美容に関するテクニックから、ときには人生について、全方向に経験豊かなアラフィフがズバズバ斬りつつも、親身にじっくりお答えする美容研究家・岡江美希さんの「お悩み相談室」。今回は、エイジング肌も視野に入れたシミ対策のお話です。
Contents 目次
40代前後で急に増えた。岡江さんのシミ対策を教えてください!
今回のお悩みは「もともとそばかすが多い肌でしたが、40代になってシミも出てきました。肌を明るく、透明感を出したい!」という内容。
エイジング肌になると、若いころにはなかったシミがジワっと増えだしますよね。それ、すごくわかります! さらに人と会う機会がめっきり減ったこのご時世、油断してスキンケアを怠ってしまい、気づいたら…なんてケースも少なくなさそうです。
そこでぜひお伝えしたい、私流のシミ対策。
それは「保湿」「界面活性剤不使用」「ケミカルフリーコスメの愛用」という3本柱です。
え? スペシャル成分が入った美白美容液とか、美容皮膚科じゃないの~!? なんて思ったでしょうか(笑)? 愛用の美白アイテムがある人はそれもOKですが、これからシミ対策に取り組みたいという人は、まずはじめに「シミができるメカニズム」を考えていただきたいのです。
シミとは、体を守るために肌が作りだす防御反応です。紫外線をあびすぎるとシミになるのは、肌の奥にある細胞まで紫外線の影響が及ばないよう、黒い色素である「メラニン」を作り出すから。肌の新陳代謝機能であるターンオーバー(肌の代謝)が正常に働いているときは、メラニンができても時間の経過とともに古い細胞に押し出され、老廃物として剥がれ落ちていきます。子どもたちってどんなに日焼けしてもシミはできませんよね? それは、ターンオーバーが正常だからなのです。
ところが40代、50代になっていくと…ターンオーバーのサイクルが乱れてくるのでメラニンが肌の表面に蓄積されてしまい、それが結果、シミとなって定着します。そんな状況に加え、界面活性剤や添加物がたっぷりなコスメを使っているとどうなるでしょう。界面活性剤は肌のバリア機能を弱くさせることもあります。そこに添加物たっぷりなコスメを使っていたら…肌に異物が入りやすくなるのです。それに反応して肌を守ろうと、ますますシミが増えていくのだと、私は考えています。
そこで「無添加だから」と、オーガニック系のコスメに手を出すのもおすすめしません。オーガニックコスメは植物エキスを抽出するためのエタノール(アルコール)が配合されているものが多い傾向があるからです。私たちは、ただでさえ肌の薄いアジア人。エタノール(アルコール)が肌への刺激となり、シミができやすくなるんですよね。
そういったポイントを頭に入れ、「肌を白くする成分」を意識する前に、界面活性剤不使用やケミカルフリーといったアイテムを選んでみてください。
もうひとつ、絶対やってほしいのは徹底的なローションパックです。私のスキンケアトークは、いつもいつもローションパック(笑)。でも、それくらい美肌には欠かせないということ! シミを目立たなくさせるには、肌のうるおいが重要です。逆にカサカサに乾燥していると、くすみもシミも目立ちまくりますよ。しかもうるおいは「肌を白く見せる」だけでなく、ターンオーバーの正常化にもひと役買ってくれるので、シミが気になる人には必須のお手入れです。
色白美肌になりたければ、今からでも遅くありません。毎日コツコツとローションパックをしてうるおいを閉じこめ、それから保湿効果の高い下地や美容クリームを重ねましょう。地味に思えるスキンケアですけど、その積み重ねが大切ですよ。
取材・文/木下 頼子