仕事がたまってくると、それを必死でこなそうと、働き過ぎになってしまうことも。それは肉体的にも精神的にもつらいものです。日本では働き方改革が進んでおり、働き過ぎに歯止めがかかる方向になっています。スウェーデンの研究グループが、労働時間を25%減らすと、睡眠が改善され、日中の集中力が向上し、ストレスも軽減されたと報告。日本でも参考になるかもしれません。
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働き過ぎの悪影響とは?
日本では今年4月に「働き方改革関連法」が施行され、残業時間に上限が設けられるなど、全国の会社で働き方の見直しが進んでいます。働き過ぎは、長期的に見ると、仕事の生産性を下げて、健康にも悪影響が及んでくると考えられています。これから日本でも働き方改革の成果は注目されそうです。
このたびスウェーデンの研究グループが、市町村などの公共部門に勤務する636人(うち女性75%)を対象として、労働時間を75%に減らすグループ(370人)と、労働時間を変えないグループに分け、その仕事量や休息時間への影響について調べました。労働時間を減らせば、仕事をより効率的に行う必要があります。初回、9か月目、18か月目に時間の使い方についてのデータを収集。働き方の変化を分析したのです。
休息時間を増やすと、ポジティブな効果が!
こうして判明したのは、働く時間を減らしたグループは、平日に家事や趣味をして過ごす時間が増え、休日もリラックスした自由な時間を多く過ごせるようになったということ。平日に減らせた仕事量は65分。働く時間は減ったので仕事が過密になるかというと、そうではなく、むしろ仕事量は減るという結果に。かえって休息時間は53分も増えていました。性別、家族構成、業種によらず、同様な変化が見られました。
労働時間を減らした結果として、仕事がより効率的にできるようになり、うまく休めるというわけです。そうであれば、働く時間はうまく圧縮していくのが得策となるのでしょう。研究グループも、長期的に見て、肉体的、精神的によい影響があると指摘します。研究結果を踏まえると、日本でも今後プラスの効果が出てくることが予想されます。
<参考文献>
Occup Environ Med. 2018 Mar;75(3):218-226. doi: 10.1136/oemed-2017-104592. Epub 2017 Nov 28.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29183947
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/pmid/29183947/