「月曜断食」、その言葉を目にしたことある方は多いはず! 2018年に出版された書籍『月曜断食「究極の健康法」でみるみる痩せる!』は、発売されるやいなや各メディアでとり上げられ、たちまち大ヒット。SNS上には “月曜断食メイツ”と呼ばれる月曜断食の体験者が続々と出現し、8㎏減、10㎏減、15㎏減……を公表しています。料理研究家のむっちんさんも、月曜断食成功者のひとり。コロナ禍に一大決心し、月曜断食をはじめ、3か月で15㎏の減量を叶えました。そんなむっちんさんが、どう月曜断食を実践してきたのか。体験談を3回に渡ってお送りします。
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「今やらなければ一生できない」という言葉に触発され、やせることを決意
2020年7月1日から「月曜断食」をはじめ、そこからわずか3か月で15㎏の減量に成功したという料理家のむっちんさん。これまでの人生、常にぽっちゃりという自覚はあったものの、やせようと強く意識したことは、なかったそうです。そんなむっちんさんが、なぜ、突如「月曜断食」を始めたのでしょうか?
「私は、現在は料理家として活動していますが、以前は会社員でした。その会社を3年ほど前に退職し、自宅でレシピ開発をしたり、食べものの記事を書くことが日常になると、毎日座りっぱなし! 以前は営業職だったので外出も多かったですし、会社の行き帰りだけでも歩いていたけれど、それさえもなくなった日々により、体重はあれよあれよという間に増量。1年半くらいの間に、15㎏も増えてしまいました」(むっちんさん)
さらにコロナ禍の自粛生活で人に会う機会も減っていくと、ますます体重に無頓着になっていったそうです。ところが、6月下旬のある日、「自粛生活の今こそ、何か始めないと一生何もできない」という友人の言葉に触発されたむっちんさん。仕事面だけでなく、ダイエットもそうかもしれないと気づき、「やせよう!」という思いがふつふつと湧いてきたのだとか。
「自分のSNSのフォロワーさんが、『月曜断食を始めた』とつぶやいていたんです。当時、私はダイエットに疎かったので、こんなに流行っている月曜断食のことをまったく知らなくて。検索して初めて知ったのですが、知るほどに、興味が湧いてきました。そして、7月1日の朝、私は突然思い立ちました(笑)。『1日だから、今日はきりがいい!』と思い、数日前に調べた月曜断食を、その日から始めることにしたんです」
朝、ベッドの中で書籍『月曜断食「究極の健康法」でみるみる痩せる!』のkindle版をダウンロード。一気に読み込んで、その日から「月曜断食」の実践を開始したそうです。
当時、むっちんさんは、身長159㎝・体重68㎏。やせた今振り返ると内臓脂肪がだいぶ多く、お腹のまわりには浮き輪のように脂肪がたっぷりたまっていたそうです。
「やせる前の私は、その脂肪も自分の一部としてすっかり見慣れてしまい、気にもしていなかったんですよね。コロナ禍以前は海外旅行によく行っていたのですが、現地では大きなボディの女性が何の抵抗もなく水着を着てビーチに横たわっています。そんな光景を見ると、私なんてまだまだ平気!という錯覚を起こし、私もお腹の脂肪をさらけ出していました(笑)。そのお肉がなくなって初めて、以前の肉づきのよさに気づきました。やせなければ自覚をすることなく、そのまま一生過ごしていたのかもしれないです」
ところで、月曜断食って? 月曜断食の基本のやり方
むっちんさんを-15㎏に導いたこの「月曜断食」。その名の通り“月曜日”に断食をすることは、なんとなくイメージがつきますが、「どうして月曜なの?」「普通の断食と何が違うの?」と思った人も多いのではないでしょうか。
「月曜断食」とは、具体的にはいったいどんなものでしょうか?
