なかなかお給料が上がらない今の時代、副業解禁の流れもあり、会社からもらえるお給料とは別に自分で収入を得ている人も増えてきています。副業をしていると、気にしなければならないのが確定申告。今すでに副業をしているという人はもちろん、これから副業を始めようとしているという人にもぜひ知っておいてほしい副業の確定申告について、ファイナンシャルプランナーの横川楓先生にお話を伺いました。
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ちょっとした副収入! 確定申告は必要?
まず以前の記事でお話した通り、基本的にはフリマアプリで不用品を売っている場合は確定申告が必要な収入とはなりません。しかし、例えば文章やイラストを描いてもらった収入やハンドメイド商品を売った売上、副業のお給料としてもらった収入などは確定申告をしなければならない収入になります。
また、申告しなければならないのはそれらの副業の所得が20万円以上となった場合。ここで注意しなければならないのが「所得」とは何かです。お給料以外の収入の場合、収入として入ってきたお金からその収入を得るために使った経費を引いた金額が所得になります。経費というのはどういった副業をしているかにもよるのですが、例えばハンドメイド作品を作って販売をしているのであれば作品を作るために必要な材料、ライターをしているのであれば取材などにかかった交通費など、一般的には副業をするためにかかった実費のことを言います。
自分が本当に確定申告をしなければならないのか不安という人は、税務署の人に電話で1度問合せしてみましょう。
「白色申告」と「青色申告」は何が違うの?
前回の記事で会社員だけの収入の人は「確定申告書A」というお話をしましたが、副業がお給料以外の収入だとしたら、「確定申告書B」に加えて「収支内訳書」(これがいわゆる白色申告)、もしくは「青色申告決算書」を作る必要があります。カンタンに言えば税金面のメリットがあまりないけど手間が少ないのが「白色申告」、いろいろ提出するものがあり大変だけど税金面のメリットがあるのが「青色申告」です。
青色申告は白色申告より税金のメリットがかなり大きい分、前もって開業届や青色申告承認申請書という書類を提出する必要があり、確定申告の際には1年分の取引をもとに作る「貸借対照表」「損益計算書」といった書類も作成する必要があります。どちらにせよ年間の帳簿づけはする必要があるので、オンラインですべて紐づけて申告書を作ることができるようなクラウド会計などを使用するのもおすすめです。
実際に副業の確定申告をするなら?
こちらも前回の記事でお話した通り、税務署へ行ってその場で作成して提出するか、ネットで作成して郵送もしくは電子申告をして提出となります。注意しなければならないのが、青色申告の場合は今年令和2年分の確定申告(来年の3月15日期限)分から、電子申告をしないと控除額が10万円減ってしまうというところ。青色申告をしようと思っているのであれば、電子申告の手続も必ず済ませておきましょう。
また、上記は所得税の確定申告についてのお話で、副業の収入が20万円以下であったとしても、住民税の申告はする必要があります。各自治体により申告書が異なるので、20万円以下でも収入があるという人はお住まいの自治体のホームページなどを確認してみてくださいね。
しかるべきタイミングで確定申告をしないでいると、申告書を作るための資料がなくて大変になってしまったり、きちんと申告をしていれば本来払わなくてもいい税金を追加で支払うことになったりと、マイナスなことばかりです。ある程度副業で収入があるという人は準備をしっかりして、わからないことがあれば必ず確認し、確定申告を忘れないようにしましょう。
イラスト/うつみ ちはる