これくらいの時期になると、耳にする機会も増える「確定申告」。なんだか難しそうだし、会社員には関係ないと思っている人も多いかもしれませんが、今後、もしかしたら副業を始めるなんてこともあるかもしれません。今回は確定申告の仕組みと会社員でも関係のある確定申告についてファイナンシャルプランナーの横川楓先生に伺いました。
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確定申告ってなんで必要? どういうもの?
確定申告はカンタンに言えば1年間の収入から納める税金を計算して申告することで、納めるべき税金を決める一連の作業と流れのことを言います。会社員とは違い、個人事業主や副業で収入がある人は、確定申告をしなければ1年間の収入から、納めるべき税金が決まりません。そのため、お給料以外の収入がある人は必ずしなければならない作業となります。
また、確定申告をすることで、納めた税金が足りなければ追加で納税、納めすぎていたら払いすぎた分を返してもらうこともでき、税金の控除されるものを追加で申告することもできます。これから説明していきますが、会社員として働いている人に関係があるのが主に税金の控除についてです。
会社員でも確定申告をする必要があるパターンは?
副業をしていたり年収が高かったり確定申告をしなければならない人はいるものの、収入が会社員としてのお給料だけなのであれば、基本的には確定申告に相当する手続きを年末調整として会社がやってくれるので、確定申告をする必要はありません。
しかし、確定申告しないと税金のメリットが受けられないのが医療費控除、セルフメディケーション税制を受けたい場合と、5か所以上の自治体へのふるさと納税をした場合などです。
また、保険料控除の書類など万が一年末調整で出し忘れてしまったものがあった場合も、それを使って確定申告をすることで税金の控除を受けることができます。
実際に確定申告をするなら?
確定申告のためには申告書を作らなければなりませんが、会社員の人であれば、基本的には「確定申告書A」を作ることになります。税務署へ行ってその場で作成して提出するか、ネットで作成して郵送もしくは電子申告することもできます。税務署へ行く場合は3月15日の期限前はとても混雑するので、なるべく早めに行くようにしましょう。
また、電子申告をする場合はマイナンバーカードか、税務署でもらえるIDとパスワードが必要で、それらがないと電子申告はできないので注意が必要です。最初はひとりで作れるか不安という人もいるかもしれませんが、自分で作るのもまったく難しくはありません。国税庁の「確定申告書作成コーナー」のページを開いて、源泉徴収票や病院や薬局の領収書、各種控除の証明書などを見ながら、必要事項を入力していくだけで、カンタンに申告書を作ることができます。
せっかく各種控除の条件に当てはまっていて、確定申告をすればお金が還ってくるのであれば、やらないと損をしてしまいます。ちょっとめんどうくさい作業ではありますが、電子申告など年々手続きがカンタンになっているので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
イラスト/うつみ ちはる