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実は病気の早期発見にも。良い「おりもの」と悪い「おりもの」の違いって?

下着は汚れるし、ニオイも気になって、つい不快な気分になってしまう「おりもの」。こんなものなければいいのに~と思ってしまいがちですが、しかし悪いことばかりではありません! 「おりもの」には私たちの体にとって大切な役割があるのです。そこで、人に聞きにくいおりものについて、パークサイド広尾レディスクリニック・風本真希先生にお話を伺ってきました。


そもそも「おりもの」にはどんな役割があるの?

「おりもの」とは、子宮と膣をつなぐ子宮頸管から分泌された粘液や、膣からはがれた古い細胞などが混ざり合ったもので、2つの大きな役割があります。

  1. 膣のうるおいを保ち、自浄作用を助けてくれる
    雑菌の多い肛門の近くにある女性器。それだけに病原菌や雑菌が入りやすい環境です。しかし、「おりもの」が膣内の粘膜を潤して、細菌が入ってくるのを防ぎ、さらに、それらの菌を一緒に排出してくれます。
  2. 受精をサポート
    排卵日近くになると精子が通りやすくなるように、子宮頸管から分泌液が増えます。この粘り気のある分泌液は精子が子宮の中に入っていくのを手助けしてくれるのです。

「おりもの」には個人差がありますが、基本的には生理周期によって変化しています。この生理周期と「おりもの」の関係は、自分の体を知るうえで知っておくべき大切なこと。ここで一度しっかり確認しておきましょう。

  • 生理後2~3日
    この時期、「おりもの」はあまり出ません。
  • 卵胞期(生理開始日から5~12日前後)
    卵子を作るために必要な卵胞が卵巣内で成熟する時期です。女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)が徐々に増えていき、それにしたがって量は少ないものの、サラサラした粘り気のない白っぽい「おりもの」が出てきます。
  • 排卵期(生理開始日から12~17日前後)
    卵胞から卵子が放出される排卵期。妊娠しやすいこの時期に女性ホルモンがピークになり、精子を受け入れるために「おりもの」の量が増えていきます。形状は白っぽい色から透明のゼリー状の「おりもの」になります。
  • 黄体期(生理開始日から17~28日前後)
    卵胞が黄体に変化し、受精卵が着床しやすい黄体期。排卵後~生理がはじまるまでの期間です。この時期は、妊娠を維持させるホルモンのプロゲステロンが増えてきて、量が一度少なくなり白っぽいさらりとした「おりもの」になりますが、生理直前になると再び量が増え、ニオイが強くなることがあります。

問題のある「おりもの」とは?

これらの生理周期の変化をもとに、いつもと色や量、ニオイなどに違いが見られた場合は、体に異常があるサインかもしれません。特に気になるサインを詳しく紹介しましょう。

ニオイ編

「おりもの」には通常、ニオイはありません。たとえば長時間おりものシートをつけていると、ツーンとした酸っぱいニオイがする場合がありますが、これは膣内にある「デーデルライン桿菌(かんきん)」と呼ばれる乳酸菌の一種によるものです。このデーデルライン桿菌は常在菌で、膣内を酸性に保ち、雑菌が繁殖するのを抑える役割があります。そのため、酸味がかったニオイがすることがありますが、これは正常の範囲。

危険なニオイとは、魚のような生臭いニオイや、いつもと明らかに違うと感じるニオイ。このような自覚症状がある場合は、細菌感染の可能性が大。トイレに行って下着をおろしたときにニオイを強く感じたら、婦人科に行くことをオススメします。

対策は?

毎日、デリケートゾーンをたっぷりの石けん泡で手で優しく洗い、清潔に保つことも大切です。また、おりものシートや、締めつけすぎる下着を長時間つけていると、湿度が高い状態が続き、細菌が繁殖しやすくなってしまうので注意が必要です。通気性の良い綿100%や絹100%などの下着を選ぶようにしましょう。

おりものシートは「おりもの」が多く気になる時のみ使うようにして、トイレに行くたびに替えるようにしましょう。また、香り付きのおりものシートは、自分の「おりもの」のニオイの変化に気づきにくくなってしまいます。そのため、できれば無臭タイプのほうがオススメです。

色編

白っぽいものや、透明の卵白のようなタイプの「おりもの」は正常です。万が一、茶色や、黄緑色や灰色といった色の「おりもの」が出た場合は、細菌感染の疑いがあります。また、黄色や黄緑色した膿状の「おりもの」が出た場合、性感染症で多いクラミジアや淋菌の可能性もあります。これらが出たら、婦人科へ行きましょう。
それから気をつけたいのが、出血が疑われる赤色っぽい「おりもの」です。子宮頸がんや子宮体がんの可能性もありますので、早めにクリニックで検査したほうが賢明です。

量編

「おりもの」の量は個人差が大きいので、あまり問題ではありません。「おりもの」は女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響によって増減してくるので、女性ホルモンが最も多くなる20代から30代前半にかけて最も量が多くなります。その後、30代後半になってくると徐々に「おりもの」の量が減ってくるのが一般的です。ただし、急に量が増えたなど、明らかにいつもと違う量があるときは、婦人科を受診しましょう。

病気や体からのサインを早めに知るためには、「おりもの」がいつもと違うということに気づくことが大切です。そのためにも、日ごろから自分の生理周期を把握しつつ、「おりもの」をチェックしておくことが重要です。

取材・文/奥沢ナツ 写真/©saratm-fotolia.com

風本 真希

風本 真希

医療法人 社団宗友会 パークサイド広尾レディスクリニック 産婦人科医
文系大学を卒業後、某予備校の英語講師に。しかし、28歳のとき、親類に障害を持つ子が生まれたことをきっかけに医学に興味を持ち、産婦人科医になることを決意。近畿大学医学部卒業後は、大阪市立大学医学部付属病院、東京都立広尾病院、愛知県のロイヤルベルクリニック不妊センターに勤務。あらゆる女性のかかりつけ医を実践すべく、幅広い年齢層の女性への診療を手掛けている。

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