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草原で息抜きする女性

毎日生きるのがつらいと感じるなら、少し力を抜いて、“いい加減”に生きてみることも大切。「必死に努力しても結果が出ないこともあれば、偶然が重なって幸運にあずかることもあります。だから、いい意味で肩の力を抜いて、期待し過ぎない、頑張り過ぎないことが大事なのです」と話すのは精神科医で『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』の著者、藤野智哉先生。今回は毎日の生活で実践したい、“いい加減”に生きる心がけを教えてもらいました。

監修
藤野 智哉

“いい加減”ってどういうこと?

天秤と女性

“いい加減”というのは、不真面目という意味ではなく、ほどほど、ちょうどいいというとらえ方。具体的には背伸びしない、完璧を目指さない、多くをほしがらない、考え過ぎない、つらかったら逃げるということ。

「世知辛い世の中、“いい加減”に生きるくらいがちょうどいいと思うんです。世の中は“頑張れ!頑張れ!”の大合唱。みんなもう十分に頑張っているし、頑張り過ぎなくていいのにと思います」(藤野先生)

“いい加減”に楽しそうに生きている人は、仕事や家事、人づき合いなど、はっきりとルール化して線引きしています。

「仕事や家事でも、頑張り過ぎていつの間にか、限界を超えてしまったということがよくあります。自分の“いい加減”の加減を見極めるには、たとえば残業なら月何時間まで、飲み会なら何回まで、というふうにあらかじめラインを引いておくことが大切。“これ以上はしない”と明確に決めることで自分を守ることができます」

“いい加減”に生きる5つの心がけ

仕事道具を手放して自然の中でくつろぐ女性

今回は著書で紹介されている中から、5つの心がけをご紹介します。日常の中でできるところから実践してみましょう。少しずつ自分を縛りつけている思考のクセを手放していけるはず!

●加点方式で生きる
自分が頑張っているという事実を認め、マイナスしないでください。人生をプラスにとらえて、いいことをカウントしていきましょう。減点法ではなく加点法で、嫌なことがあったらすぐに忘れて、いいことがあったら、どんどん記憶に留めておけばいいのです。時間通りに起きられた、目玉焼きが上手に焼けたなど、何でもOK! あなたの毎日のたった一瞬をほめてあげてください。

●「~はダメ」「~すべき」という思考を解放する
世の中には「~はダメ」「~すべき」という制限がたくさんあって、それがあなたを縛っていることも。でもそこには自分より他人の価値観や常識が入っていることが多いといえます。「~はダメ」「~すべき」といわれたら、本当にそうなのか一度立ち止まって考えてみましょう。あなたの人生の審査員はあなたしかいません。

●デジタルデトックス

ケイタイで目元を防ぐ女性

ネットには出所や真偽不明な情報があふれています。荒唐無稽な「陰謀論」などを信じてしまう確証バイアスでも有名ですが、SNSなどで自分に都合のいい記事やツイートばかりを目にすることで、自分の理論を補強していくことがあります。物事のとらえ方が偏った状態にならないためにも、SNSと少し距離を置いて、自分がふだん手にとらない、あるいは見聞きしないメディアに目と耳を傾けるようにするのがオススメ。SNSと距離をとるのが難しいという人は、使う時間を決めるのも一案です。

●つらかったらすぐ逃げる!
つらい環境に置かれたときに、「もっとつらい環境はある」「自身はそんなにつらくない」というように合理化していませんか? そもそもこの世の中には、他人に対して、理不尽を強いる人があまりに多いことが気になります。つらかったら、やめる。それだけで人生はもっと楽になるはず。「逃げる」という選択肢をもつだけで、八方ふさがりの状況から抜け出すきっかけになることがあります。

●ほどほどにぐうたらする
同じ時間に食事を出す、毎日お風呂に入るなど、世の中には誰かが決めたルールがたくさんあります。こういったノルマがあなたを苦しめていませんか? 何かのプレッシャーがあなたを縛っているなら、ほかのことに熱中するのがいいと思います。人は嫌なことを忘れようとすればするほどそこに意識が向き考えてしまいます。「忘れよう」と思うのではなく、何か楽しいことや好きなことをしているうちに、嫌なことを自然に忘れてしまうのがベスト。それも人間らしい生き方だと思いませんか。

「いい加減」に生きる心がけは、ストレスフリーに生きるコツでもあります。心が疲れているときやマイナス思考に陥ったときにもあなたを助けてくれるでしょう。

次回は、自分を大切にする「セルフ・ラブ」の習慣についてお伝えします。

文/庄司真紀

参考書籍

書影
『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)

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藤野 智哉

藤野 智哉

愛知県名古屋市にて出生。秋田大学医学部卒業後、愛知県内の総合病院にて臨床研修。その後、愛知医大病院精神神経科に入局し多くの関連病院で勤務。産業医の資格も持ち、現在は大学病院勤務の傍ら、刑務所の非常勤医師、看護学校の非常勤講師なども務める。自身も心臓に障害を抱え、現在も治療を続けていることから、障害とともに生きることで学んできた考え方や精神科医としての知見を広めている。精神医療へのハードルを下げ身近に感じてもらえるよう、多数のテレビ出演やTwitterでの発信、執筆活動も行い、世の中を脱力させようとしている。著書に『あきらめるとうまくいく』(ワニブックス)『コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める』(同)『「いい加減」の処方せん』(同)がある。

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