体を温めたり疲労回復の場として活躍するお風呂。毎日入るものだからこそ、「とくに何も考えずに入っている」「いつもシャワーだけで済ませている」というのはもったいない! そこで今回は、お風呂の楽しみ方について医学博士の早坂信哉先生に教えていただきました。忙しかったり疲れていたりして銭湯や温泉に行けない人も、ぜひこちらの記事で自宅お風呂を楽しむ方法をチェックしてみてください!
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お風呂で香りを楽しむ方法とは?
今回のテーマは、ずばりお風呂での楽しみ方。最初にご紹介するのは、お風呂の“香り”についてです。
「お風呂の楽しみ方のひとつに“香り”があります。じつはお風呂は、簡単に香りを楽しめる場所でもあるのです。理由としては、比較的密室でせまい空間ということ。もうひとつは、蒸気が立ち込めているのでミストサウナのように香りを楽しめることができるという点です」(早坂先生)。
早坂先生がおすすめするひとつが、生花をそのまま花瓶に入れて浴室に置くという方法。
「部屋に花を置いていてもそこまではっきり香りを感じることはありませんが、浴室ではかなりいい香りがすることに気づくはずです。浴槽に花びらを浮かべたいと思う人もいると思いますが、そのまま浮かべると見た目はキレイでも片づけるのが少し大変ですよね。その場合は、水切りネットのようなものに花びらを入れると、あと片づけもラクにできるのでいいかと思います」と、早坂先生。
それ以外の手軽な方法として、お気に入りの香水を浴室に吹きかけるのもおすすめとのこと。香りがキツイと感じたら窓を開ければすぐにもと通りになるため、比較的簡単にできるのがうれしいですよね。
また、香りと聞いて入浴剤を思い浮かべた人もいるかもしれませんが、入浴剤は一度入れてしまうとお湯を抜かない限りは香りが続いてしまいます。そこで試していただきたいのが、アロマオイル。
「アロマオイルを使う方法はとても簡単です。洗面器にお湯を張り、そこに数滴アロマオイルを垂らして洗い場などに置いておくと、お湯でアロマオイルが温められて非常にいい香りが短時間で浴室に広がっていきます。これなら次に入浴する人が苦手な香りでも、洗面器のお湯を捨てるだけで香りがリセットされます。
おすすめの香りは“ヒノキ”。森林のようなヒノキの香りは、まさに高級旅館に来たようなヒノキ風呂を味わうことができますよね。じつはこのような木の香りはテルペンという成分で、免疫力を高め、とくにNK細胞が活性化するという研究もあるんですよ」(早坂先生)。
香りはその日の気分によって変えることができるのがメリット。きっといつものお風呂が特別なリラックス空間に早変わりするはずです!
“音”をプラスしてリラックス効果を高める!
続いてご紹介するのは、お風呂で聞く“音”について。みなさんはお風呂で何か音楽を聴くことがあるでしょうか? 早坂先生によると、お風呂で音楽やラジオなどの“音”を聞くと非常に反響がよく音が響くため、いい音楽を聴いたり、あるいは川のせせらぎや小鳥のさえずりなどの自然の音を聞いたりすることで副交感神経が刺激されてリラックスできるのだとか。
お風呂で歌を歌うといつもよりじょうずに聞こえるという経験のある人も多いのではないでしょうか? じつはこれも、お風呂の反響の効果なのです! もちろんお風呂そのものにも体や心の緊張をほぐす効果がありますが、そこに音をプラスすることでさらにリラックス効果が高まるということですね。
「スマホでYouTubeなどの動画を探して聞くというのも悪くないですが、操作をしなくても音楽を流し続けられるものとして、昔ながらのアナログなラジオを使用してみるのもいいかと思います。最近はスマホアプリのラジコでもラジオ放送が簡単に聞けます。ラジオはふだん自分では聞かないような番組に出会うことができるのが魅力です」(早坂先生)。
ただ、最近では環境音などBGMになるような動画がYouTubeでもとても増えてきていますよね。たとえば温泉のお湯が流れる音や、銭湯の桶が響くような音と合わせて、ヒノキのアロマなどを使えば本当に温泉にいるような疑似温泉体験も味わうことができるのではないでしょうか。
お風呂の照明が睡眠にも影響する?
もうひとつ、お風呂の楽しみ方で重要な要素が、“明るさ・照明”です。白熱灯や蛍光灯など種類はさまざまですが、この色の違いによってもリラックス度が違ってくるのだとか。
夜、お風呂でリラックスをすることを前提にお話しすると、ひとつは“睡眠にとっていいか”ということが重要な要素になってきます、と早坂先生。
「サーカディアンリズムといって、人間はもともと自然に合わせた形でリズムが整っています。光に関しても同じで、日中は明るいところで活動するのがいいですが、夕方~夜にかけては体を休めるモードになるため、自然な形で言うと少し薄暗いくらいがちょうどいいということです。
あまり明るさが強いとメラトニンという物質が少なくなってしまい、いい睡眠がとれなくなってしまうため、たとえば浴室の電気を消して脱衣所からもれる光を利用してみると、意外とリラックスできるかもしれません」(早坂先生)。
そしてじつは照明の色も睡眠と関係があるのだとか…! 光には、日中の太陽のような青白いような色と、夕日のような赤みの強い色を比較したものがありますよね。青白い色を浴びているとメラトニンが少なくなり目が冴えてしまいますが、一方で赤みが強い光はメラトニンが増加し眠りに誘われるといった特徴があります。そのため、お風呂でリラックスして快眠を得たい場合には、できれば温かみのある電球色を使うことをおすすめします。
リラックスのため、快眠のため、がんばった自分を癒すため…お風呂は1日の中で自分自身と向き合えるとても大切な空間です。ぜひ、今回ご紹介したお風呂を楽しむ方法をとり入れて、いつものお風呂時間をさらに充実させてみてください!
【提供元:Voicy】
参考:お風呂の楽しみ方 香り
そのほか、今回の記事参考元、「お風呂の楽しみ方 音」、「お風呂の楽しみ方 照明」の放送を聞くには【Voicy】へ
文/FYTTE編集部