年齢とともに気になってくるのが、顔のたるみ。エイジングケアをいろいろ試してみたくなりますが、「これは効く!」というケア法で、じつは、エイジングが加速してしまうことも……。『女医が教える、やってはいけない美容法33』の著書がある皮膚科医で銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生に、間違いたるみケアについてうかがいました。
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ローラー型のマッサージ器は要注意
顔のたるみで、ほうれい線が目立ってくると、悲しいかな、一気に老け顔に……。エイジングケアで、肌の上をコロコロ転がすローラー型のマッサージ器を使っている人もいるかもしれません。でも、ちょっと待って。「たるみケアのつもりなら、やめたほうがいい」と慶田先生は指摘します。
■NGケア その1:ローラー型マッサージ器でたるみが進行
「肌のハリは、皮膚を骨や筋膜に固定している“リガメント”という靭帯が関係しています。このリガメントは、コラーゲン線維でできています。コラーゲン線維は、引っ張る力に影響を受けやすく、ローラー型のマッサージ器は、皮膚を奥からつかんで引っ張るため、コラーゲン線維が伸びたり、切れてしまう可能性があるのです。つまり、使えば使うほど、顔のたるみが進行してしまうというわけです」(慶田先生)
ローラー型のマッサージ器が効果を発揮するのは、顔のむくみ解消です。「血液やリンパ液の流れを促してくれるので、朝起きて、顔がむくんでいるときに、短時間転がす程度なら問題ありません。週に2回を目安にしましょう」(慶田先生)。
顔の表情筋を鍛えると、たるみが……!
顔の表情筋を鍛える体操も、たるみケアとして人気。器具を使わないなら大丈夫かというと、これもNGです。
■NGケア その2:表情筋を鍛える体操で、老け顔が加速
「顔の表情筋は、加齢によって大きく、固くなりやすい性質を持っています。加齢とともに皮膚にハリがなくなってくると、筋肉の影響が強く出やすくなります。そのため、眉間や額に深いシワができやすく、表情が険しくなり、老け顔が進行する一因に。老け顔対策には、筋肉は鍛えるよりも、むしろゆるめたほうがいいのです。
特に、“イー”という口の動きをする体操は、やめたほうがいいケアのひとつ。この体操で使われる、首すじの左右に浮き上がる“広頸筋(こうけいきん)”は、下あごからフェイスラインを引き下げる筋肉です。ここを鍛えてしまうと、たるみが加速してしまいます」(慶田先生)
たるみ対策には、フェイスラインを引き上げる筋肉を日頃から意識します。「かすかに微笑んだ状態をキープして」と慶田先生はアドバイスします。
取材・文/海老根祐子