「月曜断食は、『Harriet』代表、関口賢さんが考案したメソッドです。簡単に言えば、月曜日を水だけで過ごすというシンプルな方法です。加えて、火~木曜はからだにいいものを食べる、土日はなんでも食べてOK。それぞれを<不食><良食><美食>と呼ぶのですが、1週間をこのサイクルで過ごすというものです」
【月曜断食の基本のサイクル】
・月曜日は<不食>。この日は、朝・昼・夜ごはんを食べず、水だけで飲んで過ごします。1日の水分摂取量の目安は1.5~2L。
・火~木曜日は<良食>。この4日間は、体に必要な栄養素だけを選んで食べます。
朝は、旬の果物(2分の1個程度)とヨーグルト(基本は無糖・コーヒーカップ1杯程度)。※もしどうしても足りなければ、漬物、納豆などの発酵食品をプラス。
昼は、炭水化物は抜き、おかずのみ。
夜は、野菜スープやサラダなど、野菜料理。
・土、日曜日は、<美食>。
朝・昼・晩ともに、好きなものをこぶし2つ分の量まで食べてOK。
週のはじめの月曜日に断食をすることでその週のパフォーマンスを上げ、平日は自分のからだにとってベストな食事をとり、週末は友人や家族とともに食事を楽しみ、月曜日は食べ過ぎたからだをリセットする。このサイクルをくり返すことで、食べる楽しみを享受しながら、快適なからだを維持できるそう。
「でも、じつは私が『月曜断食』を開始した7月1日は水曜日なんです! 書籍の中でも書かれているのですが、不食日は必ず月曜でなくてもOK。土日出勤や勤務時間が変則的な方もいますから、自分の都合のいい曜日を不食に設定してもかまわないそう。私も仕事柄、変則的な生活スタイルなので、月曜日にはこだわらず、“水曜断食”にしました」
月曜断食は、道具もいらなければ、「食べない」という手段なので当然お金もかかりません。だからこそ、「思い立ったその日に開始ができた」とむっちん。
「本当に、思い立ったが吉日! だって、もし、この勢いで実行せず『また、あとで』と流していたら、私は今もまだ同じ体型だったかもしれないです。始めたのが1か月遅ければ、さらに1か月太った時間を長く過ごさなければならなかった。逆に言えば、1日早く始めていれば、もう1日早くやせられたのに……。やせた今、『あーもっと早くやればよかった!』と思います。だから、これから始める人は1日でも早く始めることがおすすめ! 今始めれば、1か月後の体は確実に変わっていますから」
現代人の胃腸は消化に追われっぱなし。酷使によって、消化能力も代謝能力も低下。
著者の関口先生によると、「食べない=不食」は、東洋医学において古くからある養生法であり、体を回復させるための知恵として伝えられてきたそうです。
ところが、私たちは、「1日3食」が常識で育ってしまったがため、「食べない」という常識や知恵を忘れ去ってしまっています。その結果、胃腸につねに食べものを送り込み、休ませることなく消化活動を続けさせて、酷使しているそうです。当然、酷使で疲れた胃腸は消化能力が低下。それが、さまざまな不調や代謝の低下にもつながります。
さらに、胃の中ずっと食べものが詰まっていると、つねに胃酸が出ている状態に。胃酸が出ると脳は、胃の中にたくさん食べものがあるにもかかわらず「何か食べたい」という空腹感を起こさせます。その指令によって、また食べものを胃に放り込んでしまうので、食べても、食べても満たされないという負のループが続いてしまうようです。
この悪循環を断つために必要なのが、「断食」です。
一旦食べものを送り込むことをオフすれば、胃腸は休むことができ、本来の働きを取り戻すことができます。すると、排泄能力、消化吸収力も高まり、血液循環もよくなる。その結果、代謝機能もアップします。
「断食をすれば、食べないぶん、当然体重は落ちるのですが、単にそれでやせるわけじゃないんです。一度胃を休ませることで、体を根本から変えていきます。蓄積する体から燃焼する“太りにくい体質”に変わるので、リバウンドもしにくいそうです。そういった理論を知っていくと、断食の奥深さにますます興味が出てきて、やる気も沸いてきました。
やせる前の私は、お腹が空いていなくても1日3食とっていたし、1日中ダラダラ食べることが習慣になっていましたから、胃腸をかなり酷使していたと思います。これでは、太ってしまったことも納得ですよね」
前述のように、「月曜日でないとダメ」ということはなく、自分の都合に合わせてフレシキブルに実践できる点も、月曜断食の魅力とむっちんさん。
「仕事の都合上、不食日にどうしても食べなくてはいけない日もありました。そういったときは、翌日の夕食を抜くなどして帳尻を合わせました。本の中でも、すべてが理想通りにはいかないし、食べ過ぎてしまったときなどは、それを悔やむのではなく、早い段階で“なかったこと”にすればいいと書かれています。そして、1度食べ過ぎただけでこれまでの努力がゼロになるわけでもない!と。そんなふうに、ガチガチに固められたルールでないところも、私が続けられた理由だと思います」
次回は、むっちんさんが実際に良食日に食べていたものや、“月曜断食メイツ”の中で流行っているという、おいしいヨーグルトなどもご紹介します。料理家ならではの工夫、気づきなどにも注目です!
取材・文/柿沼曜子