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1日に2切れのカマンベールチーズが認知症の予防に?! 知らざれるカマンベールチーズの効用を紹介 #Omezaトーク

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1日に2切れのカマンベールチーズが認知症の予防に?! 知らざれるカマンベールチーズの効用を紹介 #Omezaトーク

認知症予防、と聞いても「まだまだ」と思うFYTTE世代は多いのではないでしょうか。私も、どちらかというと両親に対する問題として、明治主催のメディアセミナー「人生100年時代に考える認知症予防について~カマンベールチーズの新たな可能性~」を聞きに行きました。ところがそこで知ったのは「認知症は昨日今日に発症するものではなく、その萌芽は30~40年前にすでにある」という事実! 認知症が他人事から自分事に変わっていくのを感じた瞬間でした。初めてヒトを対象とした試験によって、軽度認知障害の人の認知症予防に有効であることが実証されたカマンベールチーズの効果と、そのおいしい食べ方についてお伝えします。

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

認知症は30~40年かけて発症していく

認知症とカマンベールチーズの関係について詳しく教えてくれたのは、桜美林大学大学院教授 同老年学総合研究所・所長の鈴木隆雄先生と、東京都健康長寿医療センター研究所・研究部長の金憲経(キム・ホンギョン)先生です。

さまざまな病気によって脳の働きが低下する病気の総称である認知症。なかでも、高齢者の認知症の約7割を占めるのがアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症は、脳内にたんぱく質の老廃物(アミロイドβなど)がたまることで発症します。このアミロイドβ、じつは発症の30~40年前からたまり始めるそう。 これが先ほどお伝えしたように、認知症が昨日今日で発症するものではないと言われるゆえんです。

「アミロイドβ」がある程度たまるとMCI(軽度認知障害)という段階に移行します。
MCI(軽度認知障害)は、認知症ではありません。しかるべき予防対策によって認知機能を改善できることも多いそうです。予防対策には、1日30分程度の有酸素運動や青魚、乳製品、大豆製品を多くとるといった食生活の改善が挙げられます。

脳の栄養分を増やしてくれるカマンベールチーズの効用

さて、脳内には、“脳の栄養分”と呼ばれる「BDNF」というたんぱく質が存在し、記憶の中枢を司る脳の海馬には特に多く発現します。血液中にも存在していて、BDNFの濃度が高いと記憶力や学習能力などの認知機能評価のスコアが高いそう。ところが65歳以上になると加齢に伴いBDNF血中濃度が下がり、また、認知症やうつ病でもこの濃度は大幅に低下してしまいます。だから、脳内のBDNFを増やす、あるいは減らさないことが、認知症予防における大きな課題と言えるのです。

ここで、「カマンベールチーズ」の登場です。
なぜ認知症予防にチーズ、しかもカマンベールチーズなのでしょうか。
じつは近年、マウスに対する実験においては、カマンベールチーズが脳のアミロイドβを減らし、BDNFの血中濃度を下げるという研究結果が得られたそうです。この点からカマンベールチーズが認知症の予防に効果があるのではないかと考えがあったものの、ヒトにおける効果は検証されていませんでした。

鈴木先生と金先生は、この効用がヒトに対してもあるのかどうかを調べるために、MCI(軽度認知障害)の段階にある高齢女性71人に協力してもらいました。彼女たちをランダムに2グループに分け、1つのグループの人たちにはカマンベールチーズを、もう1つのグループの人たちにはプロセスチーズを1日2切れずつ食べてもらいます。これを3か月続け、BDNFの血中濃度を測定。その後3か月の間を置き、チーズの種類を交代して同じことを実施しました。すると、カマンベールチーズを食べた人たちのほうが、BDNF濃度が上昇したという結果が出たのです。

今回の研究でわかったことは「1日2切れのカマンベールチーズを食べると、MCI(軽度認知障害)の段階にある高齢者のBDNFの血中濃度が高くなる」ということであり、認知機能を評価する点数が上がったという結果までは得られていません。BDNFの反応はすぐに現れるけれども、得点的な部分はもう少し長い目で経過を見ていく必要があるということなのではないかと両先生は言っていました。
また今回、直接導き出されたことではありませんが、高齢になって突然カマンベールチーズを食べ出すのではなく、認知機能が衰える前から習慣的にカマンベールチーズを食べることが、認知機能の改善に役立つ可能性もあるようです。

どうやって食べる? カマンベールチーズ! 苦手な人も食べられる方法

カマンベールチーズが、認知機能の改善にひと役買ってくれるらしい。そこまでは、わかりました。では毎日2切れずつ…。私のようにカマンベールチーズ大好き人間なら躍り上がって喜ぶところですが、クセのある匂いが苦手な人もいるのではないでしょうか。

チーズプロフェッショナル・料理研究家の小野孝予さんが教えてくれたのは、チーズにドライフルーツ、ナッツ、はちみつを合わせた食べ方(写真右下)。上に乗っているのはローズマリーです。ローズマリーのスパイシーな香りがアクセントになっていて、とてもおいしく食べられました。

写真左上はカマンベールチーズにカレー粉というくみ合わせ。断面にたっぷりつけて食べると、カレー粉のスパイスで体が温まる効果も。
「言いづらいのですが、じつは私はチーズが苦手で…。でもこれはおいしい! カマンベールチーズはこんなにおいしかったのかと思いました」と金先生が絶賛し、会場は笑いに包まれました。みそ汁にカマンベールチーズをちぎって入れてもおいしいようです。

「私はやっぱりカマンベールチーズとワインの相性がいいと思います」と鈴木先生。「何でも過度に食べるというのはよくないです。よいものをまんべんなく、バランスよく摂取してください」

たしかに、いくらカマンベールチーズが好きといっても、食べ過ぎてしまっては元も子もありませんよね。私の場合は「1日2切れはお楽しみとして食べてもいいんだ!」という気持ちで継続的に食べながら、全体としてはバランスのよい食生活を目指していきたいと思います。(編集 まりりん)

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