飲酒量があまり多くなくても、お酒を飲む人はまったく飲まない人に比べて、脅しや嫌がらせ、車の運転に関連した被害に遭うリスクが2〜3倍も高くなるという結果になりました。

こうした問題を引き起こさないために、お酒の値段、入手方法、宣伝などは対策が必要かもしれないと研究グループは説明しています。
お酒を飲む人は、そうした迷惑を受けやすいこと、また迷惑をかけやすいことを、あたらめて気をつけるようにすると、よいかもしれません。

<参考文献>

厚生労働省「アルハラ」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-018.html

PLoS One. 2018 Sep 20;13(9):e0204248. doi: 10.1371/journal.pone.0204248. eCollection 2018.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30235343

J Stud Alcohol Drugs. 2019 May;80(3):273-281.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31250790

Alcohol causes significant harm to those other than the drinker
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/07/190701144258.htm

文/星良孝

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