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地方の魅力や伝統物産を世界へ発信! 地方創生から始まる「旅のサスティナブル」とは
寒い日と暖かい日が混ざるようになって、風は何となく春の気配を感じます。もう少しすると冬が終わり春になりますね。さて、今回はさまざまなシーンで目にする「サスティナブル」において、地方創生から始まる「旅」の可能性を旅専門家の小林憲市さんに教えていただきました。
Contents 目次
日本の魅力、地方を発信!「地方創生+旅」
皆さんこんにちは! 寒い日と暖かい日が混ざるようになって、風は何となく春のにおいがします。あともう少しすると桜前線がやってきていよいよ冬が終わり春ですね。そんな僕らにとって当たり前の季節の変化ですが、世界ではこれほどそれぞれの季節がはっきりしている国はめずらしいんですよ。日本へ渡航(インバウンド)される外国の人たちにももっと日本の四季それぞれのよさを知っていただきたいと思います。
東京オリンピックも目前となり、インバウンドの中心にある東京や関西、北海道や離島ではたくさんの外国の人たちをお見かけします。しかし地方ではまだまだ外国人旅行者も少なく、標識などの案内も追いついていない印象です。日本のよさの多くは地方にあるのに観光促進がうまくいっていない印象です。僕は日本の魅力として地方のよさをもっと外国の人に知っていただく工夫をしてゆくべきだと思っています。
今回は「地方創生+旅」の話をしたいと思います。
日本のいろいろな観光地に足を運んでいる僕の感覚では、日本のインバウンドは外国の人が自力で切り開いている印象があります。
例えば、以前の記事『人生に一度は体験しておきたい! 真冬の北海道、世界遺産「知床」の「流氷ウォーク」』でお伝えした知床の羅臼と斜里をつなぐ知床峠の間に「熊の湯」という秘湯があります。地元の人が大切にしている、観光客にはあまり知られていない秘湯なのに、僕が訪れた際には何名もの外国人の旅行客が温泉につかっていて驚きました。聞いてみると、SNSでいろんな情報を仕入れてたどり着いたとのことでした。
この例からわかるように大都市以外の地方自治体はもっと観光化を進めて行きたいのに「入り口」と「出口」がわからないでいるのかも知れません。それぞれの地域のよさを国内外に示したいのにどうしたらよいかわからないでいる感じがしてしまいます。せっかく日本に来ていただいた外国人観光客の人に何度もリピートしていただくために、日本の魅力をもっとPRすべきですよね。
観光促進と共に地方経済の活性も重要ですね。
地方が抱える問題は人口減少、高年齢化、産業の空洞化が共通課題です。僕は前記したインバウンド誘致に向けた観光促進も重要ではあるけれど、地方経済をどう上げて行くかがより重要であると考えています。地方経済が上がれば当然雇用も生まれるし、そのための人口も保たれるはずです。施設が拡大したり人が生活するための環境が拡大すると移住者数も期待できます。そして何より地方には大切につなげてきたさまざまな物産や技術があります。そういったものを国内外へつなげて行くことが地方経済向上の推進力になると考えています。
2020年2月4日〜6日まで幕張メッセで「地方創生EXPO」が開催されました。
その中で僕は旅で地方創生のために、地方自治体と国内外の経営者や事業関係者をつなげる「旅」の提案をさせていただきました。地方の物産やさまざまな技術を求める人に向けて、地方創生のツアーを企画して募集するのです。とくに東京に一極集中している企業に向けてもっと地方を知ってもらい新しいビジネスのヒントにしてもらいたい。
また地方自治体の人たちにはツアーに参加する人に向けてその土地の物産を思いっきりPRしてもらい、交流してもらいます。そして何かビジネスがつながればB2Bとしてサスティナブルな関係が継続していくのです。とくに国内でどんどんシュリンク(縮小)してゆく伝統物産などは海外にもっと示すことで新しい販路が世界に拡大できます。であれば海外からのインバウンドの向きを地方創生の「旅」としてつなげることは旅行社としてひとつのテーマであると思っています。
日本全体で国資を地方からは「示す」、都市部からは「知る」をテーマにつながること。そして「ONE TEAM」になって世界を意識してゆくことがこれからの地方創生の求められるひとつの姿なのかも知れませんね。
「旅」を生業にしている僕も少しでもそういった動きの力になりたいと思っているんです。この連載でも少しずつ地方のよさを紹介してゆきたいと思っています。
今回は少しかたい話になってしまいましたが、地方創生を皆で少し考えていければと紹介しました。
次回は旅にまつわる豆知識や役立つ情報をお届けしたいと思います。
僕も楽しみながら次回の記事の準備をしますね!
ではまた!
*写真は本人によるもの(イメージで入れています)