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CATEGORY : ヘルスケア |風邪予防

この冬のインフルエンザ対策、何が正解? 医師が教える「まず取り入れるべき」ケアとは

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洗面台

毎年、この時季になると、風邪はもちろんのこと、インフルエンザなどの感染症が猛威を振るっているので、最大レベルの注意が必要です。こんな肝心なときに体調を崩さないためには、日頃からのケアを怠らないことが、まずは大切。でも、当たり前のことを意外と知らなかったり、習慣になっていない人も多いのでは?
今回は、よこはま土田メディカルクリニック院長の土田隆先生に基本的なインフルエンザ対策法についてお話をしていただきます。

監修 : 土田 隆

よこはま土田メディカルクリニック院長、日本医師会認定産業医、日本体育協会公認スポーツドクター。
東邦大学医学部卒業後、東邦大学医療センター大森病院脳神経外科学教室入局。
2011年によこはま土田メディカルクリニックを開設。
脳神経外科医時代に、激務の結果生活リズムが崩れ、88㎏まで体重が増加。
その後、無理なダイエットを行なった結果、体調を崩し、予防医療の必要性を実感する。肥満専門医として診察した患者は、2万5千人以上。
さまざまなダイエットを自ら試した末に、高野豆腐の効果に注目、肥満治療にも取り入れている。クリニックで診察を続ける傍ら、著作の上梓やテレビなどのメディア出演もこなすなど活躍中。

Contents 目次

毎日の生活習慣をいかに怠らないかが重要

手を洗っている写真

インフルエンザが流行するこの季節。万全の態勢を取ろうとせっかくワクチンを打ったのに、症状は軽いとはいえ、かかってしまう人もいるそうですね。日常のなかで、どのような対策を取るのが一番効果的なのでしょう?
「インフルエンザウイルスはこの時季、どこに行っても存在します。かからないためには、自分の体内にウイルスを持ち込まないように注意をはらって、予防することが基本です」と土田先生。
風邪予防といったら、子どものころから「手洗い、うがい」が定番です。実際のところ、インフルエンザ予防には効果があるのでしょうか。
「インフルエンザは、かかっている人のせきやくしゃみ、つばなどの飛沫を吸い込む飛沫感染することがもっとも多いです。また、場合によってはドアノブやつり革などにウイルスが付着していて、あとから触れた人の手について、目や鼻、口などから侵入する接触感染もあります。ウイルスの増殖はスピードが早いので、外から帰ったらまずは手を洗って、すぐにうがいをしてください」(土田先生)

手を洗っている

手洗いの大事なポイントは、石鹸を泡立ててウイルスをしっかり浮かせて、きれいに洗い流すこと。泡タイプの石鹸はすみずみまで泡を行き渡らせるように洗いましょう。
「手洗いでは、インフルエンザだけでなくほかのウイルスもきれいに洗い流さなくてはいけません。ほかの感染症にかかった人は抵抗力が弱まって、インフルエンザにもかかりやすく、ダブル感染でとてもつらい目に遭いますよ」(土田先生)
手洗いのあと、アルコール剤の消毒液で仕上げるのもグッド。ただし、手洗いだけでも同様ですが、手が乾燥するので保湿ケアを忘れずに。乾燥したままだと、皮膚のバリア機能を損なってしまいます。
一方のうがいは、のどの内側の表面についたウイルスをできるだけ取り除けるようにゴロゴロとのどを動かして。
「うがい薬を使わずに水だけでも効果は十分です。家に帰ったときだけでなく、外出先でもこまめなうがいをおすすめします」。

マスクって重要? それとも効果なし?
医師がすすめるマスクの効果的な利用法

マスク

インフルエンザや風邪の流行シーズンは、マスクをつけている人がかなり増えます。世間では、予防手段の代表格と思われているマスクですが、実際のところは…?
「ウイルスの飛沫感染を予防する一番の手立ては、マスクをすることです。いまはさまざまな機能を備えたマスクがたくさん発売されていますが、インフルエンザウイルスの予防という点では、ガーゼではなく不織布のマスクを選びましょう」
予防に欠かせないマスクですが、ときどき口や鼻が丸見えのつけ方をしている人を見かけます。
「息苦しくてはずしてしまったのでしょう。一番もったいない使い方ですね。とくにインフルエンザ対策のマスク選びで大切なのは、機能よりつけ心地なのです。顔の構造はそれぞれ違うので、少量パックを買って感触を試しながら、自分の顔に合うマスクを探してみてください」(土田先生)
そこで、マスクを選ぶ際のチェック項目を教えてもらいました。

マスク

◯自分の鼻と口がきちんと覆われるサイズを選ぶ
◯息を吸うとき、苦しくならない
◯湿気がこもり過ぎない
◯乾燥し過ぎない快適なこと
◯コンスタントに長くつけていられる

これらのチェック項目をクリアしたマスクが見つかったら、それが今後の愛用品です!もちろん色付き、柄付き、香り付きなど気分をアップしてくれるものはお好みでどうぞ。
装着するときにはマスクの上から鼻のわきを抑え、密着させるようにします。あとは、使ったマスクにはウイルスが付着しているかもしれないので、すぐに処分すること。
「もうひとつ大事なのは、インフルエンザや風邪にかかっている人も周りにウイルスを振りまかないよう、マスクをするのがマナーです。予防と同じようにつけ心地のよいマスクを見つけてしっかりブロックしてください」(土田先生)

食べ物や飲み物でも予防ケアが可能
毎日手軽に続けるのに、何がおすすめ?

ヨーグルト

ところで、寒くなっていろいろな感染症に気をつけるべきシーズンに、食生活で心がけるべきことはあるでしょうか。
「ウイルスなどの異物を体内から除去するために働く抗体は、たんぱく質からできています。インフルエンザを始めウイルスの感染が気になる季節は、いつも以上に肉や魚、卵などで良質のたんぱく質をしっかりとるようにしてください」(土田先生)。

近年は身近な食べものや飲みものにインフルエンザの予防効果があると話題になっています。中でもヨーグルトや乳酸飲料に入っている乳酸菌が効果的とか。
「抗体の中でも免疫グロブリンAという名前のIgA抗体は、体内にウイルスや細菌が侵入したときに働く重要な役目を担っています。とくに口の中に分泌量が多く、インフルエンザウイルスが侵入すると、吸着して毒素を中和して体を守ってくれるのです。IgA抗体は腸で作られるので、インフルエンザ予防には乳酸菌入りのヨーグルトや乳酸飲料をとって、腸の健康を心がけるとよいですね」(土田先生)

紅茶

緑茶と紅茶もインフルエンザ予防に良いと話題が高まっています。
「緑茶に含まれるカテキンは、抗菌・殺菌作用や抗ウイルス作用があることが知られています。緑茶をよく飲むのもいいですが、私はお茶でのうがいをおすすめしています。また、紅茶はポリフェノールを豊富に含んでいて、最近ではインフルエンザ予防に効果があるといわれています」(土田先生)

今回紹介したのは、ふだんの暮らしで手軽にできる予防法ばかり。ただ、ちょっと手を抜いてしまうと意味がなくなったり、効果が薄れてしまいます。きちんとポイントを抑えて日常の習慣にして、寒い季節も元気に過ごしましょう!

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