食王国イタリアには食をテーマにしたアミューズメントパークが出現。おいしいものを食べながらも、食について学べるという新形態のテーマパークをのぞいてきました。
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イタリアではスローフード、食育が根付き始めている
ファストフードの健康や情緒に及ぼすマイナス影響や食文化の荒廃に対抗する形でイタリアで起こったスローフード運動。その土地の環境にあう方法で作られた安全な食材を推奨し、伝統的な食文化を見直そうというこの動きはいまや世界的にもお馴染みです。有機食材やゼロマイル産物などはブームとなり、また純粋な味覚を教育する「食育」という言葉もよく聞かれるようになりました。
さて、そのスローフードの精神に基づくイタリアの食材デパートが「イータリー」。トリノに第一号店が生まれて以来、現在では国際的チェーン店に成長しました。
さて同店は昨年11月、ボローニャに「フィーコ・イータリーワールド」という約10万平米の食の体験型メガテーマパークをオープン。実体験に基づいた「食育」に重点を置き、おいしいものを食べて楽しく食について学べるアミューズメント性の高いスポットとなっています。
https://www.eatalyworld.it/en/
東京ドーム2つ分の広大な施設には牧場や農園まで!
農産物耕作や家畜生育の現場を見学できる2ヘクタールのデモンストレーション用農場や牧場では200頭の動物と2000種類の植物が育てられていて、かわいい動物たちに癒されたり、普段あまり一堂に見ることができない植物に感心したり。
また施設内には40メーカーのブースがあり、ライブで食品ができる製造過程を見たり、ジェラート、ピザ、パスタなどの様々な食品作り体験コースで食べ物のできる仕組みを学べるようになっています。イタリア人と言えども普段は自分でジェラートやピザをつくることはあまりないのでみんな興味津々。
レストランでは施設内でとれた食材を調理
さらにジオストラと呼ばれる6つのテーマに分かれたインスタレーションブースでは、地球、海、火など食にまつわる自然の要素を楽しく学べて子供たちにも大人気。また施設内にある45店の飲食施設では、ここで育てられた原料もそのまま使用されています。食材販売スペースも各所にあり、市中のスーパーではなかなかみつからないような有機食材やグルテンフリー製品などヘルスコンシャスで質の高い製品が豊富に揃っています。
1日たっぷり楽しめる“食のディズニーランド”(?)。とは言いすぎかもしれませんが、楽しく健康的においしいものを食べる、というのは遊園地に匹敵するエンターテイメントなのではないでしょうか?
写真・文/田中美貴、ホリ・コミュニケーション