おうち時間でスマートにアルコールを選び、スマイルで飲む「スマ飲み」。お酒を飲んでも太らない方法を紹介するシリーズの第2回目は、スマ飲み実践編。ダイエットカウンセラーであり、管理栄養士の伊達友美さんに、スマートに飲むためのスマートな食べ方を教えてもらいます。
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スマートになるために、お酒と一緒にとるべきものは、水と魚介!
お酒を飲んでも太らないためには「何を減らせばいいんだろう……」と思う人が多いかもしれません。でも、「スリムになるためには、食べ過ぎているものを減らすのではなく、足りないものをプラスして代謝のいい体にすることが大事です」と伊達さん。
そもそも太る原因のひとつが、栄養不足だそう。食べたものを消化・吸収したり、体についた脂肪を燃やすには、いろいろな栄養が必要です。現代人は、たくさん食べているようでいて、体の代謝のために必要な栄養が不足気味に。その状態が続くと、太りやすくやせにくい体になってしまいます。そこで伊達さんが提唱しているのが「プラス栄養メソッド」。体に不足している栄養をプラスして代謝を上げ、スマートな体を目指す方法です。
お酒を飲むときも同様に、足りないものをプラスすることが、飲んでも太らない代謝のいい体をつくる秘訣。では、どんなものをプラスするといいのでしょう?
「アルコール度数にかかわらず、どんなお酒にもチェイサーを用意し、お酒と一緒に水分をとることが大事ですね。アルコールには利尿作用があるため、水分をとることでお酒による脱水状態を防ぐことができるからです。また、水分をとると血液循環がよくなり、アルコールを速やかに代謝できるので、二日酔いの予防になります。さらに、血流がよくなると、体内の老廃物がスピーディに排出され、代謝がアップ。チェイサーは体を冷やさないように常温の水にし、お酒を楽しむのと同じように少しずつチビチビと飲むといいですね」
また、アルコールには油の吸収率を上げる性質があります。それを利用して、脂肪燃焼効果のあるオメガ3系の油をとることも、スマートに飲むコツ。
「オメガ3系の油が多く含まれる食材は、エゴマ油(シソ油)、アマニ油などの種実の油、クルミなどのナッツ類。同じくオメガ3系のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、旬の魚や魚卵などに多く含まれています。そう考えると、お酒におつまみには、シーフードがおすすめですね。シーフードのメニューは、日本酒にはお刺身やいかの塩辛、ワインにはカルパッチョ、紹興酒なら中華刺身など、お酒と魚介類の産地を合わせると、油の吸収がよくなり、おいしさも引き立ちます。また、お刺身やカ
ルパッチョなど、生のものを選ぶことも代謝を上げるポイント。生の食べものには食物酵素が豊富に含まれているため、体内の酵素サポートし、アルコールや脂肪の代謝を高めることができます。そして、お酒のシメに肝機能を高めるしじみ汁やみそ汁など、温かい汁ものを飲み、内臓を温めると、脂肪がより燃えやすくなります」
ジャンクフードのおつまみで質の悪い油をとるのはNG
反対に、お酒と一緒にとらないほうがいいものとは、どんなものでしょう?
「唐揚げやフライドポテトなどの揚げものは、できるだけ控えたいですね。植物油は長時間加熱することで、酸化して質のよくない油に変わってしまい
ます。質の悪い油をとると皮下脂肪や内臓脂肪がつきやすく、毛穴や皮膚にもダメージを与えて老化が進んでしまいます。アルコールには、よくも悪くも油の吸収を高める性質があるため、質の悪い油の吸収も高めてしまうので気をつけましょう。また、ピザやコロッケなど小麦粉を使ったメニューも要注意。小麦粉をとりすぎると体の冷えや腸内環境の乱れを誘発し、代謝を下げる原因になります」
お酒を飲むときの食べ方にもポイントがあります。できれば肉と魚を一緒に食べないこと。
「代謝のいい体をつくるには、たんぱく質が豊富な肉や魚が必須で、お酒を飲むときにもプラスしたい食材ですが、肉と魚を一緒に食べるのはNG。胃の消化液の酸度は、食べたものによって調整されると言われています。肉と魚では消化するための酸度が違うといわれているため、一緒に食べると、どちらも消化できない中途半端な酸度の消化液が出てしまい、消化不良を起こして栄養不足に。すると、脳が『栄養をもっととれ!』と指令を出し、食べ過ぎを招いてしまいます。お酒を飲むときは、肉か魚のどちらかをメイン料理に決め、それに合わせて肉系、魚系の副菜をチョイスしましょう。乳製品
は肉系の副菜として考えます。卵はどちらに合わせても大丈夫です」
ここで紹介した代謝を上げる食べ方、飲み方をベースに、飲んでも太らない体を目指しましょう!
次回は、お酒を飲んだあとの食事のとり方についてご紹介します。
取材・文/野口美奈子
〈参考書籍〉
『ダイエットカウンセラーが教えるお酒を飲んでも太らないうまい食べ方』 (青春文庫)