実践している人は、まだ少なめ？

グルテンフリーライフ協会代表理事のフォーブス弥生さんの挨拶からイベントはスタート。フォーブス弥生さんは、家族のグルテン過敏症をきっかけにグルテンフリーに注目するようになり、自らも実践するようになったのだといいます。

フォーブス弥生さんの「普段の生活でグルテンフリーを実践している人は？」という問いかけに、約20名の参加者のうち1/3ほどの人から「実践している」という答えが。

実践している人たちから、体験談を聞くこともできました。
５年ほどグルテンフリーを実践しているという女性は「日常的に頭痛やめまいがあったのに、グルテンフリーを始めて１年くらいしたら、改善してきました。３年くらい経ったら、乾燥しがちな肌が少し改善された気がしています。長く続けることが大事なんじゃないかと思っています」と話してくれました。

３年ほどグルテンフリーを実践しているという男性からは「お酒を飲みすぎても二日酔いしづらくなりました。それと、痔が悪くなりかけていたのですがピタッと治ったんです。それもグルテンフリーのおかげかなと思っています」という話もありました。

グルテンフリーや欧米の事情について勉強

続いて、フォーブス弥生さんによる「グルテンフリー」の基礎知識や欧米の状況についてのセミナーへ。
「グルテンフリー」は、その言葉のとおり「グルテン（小麦などに含まれるたんぱく質グルテン）フリー（なし）」という意味。グルテンをとらないことで体質の改善を目指すものです。
レクチャーは、グルテンフリーはもともとセリアック病（グルテンの免疫疾患）の改善策で、そこから、体調や肌状態の改善が期待できる食事療法として広がっていったというところから始まりました。

「セリアック病」や「グルテン過敏症(グルテン不耐症)」は小麦類に含まれるグルテンの分解ができず、それを体が異物と認識することで腸が正常に機能しなくなり、栄養障害などさまざまな体の不調に。

驚いたのは、グルテンによる症状に気づいている人は氷山の一角で、無症状だったり、無自覚だったりする人も多いという話。自分の体の不調がグルテンによって引き起こされていることに気づいていない人も多いのだとか。

グルテンを消化、分解、吸収する胃腸の機能が不十分な人が、グルテンフリーの食生活にすると、「集中力のアップや肌質の改善」「偏頭痛や下痢」「便秘、喘息など体調不良の改善」「ダイエット」「PMS（月経前症候群）や月経痛の改善」といった効果が期待できるのだそうです。（個人差はあります）

グルテンフリーは、欧米では「健康にいい」ということで広がりつつあるそうで、グルテンフリーのメニューのあるレストランやグルテンフリーの冷凍即席パスタ、駅弁なども。食品売り場に、グルテンフリーのアイスクリームやパスタ、ケーキミックス、しょうゆなどの調味料が並んでいる様子も紹介されました。

日本でも、2018年９月からANAの国際線の特別機内食で※バリアフリーパン（グルテンフリーも含む）米粉パンの提供が始まり話題を呼びました。グルテンフリーのメニューを取り入れているレストランなども増えているそうなので、今後の広がりに注目です。

※バリアフリーパンとは…
食品関連ベンチャーのコスモバイタル（東京都豊島区）が開発した米粉パンを、ANAの機内食向けにアレンジしたパンの名称。卵や小麦、エビ・カニなどのアレルゲンは、消費者庁が表示すべきとした特定原材料27品目すべてに対応する。そのほか、牛肉や鶏肉、大豆など宗教上の理由で規制がある原料も一切使っていない。乳児に与えるうえでリスクがあるはちみつや、血糖値の上がりやすい上白糖、アスリートにとってドーピングの誘因となる漢方類なども含まれていない。

後半はランチビュッフェの様子をレポートいたします。
カルローズ米をメインにしたグルテンフリー対応の特別メニューをお楽しみに！