クリスマスは、家族と共に過ごす大切な行事

スイスの寒くて暗く長～い冬が本格的に始まりました。グレーの冬の空と氷点下の気温に欝々としてしまいそうな季節ですが、この時期の話題はもちろんクリスマス。華やかなクリスマスデコレーション、街でショッピングを楽しむ人たちの姿を見ていると、こちらもウキウキした気分になりそうです。
日本でクリスマスは、恋人と過ごす日となっていますが、欧州では家族と過ごす大切な日。そういうわけで、スイスでも11月頃から、クリスマスのためのさまざまな準備で忙しくなります。クリスマスケーキならぬ、「クリスマスクッキー」を焼いたり、12月6日には、160年ほど前からの伝統であると言われる、人の形をした「グリッティベンツ(Grittibänz)」というパンを食べたりしているうち、クリスマスへのカウントダウンが始まります。

スイスにもたくさんある！ クリスマスマーケット

そして、この時期冬のスイスを明るくしてくれるのは、もちろんクリスマスマーケット。クリスマスマーケットといえばドイツが有名ですが、ここスイスでも11月下旬～12月のクリスマス直前まで、規模や期間に違いはあれど、多くの町や村でクリスマスマーケットが開催されます。

特に人気なのは、金融都市チューリッヒのクリスマスマーケット。マーケットは市内に点在していますが、その中でも中央駅内のものは、屋内型としては欧州一大きいものなのだそう。さらに、ここには訪れる人々の目を引きつけるものがあります。それはスワロフスキー・クリスタルで燦然と輝く、巨大なクリスマスツリー！　遠くから見ても迫力満点です。

ほかにも、フランス・ドイツとの国境が交わるバーゼルや、古都でもある首都ベルン、観光客に人気のルツェルンなどでも、大きなクリスマスマーケットが毎年行われ、神秘的な雰囲気で私たちを迎えてくれます。

上記の地域はすべてドイツ語圏にありますが、フランス語圏にも人気のクリスマスマーケットがあります。レマン湖のほとりにあり、『スイスのリビエラ』の異名を持つ町、モントルーのクリスマスマーケットは、本格的なログハウスでスイス料理が堪能できたり、かわいい雑貨にソーセージやワッフルなどのおいしい屋台が多く並んでいたりと、楽しさいっぱいです。

期間中は、昼前から夜まで毎日オープンしているので、日中は家族連れが、そして夕方から夜には恋人や友達同士、同僚っぽい団体など、老若男女、多くの人たちの姿を目にします。

屋台の暖かい灯りの中を歩きながら、スパイス入りのホットワインのカップを手に、気の置けない仲間や家族と、楽しいひとときを過ごせるクリスマスマーケットは、人々の心も体もぽかぽかにしてくれる存在なのです。

写真・文／小島瑞生、ホリ・コミュニケーション

クリスマスマーケットの建物

クリスマスに彩られた街

グリッティベンツ　 木製のツリー

クリスマスマーケット

スワロフスキーのクリスマスツリー

ホットワインとドーナツ

ツリー越しに眺めるクリスマスマーケット