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女性の大敵「むくみ」対策には“足湯”がおすすめ! 自宅で楽しめる足湯のポイントをお風呂ドクターが伝授!

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足湯のイラスト

運動不足や座りっぱなしの作業などで脚のむくみを感じることはありませんか? 1日中がんばって働いた脚が夕方になるとパンパンにむくんでいる…なんて女性も少なくないはず。じつは、そんなむくみをスッキリ解消するには自宅でできる“足湯”が効果的なんだとか! 今回が、足湯を中心にむくみ対策に役立つ入浴法を温泉療法専門医である早坂信哉先生に教えていただきました!

監修 : 早坂 信哉

東京都市大学人間科学部学部長・教授・温泉療法専門医・博士(医学)。 自治医科大学医学部卒業、同大学大学院修了。浜松医科大学准教授、大東文化大学教授などを経て現職。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者。ユニークな研究が注目を集め、数多くの雑誌やテレビなどで特集が組まれ、メディア出演や活動も多数出演。著書に『たった1℃が体を変えるほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)、『入浴検定公式テキストお風呂の正しい入り方』(日本入浴協会)、『最高の入浴法』(大和書房)、『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と渓谷社)など。
http://hayasakashi.wixsite.com/bath

Contents 目次

長い歴史のある“足湯”の効果とは?

足湯のイラスト

早坂先生によると、脚のむくみ解消には“足湯”や“全身浴”などの入浴が効果的とのこと。息切れが出てきたり急に体重が増えてくる、また朝になっても改善しないといったむくみの場合は内科の受診をおすすめしますが、軽いむくみが出てきた(心臓や腎臓の病気がない)場合はセルフケアとして改善法がいくつかあるのだとか。まずは、温泉地や観光地でよく見かける“足湯”について詳しく解説していただきました。

「足湯はとても手軽な入浴法のひとつです。とくに女性からは、『温泉に行ってもメイクをしているので入浴するのは面倒』という話をよく聞きます。そういう場合に、足だけで温泉を楽しめる足湯がとても人気です。足湯なら家族や友だちとみんなで一緒に楽しめるというメリットもあります。
足湯は相当長い歴史がある入浴法で、紀元前7世紀ごろ、すでに古代ギリシアでは個人用のお風呂“バラネイオン”というものがあったようです。座ってお湯を腰から下にかけて足を温める浴槽で、かなり足湯に近いものがあったということですね。足から下を温めるだけならたくさんのお湯も必要なく、かなり手軽に昔から行われていた入浴法でした」(早坂先生)。

温泉と同じく長く古い歴史を持つ“足湯”ですが、平安時代の末期になると日本国内では銭湯が少しずつ出てきています。この時代お湯を沸かすのがなかなか大変な作業だったこともあり、お湯の量が少なくて済む、そして足湯に蒸し風呂がミックスされたようなスタイルが江戸時代の銭湯として続いていたと早坂先生は言います。

「足湯はただ足だけを温めると言っても、足で温まった血液が全身をかけめぐるため、20分ほど浸かっていると体全体がポカポカと温まってきます。また、一般の入浴だと40度までという話をよくしますが、足湯の場合はお湯につけている面積が非常に小さいので、43度くらいの少し熱めのお湯でも安全に楽しむことができます。
むくみ解消という点でも足湯は効果的です。足湯は血流の改善作用がありますので、血管を広げる作用の強い炭酸系入浴剤を入れるのもおすすめです。ほかにもナトリウム、マグネシウムや温泉の素などの入浴剤にも保温効果や血流の改善作用があるので、ぜひ入浴剤と一緒に足湯を楽しんでみてください」(早坂先生)。

また、足湯に浸かるとほっとする感覚になったことはありませんか? 早坂先生によると、足湯についてはとくに看護分野から睡眠の質の改善や自律神経の調整作用(この場合はリラックス効果)など、いろいろな研究がされているとのこと。足を温めることによって足の血管が広がり、うまく体温を逃がすことでよい睡眠につながっていくというように、むくみ解消だけでなく睡眠の観点からも足湯への効果が期待できるということですね!

足湯をしている女性のイラスト

では、自宅で足湯をしたいときに気をつけるポイントはあるのでしょうか?

自宅で足湯を行う際は、全身浴よりも高い温度の42~43度くらいのお湯に10~20分ほどつかってみましょう。小さなバケツや桶だとどうしてもお湯の温度が下がっていくので、熱いお湯を注ぎ温度を調整しながら楽しんでみてください。バケツを使うのも面倒という人は、バスタブにお湯を10cmくらい張って足湯を楽しむ方法もあります。また、最近では保温機能のある足湯器のような便利グッズもあるので、こういったものを活用するのもいいかもしれません」(早坂先生)。

じつは利尿作用もある!? 全身浴もむくみ解消におすすめ

全身浴をする女性のイラスト

手軽に短時間に行なえる足湯はもちろん、“全身浴”もむくみ解消に効果的です。

「全身浴によって水圧が脚にかかり圧迫されることで、たまったリンパ液や静脈血が心臓のほうに戻りむくみが改善していきます。合わせて、心臓から遠い位置から近い位置にかけてさするようにマッサージをしてあげると、より血流がよくなるでしょう。
また、お風呂やプールに入るとトイレに行きたくなる感覚のある人もいるかもしれませんが、じつは体としては正しい反応なのです。じつはお風呂に入るだけで利尿作用があり、先ほどお話したように水圧がかかると心臓にたくさんの血液が戻り、心臓が体の水分量が多いと勘違いすることで利尿ホルモンが出て、それによってトイレに行きたくなります。通常、利尿ホルモンが出るとむくみも解消するので、そういう点からもむくみ改善に全身浴は効果的だと考えています。ちなみに、全身浴をする場合には、40度で10分ほどが目安です」(早坂先生)。

よく、寒さが厳しくなる冬にむくみが気になったり、冷え性の人はむくみやすいなんて話を聞くこともありますが、冷え解消のために毎日湯船にしっかりつかるようにしている人もいるのではないでしょうか。保温効果目的で入っていたお風呂も、じつは自然とむくみも解消につながっていたということですね!

早坂先生によると入浴以外の方法として、しめつけの強い「弾性ストッキング」をはいてむくみを予防したり、ふくらはぎの運動をしてあげたりすることも大切とのこと。
たとえば、かかとを上げたり下げたりする動きを10~20回くり返すと、ポンプのような機能をしているふくらはぎの筋肉が収縮したり伸びたりします。筋力と筋量が増加するので血流が改善するのだとか!

今回は、むくみ対策として足湯と全身浴の2つの入浴法をご紹介しましたがいかがだったでしょうか? 足湯と言っても足だけでなくしっかり全身を温めることもでき、加えてむくみ解消やリラックス効果などのメリットがたくさんあるので、全身浴をする時間がなかったり、湯船に浸からず簡単に済ませたいという人は、ぜひお試ししてみてくださいね!

参考:【提供元:Voicy】むくみのときの対処法

そのほか、今回の記事参考元、「足湯のこと」の放送を聞くには【Voicy】へ

文/FYTTE編集部

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