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温泉が恋しい季節、海岸近くの温泉を選ぶべき理由とは? お風呂ドクターが解説します!

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お風呂に使っている女性のイラスト

季節はすっかり冬。寒くなると温泉が恋しくなりませんか? 今回は、医学博士の早坂信哉先生に温泉を選ぶときに重要となるポイントや、関東周辺のおすすめの温泉について教えていただきます。年始でゆっくり体を休めたい人、たまった疲労やストレスを温泉で解消したい人は、ぜひ早坂先生のアドバイスを温泉選びの参考にしてくださいね!

監修 : 早坂 信哉

東京都市大学人間科学部学部長・教授・温泉療法専門医・博士(医学)。 自治医科大学医学部卒業、同大学大学院修了。浜松医科大学准教授、大東文化大学教授などを経て現職。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者。ユニークな研究が注目を集め、数多くの雑誌やテレビなどで特集が組まれ、メディア出演や活動も多数出演。著書に『たった1℃が体を変えるほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)、『入浴検定公式テキストお風呂の正しい入り方』(日本入浴協会)、『最高の入浴法』(大和書房)、『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と渓谷社)など。
http://hayasakashi.wixsite.com/bath

Contents 目次

おすすめの温泉は海辺の近く!

海辺を歩いている女性のイラスト

みなさんはふだんどんな基準で温泉を選んでいるでしょうか? じつは、温泉を選ぶ際に重要になるものが“場所”だと早坂先生は言います。

「温泉を選ぶ基準はそれぞれだと思いますが、多くの人はパンフレットやホームページで温泉宿の設備や食事などを見て決める人が多いと思います。一方で、健康面を考えると温泉宿や温泉そのものというよりは、その温泉がどこにあるのかということもすごく大事な要因です。たとえばその温泉は海辺にあるのか、それとも山奥にあるのか、そういった環境面についても温泉を選ぶポイントになってきます」(早坂先生)。

温泉はお湯の成分だけでなく周囲の環境も含めて“温泉地の効果”を考えることが重要。今回早坂先生がご紹介してくれたのは、海岸に位置する温泉についてです。

「海岸に位置する温泉をおすすめする理由として、海から吹く風というのは非常にキレイな風で塩分やカルシウム、マグネシウムといったミネラル成分をたくさん含んでいます。これらの成分を含んだ適度にしめった空気がリラックス効果をもたらしたり、この時期気になる鼻やのどの気管にやさしく作用したりしてくれます。海岸に滞在して海の空気を吸い込むというだけでも体の調子が整ってくるのです。

また、気温が熱すぎたり寒すぎたりするのも体への負荷が大きく、疲れたときやストレスをとりたいというときには温和な気候の場所がいいと考えています。もともと欧米諸国は日本ほど温泉の数が多くないため、海辺のおだやかな気候を利用して保養する“タラソテラピー(海洋療法)”という考え方もあります。日本でも海岸に位置する温泉というのは非常に多いですが、海岸のよさだけでなく温泉のよさも同時に味わえるので、海岸に位置する温泉を選んでみてはいかがでしょう」(早坂先生)。

海岸近くの温泉の効果について学んだところで、ここからは関東周辺でおすすめの温泉地についてチェック! 関東周辺は半島などもあり、比較的海辺の温泉に行きやすいという環境にありますよね。そんな関東の中でも代表格と言えるのが、静岡の熱海ではないでしょうか。

「熱海は海辺に面している温泉で、気候的にも体にかける負荷が少なく、やさしい温泉です。温泉に入ったあとに海辺を散歩して深呼吸をすると、海からただよってくる空気が鼻やのどに適度な湿度をもたらしてくれます。熱海の温泉は食塩が多く入っている温泉のため、肌もしっとりしますし非常に温まりがいいという特徴があります。

もう1か所では、千葉の幕張温泉。こちらも食塩泉で非常によく温まり、よう素を含んでいるため少し淡い黄色をしています。海沿いに面しており、目の前が東京湾という環境にあるため、露天風呂でぷかぷか浮かびながら海を眺めているとストレスの開放にもつながりそうですよね。また、潮風が吹いているので体が温まったらいったんお湯から上がり、露天風呂の外気浴スペースでゆっくり休むこともできます」(早坂先生)。

幕張温泉は日帰りで行く温泉ですが、それ以外にも関東周辺では伊豆半島や房総半島など、いずれも海岸沿いにたくさん温泉があります。体調を整えたい、気分転換をしたいと感じたら、温泉の色や雰囲気だけでなく、海に近いかという点からも温泉を選ぶ基準にしてみてはいかがでしょう。

温泉選びには、自宅からの距離も重要?

海を見ている女性のイラスト

温泉の選び方として、もうひとつ考えたいのが“距離”について。自分の住んでいる場所から県をまたがずに行ける地元の温泉というのも魅力的ですよね。一方で、東京にお住いの人は「都心に温泉ってあるの?」と思う人も多いかもしれませんが、じつは東京は一大温泉地ということをご存じでしょうか?

早坂先生によると、東京都浴場組合の公式サイトの東京銭湯マップで温泉にチェックを入れて検索すると40件ほどの銭湯がヒットするのだとか。つまり、たった500円程度で都内にいながら温泉に入れるということ!

「私自身、疲れたときはなかなか遠方の温泉に行きにくいということもあり、銭湯をよく使っています。移動距離が短いというのは、ある意味移動中の体力の消耗もなく、時間も使わず交通費もかからないので、体にもお財布にもやさしいですよね

都内の銭湯では色がついているものが多く、とくに大田区から川崎方面にかけては、大昔の植物の成分が分解された腐植質の成分を含んでいるものが多く、黒色または茶色をしていることが多いのです。じつはこの腐植質が入っている温泉は全国的に見ても非常にめずらしいもので、湯ざわりもよく、肌がすべすべになるやさしい温泉です。

サウナを楽しんでいる女性のイラスト

また、銭湯と言うとどうしても入ることがメインになってしまいますが、もうちょっとゆっくりくつろぎたいと思う場合にはスーパー銭湯もおすすめです。スーパー銭湯でも温泉を使っているところは非常に多く、都心周辺から神奈川方面に向かってもたくさんの数があります。銭湯と比べれば多少入浴料金が高くなりますが、その分建物がこった造りになっていたり食事処が充実していたり、行くだけでもかなり気分転換になります」(早坂先生)。

近場であっても、銭湯は自宅のお風呂と比べて浴場の天井が高かったり、脚を伸ばして湯船に浸かれたり、非常にいい気分転換になりますよね。場所によっては、銭湯であっても露天風呂やジェットバスやサウナ、水風呂があるなど、かなり多彩な湯船が展開されていることもあります。

遠くの温泉に行くのももちろんいいですが、手軽に温泉を楽しみたい、ストレスや疲労を今すぐ解消したいという人は、自宅近くや地元の銭湯もぜひお試ししてみてくださいね!

【提供元:Voicy】
参考:温泉の選び方 環境で選ぶ

そのほか、今回の記事参考元、「温泉の選び方 地元の温泉の良さ」の放送を聞くには【Voicy】へ

文/FYTTE編集部

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