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外出が増えた今年はいつも以上に肌ケアが大切! 今やっておきたいリカバリー法を美容皮膚科医が解説

新型コロナウイルスによる行動制限がなくなったこともあり、2~3年ぶりに思いっきり紫外線を浴びたという人も多いのでは? そのうえ今年の夏は猛暑。「久しぶりに紫外線を浴びた肌が大きなダメージを受けているかも」と、ちょっと心配です。そこで、皮膚科・美容皮膚科医の髙瀬聡子先生にインタビュー。今夏の肌ダメージをリカバリーするためのケア方法を教えてもらいました。「暑さが落ち着いた時期の秋のケア」、そのあとの「冬に向けてのケア」というテーマで、2回に分けてレポートします。
Contents 目次
今年は日焼けした人が急増!日焼けケアはまず保湿
髙瀬先生によると「今年は日焼けしている人が確実に多い」とのこと。外出する機会が増えたということもありますが、コロナ禍の間あまり日に当たっていなかったのに、急に紫外線をあびて思った以上に日焼けしてしまったという人も多そうです。
「そうですね。定期的にスポーツなどをして紫外線を浴びている人は、徐々に日焼けしていくのでサンバーン(ヒリヒリと赤くなる炎症)みたいなことは起こりづらいんです。でも、いきなり紫外線を浴びるとサンバーン手前のようなところまで日焼けしてしまうことがあります。今年は、しっかり防御したのに日焼けしてしまったという患者さんが多くて、日焼け対策をしても追いつかないという感じでしたね」(髙瀬先生:以下同)
日焼けをしたら「冷却→保湿→美白」というプロセスが大切なのだそう。
「日焼けのあと、『美白しなくちゃ』といきなり美白ケアをしてしまう人も少なくないのですが、日焼けの炎症を抑えて、肌を落ち着かせてからでないと美白ケアをしても意味がないんです。肌を落ち着かせるには、日焼けのあとに肌を1秒でも早く冷却して、水分を入れて保湿するようにします。日焼け後の保湿には、ビタミンC、グリチルリチン酸ジカリウム、CICA(シカ)なども抗炎症作用のある成分の入った保湿剤を使うと効果的です」
日焼けはほかのトラブルも引き起こすので注意!
髙瀬先生が「今年は日焼けのケアが重要」と強調するのは、日焼けは、かくれていたしみ・しわ、乾燥といったトラブルを表面化させることもあるからなのだとか。
「今年は、日焼けによってかくれじみのようなものが一気に表面化した人が多いんです。日焼けで一時的にターンオーバーが早まるので、それによって乾燥しやすい肌になっている人も少なくありません。しみ・しわの場合は、メラニンを還元し、できてしまったシミを薄くする働きをもつビタミンCが効果的です。おすすめはローションパック。また、サプリメントなどで体の中からケアするのも効果的です。乾燥の場合も、おすすめはローションパックで、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンといった肌の中に水分を蓄えるような成分が含まれたものを選ぶと効果的です。暑い時期は肌がべたつくのがイヤだからと保湿を手抜きしていた人も多いと思うのですが、涼しくなってきたこの時期に、成分をしっかり肌の奥まで浸透させるようにケアしてみてください」
マスクをつける機会が多かった人は、マスクによる毛穴の開きや、肌のたるみにも注意が必要です。マスクの下は高温多湿になるので、そのせいでほおの内側や鼻の毛穴が開いている人が増えているのだそう。
「勤務中はマスクがはずせないという人もいると思います。なので、まずは必要のないところではマスクをとって、毛穴が開きやすい環境をなくすことが大切です。そのうえで、ちょっとひんやりするようなローションパックで毛穴を引き締めたり、毛穴の周りの炎症を抑えるグリシルグリシンが入った美容液などを使ったりすると効果的です。毛穴の中の角質を除去して生成を促す酵素洗顔もいいですね」
たるみの場合は、今年はほおの部分がたるんでいる人が増えているとのこと。それは、マスクをすることによって表情筋を使わなくなったことが原因なのだとか。
「解消法としては、とにかく表情筋を動かすようにすること。しゃべったり、笑ったりして表情を作るように心がけましょう。とくに、ほおの高い部分を上げるようにして表情筋を使うと効果的です。また、筋肉の下、真皮の老化によるたるみの場合は、真皮のコラーゲン生成を促す働きのあるナイアシンアミド、レチノールなどが配合された化粧品を選ぶといいですね。軽度であれば、コラーゲン、ヒアルロン酸なども効果が期待できます」
注意したいのは、毛穴のケアもたるみのケアもゴシゴシこするようなやり方はしないこと。ゴシゴシすると、たるみを引き起こし、たるみが毛穴の開きを助長することがあるそうなので気をつけて。
次回は、「冬に向けてのケア」についてお届けいたします!
取材・文/小高 希久恵