CATEGORY : ダイエット |食べる
ロスで人気のクッキーミックス。使われている“アップサイクル”素材は日本でおなじみの、あの食材!
カリフォルニアはアメリカの中でもSDGsの意識が高い人が集まる場所でもあります。そんなカリフォルニア州ロサンジェルスに住んで22年のライターが、アメリカでのSDGsについて紹介していくこのシリーズ、2回目の今回は「アップサイクル」について。今回ご紹介する「クッキーミックス」には、日本でもおなじみの、ある“アップサイクル素材”が使われているというのですが……?!
Contents 目次
アップサイクル素材を使って食品ロスに対抗
今のトレンドのひとつに「アップサイクル」というキーワードがあります。リサイクルの進化版とも言えるこの言葉は、廃物や使わなくなったものを、新しい素材やよりよい製品に変換して価値を高めることを指します。
「アップサイクル」は、“次世代素材”とも言われます。もともとは古い洋服や家具を、洗練された洋服や家具に変身させるのに使った言葉でした。しかし、食べられるのに廃棄する食品ロスが問題視されるようになった現代、食品業界でも新たに見受けられるようになってきました。
このアップサイクルされた材料を使い、温暖化防止に役立つベーキング製品を供給するのが、「Renewal Mill(リニューアル・ミル)」です。ワシントンポスト紙やボストン・グローブ紙など数々のメディアにもとり上げられている話題の企業です。
「Renewal Mill(リニューアル・ミル)」は、世界的なフードロスや気候変動に対抗するために、スーパーフードや植物ベースの素材を使用することで賞も受賞しています。なかでもベストセラー商品として有名なのはミックス粉です。
油と水を足して焼けばクッキーやブラウニーができる、このミックス粉は「ダークチョコレート・ブラウニー・ミックス」をはじめ、「シュガークッキー・ミックス」「オーツ・チョコレートチップクッキー・ミックス」など全5種類。外はサクッと中はやわらかくしっとりとした食感が人気で、ジェームズビアード賞(料理界のアカデミー賞)を5回受賞する料理本の著者で、アーモンド粉など代替小麦粉の使用で有名な専門家、アリス・メドリッチが監修を担当しています。
ミックス粉はすべて植物ベースでグルテンフリー。原料のひとつが“アップサイクル素材”である「おから粉」です。日本でもダイエットや健康的な食材としてすっかりおなじみになっている「おから粉」ですが、ロスでは豆乳を作るときのしぼりかすとして廃棄されてしまう「おから」をアップサイクルした“次世代素材”として認識されています。
おからの原料である大豆は、オーガニック素材で、遺伝子組み換え作物は使いません。そのほかの材料に関しても、オーガニックの砂糖や、フェアトレードのチョコレートを使用しています。ただし砂糖の使用量が多いことから、甘味がわりときついのが特徴です。
パッケージは、30%が使用済み再生プラスチックで作られていて、世界規模でプラスチック・ニュートラルを推進するプラットフォーム「rePurpose Global(リパーパス・グローバル)」と提携しています。 「最終的には、堆肥化ができる袋に移行する予定です」とは、共同経営者のClaire Schlemme(クレア・スケルム)さん。エコへの道はこれからも進化し続けていきそうです。
取材・文/滝口 真理