SDGs先進国である北欧デンマークでは、さまざまなブランドがSDGsにとり組んでいます。今回は、なかでも環境問題に対してユニークなアプローチをするスニーカーブランド「ウォーデン(Woden)」をご紹介します。
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「グリーンな足跡」を残す、地球にやさしい靴の豊富なラインナップ
「ウォーデン」は都会的でクールなデザイン性と環境への配慮を両立させた、女性と子ども向け のスニーカーブランドです。北欧スタイルのシンプルなデザインが特徴で、デザインやクオリティに徹底的にこだわった、さまざまなタイプのスニーカーやショートブーツ、サンダルなどがあります。
スニーカーやショートブーツには、さまざまなカラーバリエーションがあります。雨の日にも気楽に履けるように、防水加工してあるブーツもあります。
子ども向けの靴やサンダルもあります。全体的にシックな色合いで、大人びたデザインです。
「ウォーデン」のもうひとつの大きな特徴は、環境意識が非常に高いことです。消費者が環境に配慮した良質なブランドを 選ぶ「フューチャーフレンドリー賞」にも2年連続でノミネートされています。スローガンは「グリーンな足跡」。地球にやさしい心地よさを足もとから感じられるスニーカー作りをするために、ユニークな方法で、環境対策にアプローチしています。
アイスランド産の魚の皮を素材に
「ウォーデン」では積極的に「地球を救う」とり組みをしています。
たとえば、通常であれば廃棄されてしまう魚の皮(アイスランド産のサーモン・ナマズ・タラの皮など)を、スニーカーの素材として使っています。魚の皮は繊維の絡み方が複雑で牛革の9倍の強度があるので、靴の素材としても適しているのです。
さらに、生産プロセスはカーボンニュートラルです。魚の皮の処理にはアイスランドの天然温泉の熱を利用するなど、再生可能エネルギーを利用しています。
生態系を脅かす有毒な藻類の増加を防ぐ
もう1点、地球を救うためのユニークなとり組みとして、地球の生態系を脅かす有害な藻類をスニーカーの素材に使用していることが挙げられます。
近年、地球上では藻類が異常繁殖して生態系を脅かしています。「ウォーデン」は、その藻類をスニーカーの素材として使用することで、有害な藻類の増加を防ぎ、地球を救おうとしているのです。
ほかにも、再生ポリエステルやコルクの使用など、地球への負担が小さいサスティナブルな素材を使っています。
なお、靴底のゴムには、10%以上の再生ゴムが使われています。
廃棄されてきた魚の皮、異常繁殖している有害な藻類、再生ポリエステル、再生ゴム、コルクなどを利用してモノづくりをする「ウォーデン」のとり組みは、靴のメーカーだけでなく、さまざまな業界の参考になるのではないでしょうか。
「ウォーデン」は2013年に創業し、現在ではデンマークの大型の靴屋さんやデパートの売り場でもよく見かけるブランドに成長しました。環境意識の高いブランドは今後ますます伸びるはずです。
北欧デンマーク発の地球を救うスニーカーブランド「ウォーデン」は、いかがだったでしょうか。履くと、足もとが気持ちよく、足どりも軽快になりそうです。
文/針貝有佳(はりかいゆか)
写真/WODEN ホームページ、針貝有佳(靴底、店内)