厚生労働省が指針を出している「日本人の食事摂取基準」が改定され、若いうちからの生活習慣病を予防するため、「食塩摂取目標量」が引き下げられました。成人の目標量を1日あたり0.5g 引き下げ、男性7.5g、女性では6.5g未満に。現状を見ると女性で1日9.1g(※)摂取しており、その開きは2.6gにも!(※「国民健康・栄養調査」(平成29年)より) そこで、減塩でもおいしく料理を作るコツを料理研究家の小田真規子先生に教えていただきました。
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塩分をとり過ぎるリスクとは?
塩分は体内の水分量を一定に保ち、血圧を調整するなど、体内を調整する大切な役割を果たします。しかし塩分をとり過ぎるとさまざまなリスクが出てきます。どんなリスクがあるのか、まずは管理栄養士の先生に話をうかがいました。
「塩分をとり過ぎると、体内の水分量が増えて、むくみや高血圧、さらには動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など循環器疾患の要因になります。塩分をとり過ぎないことは、正常血圧の人にとっても、高血圧の予防のために意義が大きいと考えられます」(キッコーマン総合病院 管理栄養士 工藤麻美さん)
減塩は高血圧の人だけではなく、今血圧が正常な人にも予防のために必要なのです。
おいしく減塩をするための3か条
減塩レシピというと、「味わいや量が物足りない…」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
料理研究家の小田真規子先生は、「素材の下処理をていねいに行うなどのちょっとしたコツで、素材そのものの味わいを活かすことができるので、味をつける“調味”に頼ることなく、自然と減塩につなげることができます」と話します。
おいしく減塩をする3か条は以下の通り。
● その1 素材の水分をしっかりとる
野菜や魚など調理の前には余分な水分をとってから用いるのが基本。
「素材に余分な水分があると味が薄まってしまうため、味をつけるのにたくさんの調味料が必要になります。ペーパータオルなどでしっかりと素材の水分をとってから使いましょう。また、肉や魚を焼くときに脂がたくさん出た場合も、ペーパータオルで脂をふきとってから調味すると、素材に味がよくのります」
● その2 “煮立てしょうゆ”がおいしさをまとめる
ジュッとしょうゆを煮立てる“煮立てしょうゆ”。ついついしょうゆを入れすぎてしまうのを防げます。
「炒め物をする際、味をつけるときのコツです。フライパンの中央を空けて、そこにしょうゆを入れ、ジュッと煮立ててから、素材にからめましょう。しょうゆの味わいが濃縮され、香ばしい風味が加わり、そのまま炒め合わせるよりもぐっと深い味わいに仕上がります」
● その3 手羽先、かぼちゃ、卵など、減塩しやすい食材を活用する
素材そのものの味わいや香りがしっかりとある、減塩しやすい食材を上手に活用しましょう。
「手羽先などの皮つき肉やかぼちゃはカリッと焼くと香ばしく、素材そのものの甘味や香りも引き出されるため、少しの味つけでおいしく仕上がる食材です。トマトやさつまいもも同様です」
また、卵は塩味を感じやすい食材です。
「卵とじや卵炒めの際には、溶いた卵に少しの塩やしょうゆで味をつけ、それを素材にからめるようにすると、強い味つけをしなくても、満足感のある味わいに仕上がります。どんな食材でも減塩はできますが、このような減塩と相性のよい素材を使うこともオススメ。みつ葉、しそ、のりのように、香りのよい食材と合わせるのもいいですね」
〈減塩レシピ〉を作ってみよう!
小田先生考案のおいしい減塩レシピをご紹介します。
「鶏手羽とかぼちゃの揚げがらめ」は手羽先の香ばしさで、減塩なのに濃厚な味わいの一品。調理時間は約15分、1人分472kcal、塩分1.0g。
レシピでは「キッコーマン いつでも新鮮 超減塩しょうゆ 食塩分66%カット」を使用。独自の発酵技術により、キッコーマンの減塩しょうゆにおいて、過去最高の食塩分カット率を実現しました。
減塩レシピ「鶏手羽とかぼちゃの揚げがらめ」
【材料】(2人分)分量の目安
鶏肉(手羽中) 300g
薄力粉 大さじ2
かぼちゃ 200g
青ねぎ 5本
サラダ油 大さじ2
(A)
キッコーマン いつでも新鮮 超減塩しょうゆ 食塩分66%カット 大さじ2
砂糖 小さじ1
こしょう 小さじ1/4
【作り方】
(1)鶏肉は骨に沿って切り込みを入れ、薄力粉をまぶす。かぼちゃは1.5cm厚さのくし切りにする。青ねぎは小口切りにする。
(2)フライパンに油を中火で熱し、鶏肉、かぼちゃを片面5~6分ずつ焼く。
(3)ボウルにしっかり油を切った(2)の鶏肉と(A)の調味料を入れてからめ、かぼちゃ、青ねぎを加えて混ぜてでき上がり。
減塩でもおいしい料理をマスターし、若いうちから“減塩”を心がけたいですね。
ほかの減塩レシピはこちら!
https://www.kikkoman.co.jp/kikkoman/chougenen/index.html
文/庄司真紀