暑さが続き、いつもとは違う体の異変を感じている人はいませんか? 体全体が水はけの悪い状態に陥りがちな夏は、特に排尿トラブルが起こりやすい時期なのだそう。そこで利尿作用を高める水分のとり方と、排尿を促す作用を持つズッキーニの効果的な食べ方を教えていただきました。
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水はけのいい体をつくる水分補給のポイント
例年にも増して暑さが厳しい夏。冷房が苦手な方も、今年は体調管理のために、エアコンを使う頻度が高まっているのではないでしょうか。汗をたくさんかくこの時期は、体内が水不足になりがち。潤いが足りないと、口やのどが渇いたり、大腸が乾燥して便秘になりやすくなるなど、いつもとは違う変化が現れます。さらに、尿が濃くなり、トイレに行く回数が減少するのもこの時期の特徴。そのため、体全体が水はけの悪い状態に陥ってしまいます。
冷房のきいた部屋で一日中過ごしていると、夕方になって足のむくみを感じることはありませんか。このむくみこそ、体の水はけが悪いサイン。さらに暑い夏は、膀胱内に雑菌が繁殖しやすく、膀胱炎になる人が増加するのだそう。そんなトラブルを防ぐためにも、尿の排泄機能を健やかに保ち、水はけのいい体をつくっていくことが大切です。
薬膳のもとになっている中医学では、尿の生成に関わるのは五臓の「腎」、つまり腎臓の働きが大切であるとされています。それに加え、体内の代謝をつかさどる「脾」「胃」の働きを健康に保つことも重要。そのポイントは、水分と食事のとり方にあります。
暑い夏にしっかり行いたい水分補給は、利尿作用のあるお茶がおすすめ。ただし、にが味のある緑茶は、体を乾燥させる性質があるので、水分代謝を高めるはと麦茶や、とうもろこしのヒゲのお茶、黒豆茶、小豆茶などで行うとよいでしょう。お腹が冷えて下痢をしやすい方は、冷蔵庫で冷やさずに常温でとることをおすすめします。
熱を冷まし排尿を助けるズッキーニ
食材の中でおすすめなのは、今が旬のズッキーニです。ズッキーニは、ウリ類の野菜で、かぼちゃの仲間。薬膳では、熱を冷まし、潤いを与える野菜とされ、夏ののどの渇きや、空咳、イライラなどに有効です。さらに、体内の滞りを解消し、排尿を促す作用も。尿の生成に関わる「腎」に作用する性質があるので、尿が濃くなりやすいこの時期のトラブル予防に最適です。
水分代謝を高めたいなら、気の巡りを促すたまねぎと組み合わせるのがおすすめ。ピーマンや唐辛子など、温め作用のある野菜と合わせれば、おなかの冷えをケアでき、消化機能を健康に保つ助けになるでしょう。
栄養的にみると、ズッキーニは体液のミネラルバランスをとるカリウムが豊富。カリウムは水分をためこむ原因となるナトリウムの排泄を促すので、むくみの予防にはもってこいといえます。ただし、カリウムは熱に弱いミネラルなので、その栄養効果を余すところなくとり入れるには生のまま食べるのがおすすめ。加熱調理が多いズッキーニですが、スライスしてサラダに加えるなどすれば、カリウムをしっかり補給できます。
まだまだ暑さが納まりそうにない8月ですが、おいしい夏野菜は夏の体調ケアの強い味方。たっぷり食べて、暑さによる不調を予防してください。
続いては、ズッキーニを使ったレシピをご紹介します。